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[2764] サーゴ 
  【魚図鑑参照】
2002/9/30 (月) 14:21:08 ロイ
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今回の魚はサーゴ(Sargo)で間違い無いと思いますがこの魚の科名、目名などを知りたいのでよろしくお願いします。
こちらの釣具店の主人(韓国人)が「これがこちらでは黒鯛に一番近い魚ですよ」と言ってたんですがたぶん関係は薄いでしょう。もし、可能でしたらロス近海に黒鯛の親戚に当たる魚がいないか調べてもらえないでしょうか。(もし、時間があったらでかまいません)
しばらくご無沙汰してましたがこれからたくさん投稿しようと思っています。

[2767] サーゴ>OKです 
2002/9/30 (月) 16:07:19 小西英人
▼ ロイさん

 例によって、"Coastal Fish Identification California to Alaska"を見ますと、サーゴ(Sargo)となっています。

 フィッシュベースで見ますと、Xantic sargo となっています。なんと読むのでしょうね。Xantic の意味、分かりますか?

■Xantic sargo
http://www.fishbase.org/Summary/SpeciesSummary.cfm?ID=3568&genusname=Anisotremus&speciesname=davidsonii

 サーゴとかサルゴというのは、ヨーロッパで、タイ科のヘダイに近いグループにつけられる名称なので、その釣具屋の主人は、クロダイに近いと言ったのでしょう。

 そんなに近くありません。

 学名で言えば

 Anisotremus davidsonii (Steindachner, 1876)

 日本でいえば、イサキ科の魚になります。イサキ科 Haemulidae になります。スズキ目イサキ科ですね。

 タイ科の魚、Sparidae は数種は東太平洋にいるようです。また大西洋には、そこそこいます。その中でクロダイ属に近縁種は、東太平洋ではいなかったと思いますが、ちょっと調べてみましょう。

 これは、ちょっと、いま、ばたばたしているから、宿題にさせてね。

                            英人

[2789] :サーゴ>Xanticの意味は 
2002/9/30 (月) 22:07:30 小西英人
 Xantic の意味を調べてみました。Xantic ザンティックで、黄色という意味のようですね。そう黄色くも見えませんが…。

 Xanthin キサンチンという黄色色素からきているようです。

                          英人

[2776] 図鑑>サーゴ>登録しました 
2002/9/30 (月) 19:47:55 小西英人
▼ ロイさん

 サーゴ、登録しておきました。ありがとうございます。

                          英人

[2982] アメリカチヌ属>これ似ているかな? 
2002/10/8 (火) 19:58:18 小西英人
◆画像拡大
シープスヘッド■アメリカ、フロリダ。

 上の写真見て、びっくりしてね。これクロダイに見えない?

 さてさて、ロイさんに「ロス近海に黒鯛の親戚に当たる魚がいないか調べてもらえないでしょうか」と頼まれていました。ちょっと、ごそごそ調べてみましたけど、いわゆるタイ科 Sparidae のクロダイ属 Acanthopagrus というのは、インド洋と西太平洋の魚で、東太平洋障壁を、よう超えんかったようです。この学名、いちおう読みをいれておきましょうか。いちばん普通には、スパリデー、アカントパグルスでいいと思います。

 簡単にいいます。ロス近海にクロダイ属魚類はいません。

 といって、終わらせたいのですが、ここに、もうひとつ Archosarugs属というのがタイ科にいます。読むと、アルコサルグスでしょうか。この属を、1962年に、あのタイ科の赤崎正人博士は、アメリカチヌ属(新称)と、和属名をつけて発表してはります。そして、この属の1種、Archosargus pourtalesii をガラパゴスチヌ(新称)と和名の提唱までやってはります。

 この赤崎、1962年。『タイ型魚類の研究−形態・系統・分類および生態』から、ちょっとアメリカチヌ属を引用してみましょう。

 「体はだ円形で、やや強く側偏する。吻はやや突出し、その上部外郭はゆるやかに曲る。両顎の前部に6〜8本の門歯があり、側部には2〜3列の臼歯がある。頭は眼隔域の中央部まで鱗でおおわれる。前鰓蓋骨後下半部にはほとんど鱗がない。背鰭は12〜13棘10〜12軟条。しり鰭は3棘10〜11軟条。体は暗灰色。体側に暗色横帯のある種類と黄色縦帯のある種類とがある」

 これらの特徴はクロダイ属と、よく似ています。

 しかし、ガラパゴスチヌは、細い黄色縦線が体側を7〜8本走り、派手な姿であって、クロダイには見えません。もう1種、Archosargus rhomboidalis というのが大西洋にいますが、ガラパゴスチヌよりはましだけど、クロダイと、そう似ているようには思いません。

 ところでシープスヘッド。これ写真をしげしげ見てね。背鰭の棘は太いのと細いのが交互に並んで、ちょっと派手な縞模様をのぞけば、かなりクロダイに近いのではないかと思います。

 これ、カナダ、ノヴァスコシアからメキシコ湾北部、そしてブラジルまでに生息します。フロリダでは、よく釣られると聞いていますが、どうなんでしょう。

 内湾から河口域に多く、ときには淡水に入ります。

 いちど、釣ってみたいなあと思っています。

 ふう、疲れてきたな。とにかくアメリカチヌ属は、ガラパゴスに1種、大西洋に2種ですから、ロス近海にはいませんよね。しかし、ガラパゴスって、魚も固有種が多くて、ほんと変なところだなあ。メジナ属もいるし、イシダイ属もいるのです。それぞれぽつんと。興味はあるけど、釣りはさせてくれないだろうしなあ。

 ともかく、タイ科アメリカチヌ属の3種を、フィッシュベースからあげておきます。はじめがフィッシュベースネーム、そして学名、そしてURLです。

シープスヘッド
■Sheepshead seabream

 Archosargus probatocephalus (Walbaum, 1792)

http://www.fishbase.org/Summary/SpeciesSummary.cfm?ID=441&genusname=Archosargus&speciesname=probatocephalus

ガラパゴスチヌ
■Blackspot porgy

 Archosargus pourtalesii (Steindachner, 1881)

http://www.fishbase.org/Summary/SpeciesSummary.cfm?ID=8111&genusname=Archosargus&speciesname=pourtalesii

ウェスタンアトランティックシーブリーム
■Western Atlantic seabream

 Archosargus rhomboidalis (Linnaeus, 1758)

http://www.fishbase.org/Summary/SpeciesSummary.cfm?ID=1219&genusname=Archosargus&speciesname=rhomboidalis

                         英人

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