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[244] 「シオアユ」について 
2002/2/22 (金) 13:37:22 NEM
 初めまして、投げ釣り師のNEMです。
 小西英人さんが連載されておられる「快投乱麻・vol.57 魚類学会」の以下文章を読んで長年の疑問の手かがりが得られそうなので、少し詳しいことを教えて頂きたいと思いここに投稿します。

「■百一ある演題の中から、面白そうなものを拾ってみよう。
■「不完全な両側回遊:シオアユの紹介」は、三重県海山町銚子川河口で地元の人たちが「しおあゆ」と呼ぶ、ほとんど淡水に入らず、感潮域で群れて過ごすアユの一群の研究。これが同じ遺伝子プールを持つ群れだという。生物とは思ったより多様な生態や生活を持つようだ。」

 今から、約15年前のことなのですが、当時中学生で春休み中の3月の終わりか、4月の始めのことです。カタクチイワシが釣れるということで、信濃川の分水路の河口でサビキ釣りをしていた時に、17cm前後のアユが3匹釣れたのです。「なんでアユ??、しかも成魚??」と思い、長年「アユ」と聞くたびに、「あのアユはなんだったんだろ??」と思っていました。
 そのアユの特徴ですが、

■頭がとても小さい。
■体高が低く細長く、体の断面が普通のアユより円に近い。
■体色は全体的に普通のアユより薄くぼやけた感じ。
■3匹ともスレではなく口に針掛かりしていた。
■体長は17cm前後の成魚。

といったものでした。
 果たして、「シオアユ」かどうかは解りませんが、通常はあり得ないことでしたので、長い間、疑問に思っていました。
 3匹釣れたということは、ある程度の群で生育していたと考えられます。
もう少し詳しいことを知りたいと思うのですが・・・。
何かご存じの方、よろしくお願いします。

[245] 謎は深まる・・ 
2002/2/22 (金) 15:45:47 NEM
>長年の疑問の手かがりが得られそうなので
などと書きましたが、WEB上の少ない情報を調べてみたら、銚子川のシオアユはちゃんと産卵するのであり、産卵後はおそらく死んでしまうのでは??と思われます。
したがって、3月〜4月に河口に成魚のアユが生育しているはずは無い・・・??。
河口付近で、産卵遡上をせずに年を越すアユがいるのでしょうか??
かえって謎は深まるばかり。



[246] アユ>ほんとうにアバウトな連中ですから… 
2002/2/22 (金) 19:01:01 小西英人
▼ NEMさん

 はじめまして。へたくそ投げ師の英人です。よろしく。

 昨日の昼から夕方まで、和歌山県太地(鯨で有名です)の漁港内で、冬鱚を狙っていたのですが、餌はそのまま、何も釣れず、夕方から勝浦の湾内で夜釣りをかけて、一晩中、餌もとられず、魚も見ず…でした。

 ふう。疲れたけど、まあ、楽しくもあった。とにかく紀伊半島の鱚、いや魚たちは、消えてしまったようです。どこいったんやろ?

 NEMさんも気づかれて書かれているように「シオアユ」というのは、両側回遊ではなく、海で一生をきちんと過ごしているらしい一群のアユのことです。

 アユと、一言というか、ひとつの標準和名でくくってしまいますが、ほんとうにアバウトというか、適応力が高いというか、凄いというか、変な連中であり、たとえば湖産アユと海産アユで、違いがはっきりとありながら、遺伝子的には違いがないのです。またリュウキュウアユが、はじめてアユの亜種として記載されましたけど、これも種分化しているほどの遺伝的な相違はなかったようです。(記載した西田さんは、種としてもよかったかもしれないと魚類学会の質疑で答えてはりましたけど…。遺伝子の、どの程度の相違から種にするか、亜種にするか、研究者間の合意はまったくありません。主観的な判断になってしまうのです)

 琵琶湖のアユでも、4タイプほど知られていて、いわゆる「オオアユ」と「コアユ」のように、形態上も、生態上も、まったく違うものもいます。

 越年アユも、各地で知られています。わき水があって、水温の高いところに多いという話もありますが、ぼくの勉強不足かもしれませんが、詳しい研究発表は、まだないと思います。研究はされているようですが…。

 ぼく、越年アユは見たことないですが、鱗に年輪ができるため、ざらざらした感じにはなるようです。

 NEMさんの見られたアユは、越年アユではないのでしょうか?

 ただし、ぼく、アユは、釣りも苦手ですし、生態や形態に関しても苦手です。

 よくわかる釣り人、もしくは研究者が、こたえてくれたらうれしいな。

 銚子川のシオアユの研究は、中央水研の井口さんや、三重大学水産資源学部の面々など、ひろくおこなわれています。

                        英人

[262] Re:アユ>ほんとうにアバウトな連中ですから… 
2002/2/25 (月) 10:13:28 NEM
▼ 小西英人さん
返信どうもありがとうございます。
 「和歌山」っていう言葉に日本海は新潟をホームグラウンドに投げ釣りをしている僕は正直シビれてしまいます(コロダイやハマフエフキは新潟では釣れませんから、憧れますね)。
 僕は、ここのとこ「貧果」が続き、先週は真ハゼ1匹(少し眺めてからリリース)、先々週はマダコと見紛うばかりの巨大なイイダコの雌1匹(実に美味しかった)、その前は2連続ボウズを食らってと・・・あとは、大量のウミケムシ。
カレイに恋いこがれる日々が続いています。

アユについてすこし調べてみたのですが、東海大学の「海のはくぶつかん」vol27(リンクを添付しようと思ったのですがただ今リンク切?のようです)に、
琵琶湖産放流アユについて興味深い記述がありました。
 なんと琵琶湖産アユの遺伝子を受け継ぐ稚魚は、孵化・流下しても、翌年河川に遡上することは無いのだそうです。
河川を流下する稚魚には、琵琶湖産の遺伝子を受け継ぐものがいても、翌年遡上する最は、琵琶湖産の遺伝子を受け継ぐものは一匹もいないようなのです。
どこで、これらの琵琶湖産のタイプがいなくなってしまうのかは、未だ解っていないようです。
また、琵琶湖産の放流アユは、海水に適応出来ない(海水の塩分が理由では無く、おもに海水温が高いことが原因らしい)ようです。

アユには、どうやら解っていないことが多いようですね。
僕も英人さんと同様に越冬アユやシオアユなどについてアユの生活誌に詳しい人の話が聞きたいと思います。

[263] リンクありました。 
2002/2/25 (月) 15:54:45 NEM
先ほど添付しようと思ったアユに関するリンクです。

東海大学海洋学部水産学科教授 沼知 健一さんの書かれたものが以下のURLにあります。

http://www.scc.u-tokai.ac.jp/sectu/kaihaku/umihaku/vol27/v27n4p2.html



[264] Re:リンクありました。 
2002/2/27 (水) 05:59:31 小西英人
▼ NEMさん

 ありがとうございます。

 ほんと、このごろインターネットで、たいていのことはわかるようになりました。

                         英人
ps
 こんど、フィッシュベースなど使って、ちょっとした分類学者並みのことができるということでも、書いてみようかなと思ったりしています。


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