ショウサイフグ

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標準和名:ショウサイフグ
学名:Takifugu snyderi (Abe,1989 )
属:フグ目フグ科トラフグ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年5月
写真の魚のサイズ:32.2Cm

特徴など:
東北以南の各地。黄海~南シナ海。30Cm前後。
宮崎では専門にフグを狙う釣り(釣船など)はないが、東京湾・千葉県などでは狙われ、対象となるのがこのショウサイフグだ。身はトラフグより水気があると言われるが美味。

宮崎ではこの魚が数年前まで普通にストアーに売られ、中毒・死亡事件があって何がしかの規制が入ったと記憶する。私はその時にショウサイフグという名を初めて聞いた。大きくなり、食用として結構流通しているように聞くが、実はほとんど見たことがない。

カイユウセンニンフグ

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標準和名:カイユウセンニンフグ
学名:Lagocephalus suezensis Clarke and Gohar,1953
属:フグ目フグ科サバフグ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年6月
写真の魚のサイズ:16.2Cm

特徴など:
南日本太平洋側。インド・西太平洋域に生息。大きさが不明だが、写真のサイズ以上の情報をWEB上では見つけられない。あまり大きくならないのだと思われる。ちなみに近似種のセンニンフグは1mになる。
昔から普通にとれてセンニンフグだと思われていた魚種のようだが、京都大の中坊徹次博士が高知県以布利にある大阪海遊館の海洋生物研究所で調査中に発見した日本初記録種なんだそうだ。海遊館から名前をとったという由来がある。回遊していることが名の由来でないのが面白い。

各鰭の鰭条数が少ないこと、体側背面に不規則な模様をもつこと(センニンフグでは小黒点が散在)や体側の銀白色の横帯の幅が広いこと(センニンフグでは幅が狭い)などがセンニンフグとの違いのようだ。

モヨウフグ

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標準和名:モヨウフグ
学名:Arothron stellatus (Bloch and Schneider,1801 )
属:フグ目フグ科モヨウフグ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年3月
写真の魚のサイズ:18Cm

特徴など:
茨城県以南。~インド・西太平洋域。珊瑚礁域にすむ。80Cmにも成長するようなので写真の魚は幼魚~若魚ということになる。
サンゴ群落域に棲息する大型のフグで薄い灰色の身体に無数の黒点があり、全体として灰色に見える。毒性も強いようだ。

サザナミフグ

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標準和名:サザナミフグ
学名:Arothron hispidus (Linnaeus,1758 )
属:フグ目フグ科モヨウフグ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年8月
写真の魚のサイズ:2Cm

特徴など:
45cmにもなる大きな魚です。成長すると全体に褐色であったり緑がかったりと、色彩に変異が見られますが、幼魚でも目の後ろにある大きな黒い斑点が目印となります。
大きくなると細かな白点が無数についてきます。

サン・マリーナでは海面近くを漂う数尾を見ています。脅かすと意外に動きが速くスーッと逃げてしまいます。雑食性でウニ、貝類、ヒトデ、海草、カイメンなどを食べます。皮膚と内臓は有毒です。南日本から太平洋・インド洋に分布しています。(H.Tanaka)
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撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年4月
写真の魚のサイズ:22.5Cm

シロサバフグ

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標準和名:シロサバフグ
学名:Lagocephalus wheeleri Abe, Tabeta and Kitahama,1984
属:フグ目フグ科サバフグ属
宮崎地方名:キンフグ

特徴など:
シロサバフグは、私が知る限り唯一の普通に食べられるフグ科の魚だ。宮崎では「キンフグ」と言われ普通に売られている。
尾鰭が湾入し上後端と下縁が白いのが特徴だが、良く似る「クロサバフグ」と区別するためには、この部分をきちんと見分けられる事が必要だ。(ドクサバフグは東シナ海やインド洋にいる魚で、普通には見られないが時々は意外な場所で出るらしいのでくれぐれも注意)

食べては塩焼き・鍋もの・フライ・ムニエル、天ぷらなど何にでも合う。ただ、トラフグなどの食感を期待すると、それほど粘りがある身でもないのでがっかりするかも。モツ煮なども美味しいらしい。
私はいくらこの魚でもモツだけはちょっと抵抗あるけど。

2000年前後までは普通に見ることができたし、結構な大群で沖の釣りの際に見ることができた。しかしここ数年は減っているようだ。おちょぼ口に見えるけど、この魚はかなり獰猛で、以前ジギングの際にもこの魚が追ってきて、目の前で喰らい付いてきた記憶がある。普段小さい口がエイリアンのようにガバッと開いたのだ。それはそれは恐怖の瞬間だ。

クサフグ

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標準和名:クサフグ
学名:Takifugu niphobles (Jordan and Snyder,1901 )
属:フグ目フグ科トラフグ属
宮崎地方名:?

特徴など:
浜の投げ釣りでキス釣りの外道として釣れる。浅海の磯際などでも釣れる。河口の釣りでも姿を見せる。ときにはこの魚ばかり。とにかくもっとも馴染みがあるフグだ。

宮崎県北の浜で5月初旬からクサフグの産卵が始まる。波打際で満潮の夕刻に無数のクサフグが産卵する光景を7月下旬まで観察できるらしい。
魚の産卵ってすごい。以前、ヘラブナの産卵を見た事があるが、それはそれは凄い数の魚が集まる。
とにかく数万という魚が一斉に波打ち際に押し寄せるので新聞沙汰となる。一度見に行きたいもんだ。

成長してもだいたい15Cmぐらい。
内臓のキモや卵巣などには猛毒があるのはフグ科の魚の常識だし、この魚も例外ではない。しかしフグ調理師に頼めるなら、食べてみるととても美味しいらしい。
随分前の話だが、この魚を釣っては食べてみるというサイトがあった。チャレンジャーというか真似はするべきでもないのだが、そのサイトの紹介では、毒は水には弱くて充分に洗い流すといいとの記載があった。
だけど、フグが持つ毒はテトロドトキシンといい、300℃以上に加熱しても、分解されないので注意が必要。人の経口摂取による致死量は2-3mgで、経口摂取では青酸カリの850倍の毒性を持つ。とのことだから、簡単に食べてはいけない。
ちなみに早いうちなら毒を口から吐き出させるなどの処置で助かることもあるが、解毒方法は見つかってないらしく、処置が遅れた場合には舌や唇がしびれ、指先のしびれに繋がる。頭痛・腹痛・嘔吐などを起こし、歩行や発声が困難になる。重度の場合、血圧の低下などが起き、呼吸困難・意識障害になり死亡に至る。まれに仮死状態に陥ることがあるとのこと。

小さくても怖い魚だとも言えるなぁ。とても馴染みもあるのに。

ヒガンフグ

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標準和名:ヒガンフグ
学名:Takifugu pardalis (Temminck and Schlegel,1850 )
属:フグ目フグ科トラフグ属
宮崎地方名:?

特徴など:
彼岸の頃によく獲れるからヒガンフグだという名の由来だ。
岸から釣れるフグの仲間には、宮崎だともっとも馴染み深いのが「クサフグ」で、次に「コモンフグ」そして「ショウサイフグ」も結構釣れるらしいが私はまだ身体験(写真ありません)

私が知る、食べてもよいフグの類は「シロサバフグ」だけで、当然このヒガンフグも毒持ちなので注意が必要だけど、実はトラフグよりも美味などという記事も見た。だけど小さくて、大きくなっても35Cm程度との事なので養殖向けではない。ちなみに写真の魚は20Cm程度。

私が釣ったのは日向の地磯でちょっと沖は砂場の場所だ。割とメイタ(クロダイの若魚)が釣れる場所で、時々は珍しい魚が釣れる。
その後姿を見たのもこの1度きりなので、そんなに個体数が多くはないと思われる。

写真のようにちょっと茶色掛かった全身像で、ぶつぶつと小さなイボのような突起物があり(カエルのようと言ったほうがよいかな?)危険な感じではないが、ちょっと触りたくない印象。
眼の人間で言えば白目にあたる部分が赤い充血したような眼だ。

山渓「日本の海水魚」によると、春の新月と満月の直後に沿岸のタイトプールや砂浜で産卵するそうだ。

キタマクラ

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標準和名:キタマクラ
学名:Canthigaster rivulata (Temminck and Schlegel,1850 )
属:フグ目フグ科キタマクラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
和名が「キタマクラ」なんて縁起悪いし全国でこの呼ばれ方をしていると思うが嫌われ者で可哀想な魚である。

冬の磯場でよく見かける。沖の瀬でも磯近くの防波堤でも。そして時々釣れてしまう。

餌取りが上手でハリスまで切ってくれるのが嫌われる原因だが、こんな魚でも良い所の1つや2つ・・・と考えてみても・・・思いつかない。
名の由来の「キタマクラ」はその名の通り毒があるから。皮膚、肝臓、腸などに毒を持つといわれるがさほど強くもないという記事もあった。

南日本の黒潮域に多いそうだ。
足元にゆっくりゆらゆら泳いでいる。よく見たらあっちにもこっちにも。
撒餌を投げるとモワッと何匹か寄ってくる。恐らくメジナなどが下に潜んでいれば追い払ってくれるんだろうが、この魚が海を占有しているということは、他の魚は居ないのか活性が低いのか?

キタマクラが釣れたらハリスのチェックを怠らないよう!
ハリを結線しているチモトが噛まれて切れ掛かっているだろう。そして大型の魚が釣れるとそこから切れちゃうのだ。面倒でもハリを交換しよう。

ちなみに産卵時期の雄は腹部が青いが、とても魅惑的な美しい青だ。雌個体はまったくこの色が出ない。

コモンフグ

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標準和名:コモンフグ
学名:Takifugu poecilonotus (Temminck and Schlegel,1850 )
属:フグ目フグ科トラフグ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真の魚はコモンフグと言う。沿岸で釣れるフグにはこれ以外に「クサフグ」「ショウサイフグ」「キタマクラ」などがあるが、クサフグ・ショウサイフグ・コモンフグはちょっと区別しにくい。だけど模様が違う。
上記の4種ともに毒持ちだから食べたら駄目。だけどショウサイフグは大きくなり、時々は平気で港町のストアーに売られていたりするから怖いと思う。宮崎では数年前だが、このショウサイフグで毒中毒事件がおこっている。ちなみにフグ目の魚で堂々と販売されているのが通称「金フグ」と言われる標準和名「シロサバフグ」である。この魚はまた別の機会に紹介したい。
フグ毒はテトロドトキシンといい、天然物の中では最も合成しにくい部類の毒のようでその毒性は「青酸カリ」の850倍以上とのこと。2-3mgの摂取で人間が絶命する猛毒なんだそうだ。怖い怖い。毒はおもに皮・内蔵部分にあるが種にもよるけど身にも弱毒を含んでいるから素人は絶対に食べないべきだ。

コモンフグはクサフグよりちょっと外海で釣れるイメージを持っているが写真の魚は25日に河口で釣った。数匹釣ったがすべてコモンフグだったので、時期によりクサフグ群れとか、これの群れとか入れ替わっているのかも知れない。クサフグは大きくて15Cm程度までだろうか?コモンフグの場合25~30Cm程度になる。簡単な見分けとしては目の下に斑点模様があるか無いか。無ければクサフグ・あればコモンフグであり、白い斑点模様が同じぐらいの大きさの小さいものが散りばめられていればクサフグ・小さいものから大きなものまでまだらに配置されてるのがコモンフグである。ちなみにショウサイフグはこの斑点が崩れたような感じで判りやすい。