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[3853] 新刊紹介>『ブラックバス』>恒星社厚生閣 
2002/12/14 (土) 08:10:19 小西英人HomePage
◆画像拡大
 魚類学系の本は手に入れにくく、高価なものが多いですね。実際に手に取って見られず、ままよと注文したら、イメージと違った、難しすぎた…などということが多いものです。

 去年、鈴木書店という、学術書専門の取次店が倒産してしまいました。ここは、岩波書店などが肩入れをしていたのですが、非常に専門的な情報を持ち、非常に安い手数料で書店に専門書を卸していたのですが、なくなって、専門書を出している出版社は、ごく一部の書店か、通信販売に頼らざるを得ない状況になっています。

 そんなこんなで、専門書や学術書の流通が、しんどいことになっています。

 できるだけ紹介していこうかなと思います。

 ただ、書評のように、きちんと書くのはしんどいので、適当に紹介します。興味のある人や、買いたいなと思う人は、質問をいれてください。その質問にそって答えていきましょう。

 また、ぼくは、魚類学系の本や、図鑑は、たいていのものは持っていますので、ぼくが紹介していく以外のもので、気になっている本は、質問してみてください。ぼくが持っていれば答えます。古書は、すべてではないですけれど集めていますので、古書に類するものでもいいです。

 本に関わることを書くときは、ヘッダーを

本>OOOO

 という形にしましょうか。

 前置きが長くなったな。ブラックバスですね。

 『川と湖沼の侵略者ブラックバス−その生物学と生態系への影響』
 日本魚類学会自然保護委員会編 恒星社厚生閣 2002年 本体価格2500円

 日本魚類学会の自然保護委員会のメンバーが、シンポジウムなどで、いままで発表してきたことを、きちんとペーパーにして引用できるようにしたもの。そういう意味で、ブラックバス問題に関連する書籍の中では、いちばんきちんとしているし、これから叩きあげていく基礎文献になると思います。

 この一冊で、いまのブラックバス問題は、すべて見えてくるでしょう。

 ちょっと観念的、主観的な部分もないではないのですが、いま社会問題化しており、さまざまなプレッシャーにさらされて、自然科学者といえども、ちょっとだけ感情が入ってくるのもしかたがないところでしょう。

 この会議室の趣旨から言うと、ブラックバスの分類学的な側面は、瀬能さんが「日本に移入されたオオクチバス属魚類の分離」で、みごとに整理されています。フロリダバスが…と、釣り人はよく言いますが、フロリダ産のバスは、亜種の関係にあり、日本ではブラックバスとの交雑個体がほとんどのようです。

 また『日本産魚類検索』で、Micropterus salmoides の和名は、ブラックバスとされているが、ブラックバスは、オオクチバス属の総称であって、標準和名はオオクチバスとすべきであると提唱しています。

 目次を最後に引用しておきます。          英人


 恒星社厚生閣のHPは

http://www.kouseisha.com/03_marine_envi/0967_5.html

■目次■

編集にあたって (後藤 晃)

1. 日本に移入されたオオクチバス属魚類の分類 (瀬能 宏) 11
1-1 オオクチバス属 Micropterus Lacepe,1802 12
1-2 オオクチバス Micropterus salmoides(Lacepe,1802) 14
1-3 コクチバス Micropterus dolomieu Lacep重e,1802 23 1-4 標準和名 25

2. 日本の湖沼におけるオオクチバスの生活史    (淀 太我) 31
2-1 調査水域の概要と調査に用いられたオオクチバス 32
2-2 年齢と成長の解析 33
2-3 生殖腺の成熟年周期と産卵 34
2-4 食  性 38
2-5 オオクチバスの環境適応性−なぜ容易に全国を席巻できたのか? 41

3. オオクチバスによる魚類群集への影響
― 伊豆沼・内沼を例に (高橋清孝) 47
3-1 漁獲統計からみた漁獲量の推移 48
3-2 定置網漁獲物からみた魚種組成の変化 49
3-3 全長組成の変化 52
3-4 オオクチバス稚魚の大量出現とその食性 52
3-5 コイ科魚類における稚魚の減少と資源水準の低下 55
3-6 タナゴ類の減少 56
3-7 モツゴの減少 56
3-8 その他の魚の減少 57
3-9 対  策 57

4. オオクチバスが水生昆虫に与える影響 ―トンボ捕食の事例から (苅部治紀) 61
4-1 トンボ捕食の事例 63
4-2 水生昆虫への影響 66

5. ブルーギルとブラックバスと在来種の種間関係―川原大池を例に (東 幹夫) 69
5-1 川原大池のあらまし 70
5-2 外来魚 2 種の個体群動態 71
5-3 外来魚 2 種の食性 74
5-4 外来魚と在来種間の関係 79
5-5 まとめにかえて 84

6. ブラックバスと内水面漁場管理―山梨県を例にして (大浜秀規) 87
6-1 オオクチバス免許に至る経緯 87
6-2 コクチバスへの対応と考え方 90
6-3 ブラックバス問題をどう考えるか 92
6-4 バス釣りの今後 94
6-5 これからの漁場管理に向けて 95

7. バスフィッシングと行政対応の在り方 (丸山 隆) 99
7-1 オオクチバスの国内への移入 99
7-2 1960 年代後半以降の釣り場の混乱とその背景 101
7-3 釣り人による自主放流のはじまり 103
7-4 バス釣りブーム以後の状況 107
7-5 水産庁の動き 110
7-6 日釣振の動きと学会の対応 111
7-7 隔離政策案の概要 114
7-8 スミワケ案の問題点 115
7-9 水産庁の隔離政策について 120
7-10 今後の対策 122

8. 「ブラックバス問題」の現状と課題 (中井克樹) 127
8-1 呼称の整理 128
8-2 海外の「ブラックバス問題」 129
8-3 国内における影響 131
8-4 保護・保全の視点から 133
8-5 淡水魚における外来種問題 138
8-6 ブラックバス利用の正当性と現実性 142

あとがき (瀬能 宏)

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