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[3113] カサゴ>刺毒があるのだろうか… 
2002/10/20 (日) 14:05:13 小西英人
 和歌山県日置川町の志原でカサゴを釣りました。

 むむ。

 ちょっと大きいし、ひょっとしてと胸鰭軟条数を数えましたが18でした。19ならウッカリカサゴの若魚なんだけど、違ったようです。

 まあ、写真を撮ろうと軽く触ったときに、ほんとうに軽く、ちくりと背鰭棘で指を傷つけられちゃった。

 それから。じんじんじんじん痛みます。

 これは傷だけの痛みではないよな…と思わせるほどでした。だいたい、こういう魚を素手で扱うときには軽くしか触らないから、傷は深くないのですが、けっこう長く痛んでいました。

 刺毒があるのだろうか…。

 中国からでた毒魚の文献には、たしかカサゴに刺毒があるとなっているのですが、ぼくはカサゴの刺毒を書いた研究を知りません。しかしイズカサゴも研究はないのですが、刺毒があると漁師さんはいいます。

 カサゴにも刺毒があるのでしょうか?

 みなさんの経験をお聞かせください。       英人

[3127] Re:カサゴ>刺毒があるのだろうか… 
2002/10/20 (日) 19:30:22 KOUJI
▼ 小西英人さん

 今頃の時期から晩秋に掛けて、良く探りでカサゴを釣りに行ってましたが、時々背鰭や顔周りの棘でプチッとやる事が有りました。
 そう酷い痛みでもないし、刺さった所全部では無いんですが、12時間くらいは痛いなと感じてた記憶が有ります。
 毒は無いと思ってたので、体表の粘液とか、海水中の物質がが入って傷むのかなと考えてました。
 実際のところ、どうなんでしょう?

[3128] Re2:カサゴ>刺毒があるのだろうか… 
2002/10/20 (日) 19:54:46 小西英人
▼ KOUJIさん

 まあ、ぼくも海の細菌が入って痛いのかなと、それとまた、魚の棘で傷をつくると浅いと思っても、案外深かったりしますからね。

 しかし、毒があるのと違うかという話を聞いてから、ちくりとやられると、そんな我慢できない痛みではないのですが、ただの傷だけの痛みでもなさそうなのが、すぐに始まったから…。

 けんども、ハオコゼとかアイゴとかゴンズイとか、毒腺があるとはっきりしているものに刺されたことないから、よく分からないのです。

 KOUJIさんは、感覚的には、ぼくと同じようなもののようですね。

                        英人

[3132] Re3:カサゴ>刺毒があるのだろうか… 
2002/10/20 (日) 21:46:39
▼ 小西英人さん
> ▼ KOUJIさん

私も体表の粘液が怪しいかなと思います。
この話題がでたので、やっと聞けます(^^)
イットウダイ類も痛くありませんか?
毒腺のある魚ほど痛くはないけど
お二人が言っているカサゴと同じような痛みだと思います。



[3137] Re4:カサゴ>刺毒があるのだろうか… 
2002/10/20 (日) 22:02:33 小西英人
▼ 忠さん

 イットウダイ類ねえ。

 そうそう、釣ったことないので経験がありません。気をつけておきますね。

                          英人

[3169] Re:カサゴ>刺毒があるのだろうか… 
2002/10/21 (月) 20:24:07 坊津灘
▼ 小西英人さん
お久しぶりです。m(__)m

ボクも今春だったか、昨年だったか忘れましたが、カサゴに刺されました。

15センチ程度のカサゴを釣り上げたのですが、マヌケなもんで、鈎外しにヘマして、手の平をグサリとやりました。刺さった時、アウゥって感じでしたが、その後はハオコゼに刺された様な激痛はしませんでした。しかし、局所が1週間程度少し腫れ、弱い鈍痛が続きました(触らなければ、痛みを感じない)。

で、カサゴに刺毒かあるかどうかですが、ボクはあると推論しています。(^^;)
(1)上記経験から…
釣り上げた時、手のひらも汚れていたので当初は、海水中の雑菌からの炎症を想像したのですが、白血球による局所の化膿は見られませんでした。局所の腫れは、ハチ毒みたいな異物による炎症反応のようでした。

(2)「海洋動物の毒」のゴンズイ毒(体表粘液毒)の章を読んで…
本書によれば、ゴンズイ毒は分子量1100ダルトン塩基性たん白質の体表粘液毒であるが、カサゴの背鰭等にも、これに類似した生体物質が含まれて含まれていると推定しています。と言うのは、本書のp.48 に

 1973年オーストラリアのキャメロン博士とエンディーン博士は
 「魚類刺毒は体表粘液毒から進化したと推定される」という
 興味深い仮説を提唱していました。

と記述されていましたから。

ボクは魚のヒレについて、詳しい事は判りませんが、ヒレを立てたり折りたたんだりするとき、ヒレの刺と表皮の間には、潤滑油のようなものが必要ではないかと思います。 この潤滑油が魚の体表粘液であって、ゴンズイの様に毒棘が極端に発達しているものは、潤滑油の体表粘液も多く含まれ、ヒトに対して毒性を表しているのではないかと思います。また、魚種によって、その体表粘液の性質が塩基性だったりして毒性を強めているが、含量が少なく余り毒性を示さないのではないか、そんな魚種にカサゴがいるのでは、と思います。

以上、推論です。(^^;)

P.S.
昨年、職業を変えたので、生化学系の文献の読む機会がなくなりました。(^^;)

ではでは。

            坊津灘@防府(山口)

[3180] Re2:カサゴ>刺毒があるのだろうか… 
2002/10/21 (月) 21:03:18 小西英人
▼ 坊津灘さん

 おひさです。

 同じ『海洋動物の毒』のウナギの体表粘液のところを読んでください。

 魚の体表粘液、つまり「ぬる」は、レクチンが多く含まれています。

 坊津灘さん以外の人のために、レクチンを辞書から引用しておきますね。

レクチン【lectin】
細胞膜を構成する糖タンパク質や糖脂質の糖の部分に結合することによって,細胞凝集・細胞分裂の誘発などを起こす物質の総称。タンパク質から成る。細胞表面の糖の検索,複合糖質の特異的精製などに利用される。

 ということで、ぬるに、このレクチンが多く含まれていることで、微生物を凝集し、これにより生体防御をしていると思われます。

 この生体防御が、毒の始まりだといわれています。

 あと、「ぬる」は、体の摩擦抵抗を小さくする意味もあると思います。

 ごめんね。釈迦に説法でした。         英人

[3229] カサゴ>刺毒>文献を… 
2002/10/22 (火) 09:58:03 小西英人
◆画像拡大
カサゴ■和歌山県日置川町、志原。2002年10月18日。
胸鰭軟条数は18でした。間違いなくカサゴです。

 このカサゴが、軽く刺されて、ちょっとだけ、変な痛みが続いたカサゴです。

 いままで、たとえば『新さかな大図鑑』では、カサゴには「刺毒」のマークを入れていません。毒があるという文献がなかったからです。

 ところが中国の上海水産大学、伍漢霖(ウー・ハンリン)博士らが1978年に上海科学技術出版社からだして『中国有毒魚類和薬用魚類』(中国簡体字は日本の漢字に直しました)や、同じく伍漢霖博士らが、2002年に出版した『中国有毒及薬用魚類新志』によると、カサゴには刺毒があります。

 先の上海科学技術出版社版は、日本の恒星社厚生閣から、野口玉雄・橋本周久博士という魚毒のそうそうたるメンバーの監訳によって、翻訳されています。

 『中国産湯毒魚類および薬用魚類』(1999年、9200円)です。

 それから、カサゴの記載を部分的に引用しましょう。

 ■毒器官
 毒器官は背鰭の12棘、臀鰭の3棘、ふたつの腹鰭の各1棘、それらの外皮鞘および毒腺からなる。(中略)各棘の左右両側にはともに1本の前側溝があり、その内側に毒腺組織がある。前側溝は短くて浅く、鰭の棘の上半部にあり、下半部ではみえなくなる。(後略)

 (前略)刺されるとすぐに激痛がある。傷口は直後は白いが、やがて紫色となる。発赤して腫れた手足は麻痺する。このような状態が数時間は続く。

 と、いかにも恐ろしいことが書かれ、カサゴの背鰭第2棘の前側溝の図が掲げられています。

 これを信用するなら、もしくは、この文献を典拠にするなら、カサゴは恐ろしい刺毒魚であると書いてもいいのですが…。

 おなじように、フサカサゴとか、ユメカサゴなどなども毒腺があり、刺毒があるそうです。(これらも、じんじん痛むという報告はあります)

 次に図鑑をつくるとき、この文献を引用するかどうか、研究者と相談してみなければなりません。

 見ておこうと思ったのに、釣ったカサゴ、うっかり忘れて、すぐに刺し身にしてもらい、美味しい美味しいと食べちゃったから、棘の前側溝は見ていません。あほな奴です。ほんま。ぼくは。

 けれども、文献に毒腺があるとは書いているけど、ほんとうに、その毒性を実験で確かめたのかどうか、書いていないのです。

 毒性の実験って、めんどうで、難しいのです。

 どうしようかな…?

 秋の夜長の悩みは尽きません。        英人

[3230] 画像>カサゴ>頭部です 
2002/10/22 (火) 12:17:38 小西英人
◆画像拡大
カサゴ■和歌山県日置川町、志原。2002年10月18日。

 この頭部棘にも毒はあるのでしょうかね?     英人

[3231] 画像>カサゴ>頭部背面です 
2002/10/22 (火) 12:18:38 小西英人
◆画像拡大
カサゴ■和歌山県日置川町、志原。2002年10月18日。

 頭部背面です。鰓蓋を広げるのと閉じるので、えらい太さが変わります。

                            英人

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