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登録番号  1830
お名前
JUN さん
ホームページ @nifty釣りフォーラム
釣行日 2003/06/08
時間 18:00-07:00
都道府県 鹿児島県
ジャンル 投げ釣り
対象魚 シロギス
ポイント 肝属郡内之浦町「製材所裏」
釣果 シロギス22.2センチなど4尾。テンス、ウナギ、ヒメジなど
釣り方 置き竿2本
タックル 竿 :シマノサーフリーダー425CX
リール:シマノスーパーエアロ10000

仕掛け 道糸5号、幹糸8号、ハリス3号
西岡天秤25号、投げ専用キス12号2本針振り分け
ホンムシ、アオゴカイ
水況 澄み
天気 晴れ時々曇り
釣行記
ずいぶん昔。

パソコン通信時代の釣りフォーラム「すなはま会議室」で、「志布志から内之浦まで竿をかついで歩こうと思う」という書き込みを読んだことがありました。

約40qあります。
移動に車を使わずに、歩こうというのはどういうことなのか。
もしかすると、内之浦というのは、投げ釣り師にそれほどの思いを抱かせる土地なのかと、驚き、感心もしたものでした。

鹿児島県肝属郡内之浦町。
九州の南の端、険しい磯場が続く大隅半島の東沿岸に、ぽっかりと、そこだけ別天地のようにおだやかな湾が広がり、その湾奥には、最近の開発でやや疲れてはいるものの、いわゆる白砂青松の海岸線が、2qほど広がっています。

そこで、竿を出してきました。
内之浦の海岸は、地磯に続く左岸から、町の中心部を流れる広瀬川の小さな河口を経て、最近できたテトラ堤へと続いています。
その一番左の端っこ。通称「製材所裏」と呼ばれる、地磯ぎりぎりのあたり。

ここには、渓流がそのまま海に落ち込んでいるような流れ込みがあり
その伏流水が海底から湧いて、餌も豊富なのでしょう。
内之浦で巨ギスを狙う人なら、誰もが知るポイントのひとつです。

夕方、釣り場に到着してみると、ウエットスーツを着た人が二人、
ポイントのすぐそばで潜ったり、浮かんだりしていました。
まさにこの場所だけに、ハマグリがいて、それを捕っているのだそうです。
ハマグリ掘りとは、ひさしぶりに聞きました。豊かなものです。

同行のあららさんと並んで、釣りを始めたのは午後6時頃。
荷物を運んだりテントを張ったり、二人して大汗をかいたその濡れたシャツが、夕凪から変わりつつある陸風に乾いて、いい気分の中で、ぽつぽつと魚が釣れてきました。

テンス、オキエソ、シロギス、ウナギ、エイ、ゴンズイ、ヒメジ・・・。
どれも一品料理みたいに、1尾ずつ釣れてきます。
夜半、ちょっといいアタリがあって、シロギス22.2センチ。

半月のかすかな明かりの中で、午前0時頃まで竿先の光を見つめていましたが、
とうとう巨ギスもクロダイもコロダイも、内之浦名物というウミヘビもコトヒキもきませんでした。

「アタリが止まる時間ではあるよね。仮眠しましょうか」と、
テントにもぐりこみました。

このテントが、壁のないタープテントであり、グランドシートもマットもなく、
レジャーシートを砂に直に敷き、寝袋もないので毛布にくるまるという、戦場のようなわれらの寝床でありましたが、とりあえず十分に夜露は防ぎ、蚊取り線香と風のおかげで、蚊もたいしたことはなく、ぼくはそのまま、朝まで熟睡してしまいました。

午前2時から5時という、最高の時間帯を、漂着者と紙一重の状態で、
砂の上で夢見ていたわけです。
起きてみると、午前6時。陽はすでに高く昇り、時合はとっくに過ぎたことがわかりました。

昨夜と変わらない潮騒が響いて、新しい日の始まりを教える海風が吹きはじめ、
ぼくはここ数年、感じたことのない、生まれ変わったように軽い身体で飛び起きました。
足の方が下がった砂の上に薄いレジャーシートを敷いただけで、天井しかないテントの下で寝たことが、こんなにも人を元気にするものなのでしょうか。

内之浦。いいところです。
この夏の九州オフは、ここでやろうかなと思いました。

来週の全日本キスで、ここを訪れる皆さんの健闘をお祈りいたします。


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