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[383] 投稿>イシガキダイ 
2002/3/25 (月) 22:17:58 fishfightHomePage
◆画像拡大
昨年の夏に、黒鯛狙いの外道として釣れました。
サイズは小さいですが...。(^^;

[384] イシガキダイ>新たなる口白論争 
2002/3/29 (金) 13:24:35 小西英人
▼ fishfightさん

 ばたばたしていて、res遅れました。ごめんなさい。

 ちょっと、磯師の皆さんにイシガキダイの老成魚のこと書かせてもらいますね。

 イシガキダイ、幼魚のうちは石垣模様もかわいいけど、大きくなると口は白くなり偉容を誇るようになります。いわゆる「口白・くちじろ」です。

 このイシダイより、ちょっと南に多い「くちじろ」は長いこと釣り人の不思議でした。いったい、なんやろうと…。磯師の足がのびて南方に行くまで「くちじろ」は知らなかったのです。イシガキダイは、もちろん知られていましたが、イシダイよりも小さな魚とされていたのです。それが、イシガキダイの老成魚と分かるのに、ちょっと時間がかかりました。これ「口白論争」として、磯釣り界の草創期、1960年代の歴史に残っています。論争の途中に、雌のイシガキダイの大きいのが釣れたのです。雌は大きくなっても石垣模様が残っていました。イシガキダイの老成魚が「口白」であり、イシガキダイの方がイシダイより大きくなるのです。

 それから、石鯛と石垣鯛。底物師たちの目標はふたつになったのです。男たちは、ふつう、ふたつあわせて「石物」と呼びます。

 しかし、頑固な底物師たちのなかには、根強く「口白論争」をしているものがいます。

 いわく。あのかわいいイシガキダイと、口白が同じはずはない。まったく違うやないか、研究者は、どこ見てんねん…などなど。

 南方の海域に行くと、老成魚ではない、30pくらいでも口が白くなりかけたのがいます。それもあって、イシダイ科3種説になってしまうのです。

 イシダイ、イシガキダイ、クチジロの3種だというのです。クチジロの幼魚を釣ったという釣り師の噂が絶えません。

 これは乱暴な議論だと思っています。もし、ほんとうに「クチジロ」の幼魚がいるのなら、それはそれでおもしろいので、ぜひ、標本を集めたいと思います。いままで、「クチジロの幼魚」のうわさで追跡して、本当だったことはありません。30p代で、ちょっと白いかなあという程度のものです。

 WANTED!!

 クチジロの幼魚、小さければ小さいほど可。

 お願いします。                  英人

[386] Re:イシガキダイ>新たなる口白論争 
2002/4/2 (火) 08:44:22 fishfightHomePage
▼ 小西英人さん

> イシダイ、イシガキダイ、クチジロの3種だというのです。クチジロの幼魚を釣ったという釣り師の噂が絶えません。


口白論争...面白いですね。興味深々です。一応、私の釣ったサイズは、20cm弱です。30cm台で、ちょっと白いかなあという程度があったということですが、ここまで小さいと...。でも、クチジロの幼魚見てみたいですね。(^_^)

[394] Re:イシガキダイ>新たなる口白論争 
2002/4/8 (月) 20:23:01 JUN
▼ 小西英人さん

40センチのクチジロ、という写真がありました。
http://www.mrt-miyazaki.co.jp/top/fishing/koukan.htm


[395] Re2:イシガキダイ>新たなる口白論争 
2002/4/8 (月) 21:00:34 小西英人
▼ JUNさん

 情報ありがとう。

 40cmでクチジロの子といわれても困りますが、そう、思いこんでいる人たちもいるのですね。

 40cmもあれば、十分成熟していて、十分おとななのですが…。

                              英人

[396] Re:イシガキダイ>新たなる口白論争 
2002/4/8 (月) 21:11:07 JUN
▼ 小西英人さん

イシガキダイの老成魚、という言葉のイメージの問題でしょうね。
60センチくらいにならないと、老成魚とはいわない、ということでしょう。
釣り人の感覚としては、そういうことになるんだろうと思います。



[397] Re2:イシガキダイ>新たなる口白論争 
2002/4/8 (月) 22:02:22 小西英人
▼ JUNさん

 なるほどね。そのへん、ぼく、釣り人の感覚をなくしているのだろうか?

 まあ、偉容を誇る「クチジロ」と、かわいい「イシガキダイ」が、同じであるはずがないという、釣り人のかわいい心は、ぼくもわかるのです。

 しかし、学術的にはそうなっているけど、40cmで、口が白いから、新発見だといわれると、きょとんとしてしまいます。

                           英人

[399] イシガキダイ>子供はどこにいる? 
2002/4/8 (月) 23:08:02 JUN
▼ 小西英人さん

関連しますけど、ぼくは宮崎でイシガキダイの子供というのを
釣った記憶がないのです。
まあ、波止ばかりやってますけど、イシダイがいるような波止であり。

そういえば、イシダイの子供というのも、いないことはないけれど、
あんまり数いないように思います。
25センチというのは、けっこういますが、20センチ以下は
そんなに釣ったことがないです。

たまたま釣れていないのか、そもそも宮崎にはあまりいないのか。
卵から稚魚、若魚という時期は、どうなっていましたっけ。
トカラ発黒潮往復便という、あのパターンと思っていいのでしょうか。



[401] Re:イシガキダイ>子供はどこにいる? 
2002/4/9 (火) 08:31:29 JUN
どうもありがとうございました。

なるほど、イシダイの稚魚は流れ藻で供給され、若魚はあまり移動しない。
成魚になると南下する。ですね。
ということは、流れ藻の着いたところで若魚は底の生活を始めて、
しばらくは、そこに居つくわけですね。

うーん。
ちょっと気をつけてみます。



[402] :イシガキダイ>子供はどこ?>再アップ 
2002/4/9 (火) 22:55:06 小西英人
▼ JUNさん

 なんか、ぼくの書いたのが消えてしまったようですね。

 同じことを書けるかどうか、まったく違うこと書いちゃったりするかもしれませんが、とにかく、もういちど書いてみます。

 イシガキダイのことは、ほとんど知られていないので、まだ、ちょっと研究されている、イシダイのことで書いていきます。

■イシダイ

 ●成熟の最小体長は、雌で2歳、20センチあまり、雄で1.1歳13センチとなっています。案外、小さくて成熟、つまり成魚になるのです。

 ●産卵は外海に面した岸近くで水温18度以上の4〜7月におこなわれます。

 ●自然界での産卵行動の観察記録はないと思います。水槽観察の報告では、数尾の雄が1尾の雌をうばいあって追尾することから始まるようです。追尾を繰り返したあと雌は水面近くまであがって体を反転させて底に向かって急降下しながら放卵します。最後まで追尾した雄が体をふるわせて雌にすり寄り、放精します。

 ●孵化後20日で体長9ミリになり、斑紋が体の前方からできはじめて、15ミリ以上になって、横帯が完成します。この時期に稚魚は流れ藻について海上浮遊生活を始めるのです。そうイシダイは流れ藻について、ひろがっていくのです。

 ●体長8センチで臼歯が完成するけれども、このころから、流れ藻を離れて、底生生活をはじめます。

 ●10〜20センチの若魚は、大きな移動をしないようです。

 ●30〜50センチの成魚になって、一日20キロに及ぶような大きな移動をしたりします。また毎年2〜3月には群れをつくって南下の産卵回遊をするようです。

 以上が、イシダイの生活史ですが、イシガキダイも流れ藻についていますし、だいたいイシダイを、やや南方にずらしたような生活をしているのだろうと考えられています。

 ただ、イシガキダイの老成魚、日本記録級は、南方ではなくて、温帯の磯、長崎県男女群島や高知県水島群礁などで釣れます。亜熱帯域には大物はほとんどいません。こういうことが何を意味するのか、不思議ですがわかりません。

 どちらにしても、イシダイもイシガキダイも、産卵場がきちっとわかっているわけではないし、謎の多い魚です。

 ともかくJUNさん、流れ藻について流れてくるのですから、そのような場所に幼魚はすむと思われます。ただ、宮崎は、流れ藻はかすめるだけで、あっというまに流れていってしまうのかもしれませんね。

                           英人

[385] 世界の石鯛>どれくらいいると思う? 
2002/4/1 (月) 18:39:56 小西英人
 石鯛、石垣鯛…。石物…。無骨で、男っぽくて、いかにも日本の魚という感じがしますね。ところで、イシダイって、どういうもんで、世界にどれくらいいると思います?

 こういう問いに、すぐに答えられるのは、ちょっと前まで、日本には数人しかいなかったのです。大学関係で、文献のそろった、ばりばりの魚類分類屋しかできなかったのです。

 インターネットの発達で、いま、予備的に調べるのならば、だれでも、ほぼ、瞬時でやれるのを、ご存じでしたか?

 フィッシュベースでサーチしたらいいのです。英語ではありますけど、そんなにむずかしいものではありません。イシダイ科を知りたいのなら、

 http://www.fishbase.org/search.cfm

 でフィッシュベースのサーチ画面に入り、Information by Family つまり「科の情報」のところで、イシダイ科、Oplegnathidae を選べばそれでいいのです。

 7Species in Family Oplegnathidae

 つまりイシダイ科の7種とタイトルのついた一覧表がでてきます。

 そう、世界にイシダイ科は7種いるのです。タイトルには(Knifejaws)ともあります。「ナイフのあご」というのが英語のコモンネームです。beakfish ともいいます。嘴魚(くちばし魚)です。

 世界のイシダイ科7種をフィッシュベースの順番に、学名と英語のコモンネームで並べてみましょう。

 1)Oplegnathus conwayi  ケープ・ナイフジョー
 2)Oplegnathus fasciatus なし(イシダイ)
 3)Oplegnathus insignis  パシフィック・ビークフィッシュ
 4)Oplegnathus peaolopesi モザンビーク・ナイフジョー
 5)Oplegnathus punctatus スポッテッド・ナイフジョー(イシガキダイ)
 6)Oplegnathus robinsoni ナタール・ナイフジョー
 7)Oplegnathus woodwardi ナイフジョー

 イシダイ科は世界中でイシダイ属の1属しかなく、すべて「接合歯」と呼ばれる顎の骨と一体になった「くちばし」の歯が特徴なのです。あとはとても小さな鱗というのも共通しています。日本産の2種をのぞいたナイフジョーたち、模様はけったいで、驚くけれども、すべて、初めて見てもイシダイの仲間だと思うだろうな。

 フィッシュベースから、イシダイとイシガキダイをのぞいた、それぞれの解説を簡単に書きます。

 1)Oplegnathus conwayi  ケープ・ナイフジョー
 ■分布 西インド洋、南アフリカ。亜熱帯。
 ■ちょっと細長い体つきをしている。最大で90cm。水深150mの珊瑚礁にすむらしい。

 3)Oplegnathus insignis  パシフィック・ビークフィッシュ
 ■分布 ガラパゴス諸島とペルーからチリの沿岸。熱帯。
 ■イシガキダイそっくりの形だが、白玉模様、もしくは、それがちょっと虫食いになっている。最大で60cm。水深は3〜30mの珊瑚礁にすむらしい。

 4)Oplegnathus peaolopesi モザンビーク・ナイフジョー
 ■分布 西インド洋、アフリカ、モザンビークのデラゴア湾。熱帯。
 ■ちょっと細長く丸みをおびた形で、変なクチジロに見える。最大は75cm、20〜130mの珊瑚礁にすむらしい。

 6)Oplegnathus robinsoni ナタール・ナイフジョー
 ■分布 南アフリカのモザンビークとナタールだけにすむ。亜熱帯。
 ■体高が高く、丸くて、変なイシガキダイに見える。最大は60cm、20〜100mの珊瑚礁にすむらしい。

 7)Oplegnathus woodwardi ナイフジョー
 ■分布 西南オーストラリアとタスマニア。温帯。
 ■イシダイそっくりだが、縞は5本で、やや斜めに入り、白場が多いので間抜けに見える。最大は45cm、50〜400mにすむらしい。

 それぞれの魚の写真か図もフィッシュベースには入っています。興味のある人は、いちどのぞいてみてください。ほんとうに凄いデータベースです。

 それにしても、イシダイ科の分布って変ですね。

 南アフリカの熱帯から亜熱帯の深いところに3種。これは極東、日本の2種をしのいで世界一です。そうですイシダイ天国は南アフリカだったのです。

 オーストラリアの深いところに1種。

 南米の太平洋岸とガラパゴスに1種。

 なんで、こうなったのかな?

 ともあれ、フィッシュベースで、ちょっと遊ぶと、だれでも簡単に、さまざまな魚の情報が手にはいるよ…というお話でした。

                         英人

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