ニセカンランハギ
標準和名:ニセカンランハギ
学名:Acanthurus dussumieri Valenciennes,1835
属:スズキ目ニザダイ科クロハギ属
宮崎地方名:?
特徴など:
かなりややこしい標準和名の魚なんだけど、宮崎の日南方面での常連さん達の言い方は「アブラコベ」である。アブラは恐らく身に脂分が多い事からついた名だと思われ、コベは「頭」の事を指すと思われるが、この場合魚という意味なんだと思う。
ニザダイ科クロハギ属なんだけどクロハギ属の魚だけでも21種類もあるようで(※WEB魚図鑑参照)ダイバーの方の方が馴染み深い魚なのかも知れないが、釣り人は割りと嫌う魚かも知れない。
私の感覚では、宮崎でも南方面のほうが魚影が濃い魚である。磯釣りの上物狙いの外道として釣れるが、実は私がよく釣る仕掛は、メジナ狙いをしていて釣れない時に、だんだん遊びでダンゴ仕掛なるものを入れたりするのだが、これに特に反応が良い。
オチョボ口で餌を突く感じで捕食するんだと思われる。かなり小さい口なんだけど普段は下向きに海苔などを口でこさいで食べるんではなかろうかと想像させる。
この魚はスタンダードサイズが35Cm程度なんだと思う。釣れる大物でその程度。しかし40Cm程度が釣れる時もある。そしてそのぐらいだとかなり引きが強い。35Cmで40Cm級のメジナと一緒ぐらいの感じ。
だから慌てるし、楽しめるけど姿が見えてがっかりするのだ。
ニセカンランハギという名はもちろん釣れて写真を残し、その写真で調べて判った名なんだけど、特徴的なのは尾鰭の手前にある棘(きょく)が1つ。同じグループの魚であるニザダイは目立つ棘が3つ(性格には目立たない棘が1つあり合計4つ)であるがため通称「サンノジ」と言われるが、ニセカンランハギの場合は「イチノジ」と呼ばれる事もある。この棘はとても固く尖っているので迂闊に触るとナイフを使ったように切れてしまうので扱いに注意が必要だ。
気になるのはその名に「ニセ」がつくこと。つまり偽ではない「カンランハギ」と言う魚がいるはずなんだけどこれは観た事が無い。インターネットで調べると、更に南(奄美・沖縄)なら出会えるのかもしれない。しかししっかりと同定できそうな綺麗な写真が無い。わずかに小さく写っているダイバー(海の中)の写真しかなく40000点の写真掲載を誇る「魚類写真資料データベース」
http://research.kahaku.go.jp/zoology/photoDB/ でも2枚しか出てこない。
ちょっと気になったので見てみたが、「ニセ」と名がつく魚はかなり多い。ざっと数えて33種もあるが「ニセ」がつくから偽者、つまり一般的に言われるまがい物という事ではない。そんな名を付けられた魚って可哀想である。でもかなり近似種である事には違いないんだろうけど。
釣りの話に戻ると、こいつはとてもシャープに引き込んでくれる。ガツンと竿に乗るんだけど魚にとっては「しまった!逃げなきゃっ」って事なんだろう。でもこんな引きをする魚は良い魚でない事が多い。でもクロメジナなども同様の引きがあるので侮れない。
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