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新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

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[1663] 漁港の入札風景。 
2002/7/27 (土) 00:57:48 西潟正人
◆画像拡大
市場(いちば)は、生産者市場と消費者市場に大別されます。
生産者市場とは、生産者が直接荷揚げするところ。野菜なら農協、魚なら漁協でしょうね。ここで仲買人が買って、消費者市場に運ばれます。

消費者市場には、荷受け人がいて、最低落札価格を決めるわけです。いわゆる”セリ”は、大声を出し合いながら価格を競り上げていくこと。誰が競り落としたかは、一目瞭然。みんな、納得です。

生産者市場には、地元の人間しかいません。不用意なトラブルが起きないよう、競りは入札方式となります。黙って値段の書き込まれた紙を、箱に入れるのです。競ることはないが、相手の心の読みが勝負を決める。昨日は100円だったから、今日は102円にしょうとかね。これが150円もの札を入れたら、買えるけどひんしゅくものです。ばかやろうが、あんな値を入れやがって!となるわけです。
1円2円の駆け引きで、小さな漁村は円満に生きられているのです。
ちなみにトラフグの場合は、相対と言って袋の中の手で値段を言うんですね。自分の値段を聞こえないよう、見えないようとします。これも、仲間同士のトラブルを防ぐ先人の知恵なんです。

三浦半島の、ある漁港の黒板です。
セーゴとは、小型のスズキ。
青りとは、アオリイカ。
甲とは、コウイカ。
テとは、マダイ。
神八は、カンパチ。
クロテは、クロダイです。
落札価格は毎日違いますが、変動はゆるやかです。

消費者市場に入る前の価格ですから、私たちから見ると安いと感じるかもしれませんが、2〜3倍が小売り価格でしょうね。沿岸の魚が捕れなくなった昨今、漁師の生活も厳しいかもしれません。

漁師は、卸値から手数料も引かれます。釣り人も料理屋の価格を知ってるなら、生産者価格も、垣間見といてください。

[1664] Re:漁港の入札風景。 
2002/7/27 (土) 06:28:15 小西英人
▼ 西潟正人さん

 いつも、おもしろいレポートありがとうございます。

 魚名もおもしろいですね。こういう名が、日本の伝統の名として残ってきたものなのでしょう。

 「方坊」なんて書くのですね。ホウボウのこと。
 「そげ」はヒラメですか。関東でも言うのですね。
 「ばらこち」ってなんですのん?
 「小庄」ってなんでっか?
 「テ」「神八」はわかったけど、そのまえの「Y]ってなんだす?
 「小春子」もわかりまへんで?
 「サゴチ」ってコチでもなし、さごしでもなし、なんだっか?
 「ごま」もなんやろ?

 と、なんでなんで攻撃をゆるしてね。

 しかし、ある漁港のある日のある黒板だけでも、不思議だらけだなあ。おもしろいね、日本って国は。

                          英人

[1665] Re2:漁港の入札風景。2 
2002/7/27 (土) 08:16:25 西潟正人
▼ 小西英人さん

そげ・・・小ヒラメ。ばらごち・・・イネゴチ。小庄・・・コショウダイ。
Y・・・養殖モノ。小春子・・・春子はカズゴと読み、マダイの500グラム以下。小はそれ以下です。100グラムなんてのも混じります。サゴチ・・・サワラの小でサゴシのこと。ごま・・・ゴマサバ。

いずれもキロ単価です。わかりました?英人さん。

[1666] Re3:漁港の入札風景。2 
2002/7/27 (土) 09:01:27 小西英人
▼ 西潟正人さん

 ありがとうございます。

 サワラの小はこちらでは狭腰で「さごし」といいます。春子で「かすご」は驚きますね。紀州でマダイの幼魚を「ちゃりこ」そのうえを「かすご」です。

 紀州の漁師が黒潮を追いかけていって、伊豆半島やら、房総半島に住みついたなんていわれますけど、少なくともやはり黒潮文化圏、同じ文化圏ですね。魚名は同じなんだなあ。

 釣り師でみると、関西と関東は、えらい違うのにね。

                           英人

[1667] Re4:漁港の入札風景。2 
2002/7/27 (土) 09:27:40 西潟正人
▼ 小西英人さん

釣り師は、古人ほど新天地を求めていませんね。

三浦半島の佐島は九州や四国からやってくるカツオ船団の基地でした。生き餌であるカタクチイワシを供給していたのです。半島の先端にある浦賀は軍港となってしまいましたが、戦前までは鰹節工場がいくつもありました。
四国からやってきた人達が住み着いて、文化が融合したのでしょう。アオリイカを捕る網を「ゴトウ網」と言います。ゴトウとは、五島列島のこと。佐島に古くからある淡島神社は、猿田彦を祀る四国の神様です。底の抜けたヒシャクを奉納して家内安全と子宝の授かりを祈願します。伝説は、まったく四国のそれと変わりありません。地元に多い「福本」姓も、四国地方の姓と言われています。

偶然にも小西さんの「よみがえれ淡水魚」を再読していました。人間も自然の中にあって、交雑しているのかもしれませんね。

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