アイゴ

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標準和名:アイゴ
学名:Siganus fuscescens (Houttuyn,1782 )
属:スズキ目アイゴ科アイゴ属
宮崎地方名:バリ

特徴など:
宮崎だと、釣魚としても水産資源としても軽んじられる魚だけど、磯釣りではメジナ狙いの上物釣りの外道としてよく釣れる。夏時期に釣れやすくて夏の魚だと思われがちだけど冬も釣れる。
ただ冬時期の魚はいささか痩せ気味な感じを受ける。

その呼び名だけど、標準和名の「アイゴ」はまったくと言っていいほど浸透していない。WEB上で検索してみても、アイゴの由来って不明だという記事を見る。自分なりに連想してみても・・・?
ただ、一般的に使われるバリは想像しやすい。釣り上げると尾鰭・腹鰭を思いっきり立てて威嚇する。その棘には毒があり、これが刺さるとかなりキツイらしいが、私はまだ経験がない。
その威嚇した様子が威張っている(イバリ)という印象がある。

ちょっと興味深いのが「アイゴ」と「シモフリアイゴ」の行く末だ。
アイゴにはシモフリ型とそれが目立たない(体に白斑点があるかないか)種類があり、私が持つ山渓「日本の海水魚」には区別して乗せてある。
図鑑上の紹介では、胸鰭がやや大きく白斑点の差で区別されているが、遺伝子的には極めて近く同種内地方集団にあたる可能性があるとされている。
私が写した写真でも目立つもの、そうでもないものがある。もっと研究が進むと2種に分かれるのか微妙な魚だ。

さてこの魚は九州でも熊本などではしっかりと釣りの対象魚で、トーナメントが行われるほどだ。
この魚はとても美味しいという意見と不味いが2分される。その理由だが、とても磯臭いのだ。ただしその臭さとは、貝類が持つ臭みと似ていて、臭み=旨味という関係だ。
私の場合は自分で釣り、自分でさばいたものが不味くて、人にさばいてもらったものが美味しい。内臓の処理をする際にかなり匂いがこびりつくので、1~2日間はその匂いに悩まされる。

一時期、この魚をしっかり持ち帰ってよく食べた。
磯場で釣れた際に、頭と内臓を落として身の部分だけを残し、自宅で3枚におろした後は氷水に1分ほど漬けておく。
すると、油分が浮いてきて、そのまま刺身にして旨味だけがほどよく残って美味しい。
似ても焼いてもよい。だけど匂いが気になってしょうがなかった。最近はその匂いのせいでリリースする。