さかなBBSトップ
魚のことならおまかせ。WEBさかな図鑑
釣具の通販・Gear-Lab
HOME 似たもの検索  携帯版  | Gear-Lab

新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

WEB魚図鑑では、2013/7/25より新しいコミュニティをオープンしました。 「このお魚何?」というQ&A専用のページもあります。是非新しいコミュニティを使ってみてください。新コミュへの投稿はズカンドットコムへのアカウント登録が必要です。2013年1月以前にWEB魚図鑑へ投稿したことのある方はアカウントの引き継ぎを行うことができます。


[▲前のスレッド]

[521] 撮影>西潟さんからの3つの質問 
2002/4/26 (金) 23:34:24 小西英人
 西潟さんから魚の撮影で質問がありました。

 ■魚の方向は左頭?
 ■鰭をたてるのは?
 ■アカヤガラのように長い魚はどうやって撮るのか?

 概略、うえのようなことです。ぼくのやり方を書きますね。

 ■魚の方向は左頭?

 基本的に魚類図鑑も学術書も、そうしています。日本の料理の盛りつけもそうですね。ぼくは、むかし、決まりが嫌いで『新さかな大図鑑』などは、属によって向きを変えたり、編集上のアクセントになるように、右向けたり左向けたりしていました。しかし、『釣魚図鑑』から、また左頭にしました。それは、やはり、同じ方向の方が比較しやすいのですね。

 しかし、撮影の時は、現場でやるので、太陽の方向、足場、魚の状態や傷などによって、条件がころころ変わり、とにかく生きている色がくすまないうちに、大急ぎで撮影するので、右か左かまったく気にしません。やりやすいように撮影します。撮影の後、使うときには、カレイ目魚類をのぞいて、左頭にそろえています。ミラー処理をするのです。これは図鑑などでは、そのむねを断っています。魚は左右相称だから、問題はないでしょう。ただし学術論文などで、こういう操作をしたらいけないでしょう。

 そういう意味で、どちらででも撮れるのならば、左頭で撮影するくせをつけておいた方がいいでしょう。

 ■鰭をたてるのは?

 ぼくは、基本的には、生きている魚が、鰭をぴんとたてたときに撮影するようにしています。怒らせるのです。撮影板を細かくたたいてやると、魚はたいてい鰭を拡げます。どうしても鰭が立たないときには、撮影板をくりぬいて、魚体をはめこみ、鰭をその撮影板に展翅するように拡げて撮影します。これ、生きている魚を相手にやるのは根気のいる仕事で、せっかくきれいに拡げて、さあ、撮影というときに、ぱっとすべての鰭を閉じられて…、なんてのが、5,6回も続くと、大声でわめいて走り回りたくなります。癇癪との戦いです。鰭を「展翅」するのには指などでは無理で、千枚通しがいいです。

 研究者は、鰭をピンで留めたり、フォルマリンの濃度の高い液を筆で鰭に塗って固定したりします。

 鰭が拡がっていなければ、やはり魚らしくないですし、形態形質では、かなり重要なファクターですら、できるだけ立てて写してください。

 ■アカヤガラのように長い魚はどうやって撮るのか?

 西潟さんは頭の方から撮るとおっしゃっていますが、これ、たとえば印刷などにすると非常に不安定になり使えません。魚が大きかったり長かったりして、どうしても真上のポジションがとれないときには、腹の方から見上げるように撮る方が、まだましです。

 長い魚などは、ながくとらないで「つの字」において撮るといいです。

 これは言うは易く行うは難しです。

 ぼく、暗闇で元気のいいアミメウツボを撮影板の上で「つの字」にしようと苦心惨憺していて、いきなり親指にとびつかれて裂傷をおいました。痛かったで。

 ほんま苦労は多いけど、それが楽しくもあるなあ。

 西潟さん、とりあえずは、こういうことで…。     英人

[522] 撮影>ぼくの撮影法 
2002/4/26 (金) 23:41:03 小西英人
 『釣魚図鑑』を創っているとき、取材に行けないので、いろいろと「おきねた」で、快投乱麻を書いたのだが、そのなかに、ぼくの基本的な撮影法を書いた一文があるので、転載しておくね。

                         英人

そのほかに…

■ネズッポの「展翅」について書いたもの
http://www.nifty.ne.jp/forum/ffish/hideto/ranma/47/47.htm

■アミメウツボに咬まれたことを書いたもの
http://www.nifty.ne.jp/forum/ffish/hideto/ranma/56/56.htm

 なども参照してくださいね。

===================================================
快投乱麻・vol.31『釣魚図鑑』
水汲みバケツにうるさくなったぞの巻

魚の迷路。
ややこしいけど楽しい


■釣り場に着いたら、まずやることってある。くせのようにやる「一発目の儀式」は人によっていろいろで、それによりベテランかビギナーか、深いか浅いか、釣るか釣らないか、ほんもんかにせもんか、すべてがわかるというくらい重要な釣り人の「儀式」であるともいえる。
       ■
■水を汲む。
■いま、ぼくの儀式。水汲みバケツで海水を汲みあげて、なみなみと湛えておくのだ。それも最低で三つのバケツに、それから一息ついて、おもむろに釣りの用意をはじめるのである。
■ぼく、いま、水汲みバケツいのち…。水汲みバケツにはうるさいでえ…。われながら「変」な釣り人だと思うけど。
       ■
■第一投で何が釣れるかわからない。なにか「ええもん」が釣れてしまうかもしれない。ぼくのいう「ええもん」って、凄い「じゃこ」かもしれないよ。
       ■
■釣りサンデーの魚の写真「魚類フォトライブラリー」に整理されている写真は一千種、十万点を超えている。二十五年にわたる取材の中で、いままで撮りだめてきた数百万点の魚の写真から徹底的に整理し、それを同定して、保管しているのだ。
■日本産魚類って何種類くらいいるのだろう?
■『日本産魚類検索−全種の同定』(中坊徹次編・東海大学出版会・第2刷・1995年)は日本産魚類の全種が収録されているが、三千六百八種になる。いま魚類の研究者たちがかかえている「課題」をすべてかたづけると、だいたい日本産魚類は全種で四千種くらいになるのではないかといわれている。
■釣りって凄いと思う。
■淡水魚から、日本近海。太平洋、オホーツク海、日本海、東シナ海の沿岸魚から、大回遊してくる魚から、深海魚にいたるまで。メガマウスから、リュウグウノツカイまで。なにからなにまですべていれて四千種なのに主要沿岸魚だけを対象にしている釣りで、そのなかの四分の一を釣ってしまうのである。
■口はばったい言い方になってしまうが、ぼくは、この魚類フォトライブラリーは、釣りサンデーの財産だけではなくて、釣り人みんな、いや日本人みんなの財産なのだと思っている。
■ぱっと釣ったとき、うちの写真部員、うちの編集部員が、ごめんなさいごめんなさいと言いながら、みなさんの大事な魚の複写を撮ったと思う。それの積み重ねが日本産全魚種の四分の一のライブラリーになった。
■ぼくは、ここ数年間こつこつこつこつ整理し、この写真をすべて頭に入れた。「歩くフォトライブラリー」になってしまった。どの種の写真がないか、少ないか、また決め手になる部分のアップが撮れているかいないか、すべて頭に入っている。
■案外、いつでも釣れる、どうでもいいような小魚の写真がなかったりする。スズメダイなどそうだ。またキタマクラなどの腹の立つ奴も少ない。たとえばキタマクラは雄と雌の性的2型がある。腹部正中線の皮褶(ひしゅう=しわ。キタマクラの腹のど真ん中に、大きなしわが盛り上がっているから今度釣ったら見てね)が雄は青いのだ。
       ■
■これらを釣ったとき小躍りして喜んだ。竿を放りだし、魚をバケツに泳がせて、すぐに撮影だ。バック板はいつも持ち歩いている。魚の「複写撮影」をぼくは「瞬間芸」と呼んでいる。一瞬だけ魚は怒り、一瞬だけ魚は輝く。その瞬間、命は輝いてすべての鰭をぴんと張ることが多い。眼は下の方を「ぐっ」と睨む。この輝く瞬間を永遠に記録したい。それを、釣り人のみなさんにも、魚なんか臭くて汚いと思い始めた「新日本人」にも伝えたい。この一瞬を輝かせるために、水汲みバケツの海水をじゃぶじゃぶ魚にかけて、撮影するのだ。海水は瞬間芸には欠かせない「道具」なのだ。
       ■
■そうやって、みんなで苦労して集めた一千種だけれど、いま創っている『釣魚図鑑』は、ぼくには珍しく釣り人向けの「フツーの図鑑」だ。「フツー」がこんなに大変だとは思ってもいなかった。「ケッタイ」なのはそれなりに創りやすいのだけど「フツー」というのは、中央突破であり奇策がきかない。だから「勉強」にもなっている。
■いま総百六十ページのうち百ページまで編集と原稿書きを終えた。勘定してみると、百ページで百六十種の魚を収録していた。頭の中の設計図では二百五十種くらいの収録だと思っていたから、ええペースである。
■本州で「フツー」に魚を釣っている釣り人が、釣る魚、釣り上げたいと願っている魚、なんじゃこりゃと思う魚、危ないから気をつけたい魚、小魚だけど名を知っておいて欲しい魚を選んで解説している。一千種の中から二百五十種、ちょっと残念には思うけど、釣り人にとって二百五十種の魚をまず「抑えておく」というのは、ほんとうに重要なことだと思っている。
       ■
■日本全国からFAXで予約注文が入っている。八月に入ってから休みなしで編集作業をやっているので、くじけそうになるときもある。しかし、朝、事務所にでたときに注文FAXを見るのである。ぼくの知らない人がパンフレットだけで、わざわざ注文を入れてくれてはる。これは遅らすわけにはいかないぞと勇気がわいてくる。ほんとうにありがたいことである。
       ■
■影よりほかに友はなし…。
■書斎にこもっているのだから影はないか。
■FM802よりほかに友はなし…。そういう状態で「おこもり」を続けている。
■あと、数週間、秋になるまでこもるのだろう。しかし、うちの連中の血と汗と涙の結晶、数万点のフォトライブラリーで遊んでいると、うちの連中の喜怒哀楽そして釣り上げた釣り人の喜怒哀楽が伝わってくる。釣り人にとって「魚」とは「人生」でもある。ルーペでのぞきながらそう感じる。そして、その人生その声に励まされている。
■疑問がでて、研究者に電話したりMAILしたりして、教えを乞うたりもしている。
■ひとりでこもりながらも、ひとりではない。釣り人みんなの声援を、ひしひしと感じる。魚の迷路に、ひとりで踏み込んだと思っていたけど、みんながついてくれていた。幸せだ。
       ■
■ぼくの水汲みバケツは、家で乾き「しょんぼり」している。もうちょっと待っててね。
■また一緒に海にいって輝く命を見ような。撮影しような。

■■■■■■■

週刊釣りサンデー2000年10月1日号より転載

[523] やっぱ、苦労せんとなぁ。 
2002/4/27 (土) 01:11:44 西潟正人
▼ JUNさんiwatyanさん、初めましてです。
いやぁ、さかなBBSはレベル高いですねぇ!
ページ開けるたびに、緊張しちゃいますよ・・・。
私はデジカメを使ってますが、書き込みを読むだけで、多少の勉強になります。
多少とは、あまりにみなさん実戦を生き抜かれており、私なんどは幾度「なんだって?」と叫んだことか・・・。
今日、小西師匠に恥ずかしい写真を送ってしまいました。よしと思ったサバフグの子供は、広げて見ればピンが甘かったし・・・。師匠、申し訳ない、捨ててください。みなさん、今後とも、よろしくお願いしますヨ。

[529] 楽しむことが基本です 
2002/4/27 (土) 05:47:42 小西英人
▼ 西潟正人さん

 いやあ。ごめんなさい。

 基本は、難しく考えず楽しむことでいいのです。

 ぼくは、もともとカメラマンになりたくて、20歳代は、その修行を、ずっとやっていましたから、ちょっとうるさくなってしまうのです。20歳代の後半に、いろいろ興味が拡がってしまって、文章やったり、編集やったりと、なんでもやるようになったのですが…。

 まあ、ころびカメラマンなもんで…。

 書くと、ちょっとうるさいというだけで…。気になさらないでくださいね。

 ただ、西潟さんのように、毎日魚市場を歩く人は、いろいろ見つけることができますし、きちんと撮影すると、かなりのものになる可能性がありますよ。

 おもしろくもなります。

 楽しみながら数をこなすと、うまくなります。

 要はなれです。ここで、みんなで助け合いながら、楽しんでいきましょう。

                           英人

[536] はじめまして 
2002/4/27 (土) 20:10:58 JUN
▼ 西潟正人さん

こんにちは。宮崎のJUNと申します。

西潟さんは「市場系」なのですね。
この図鑑づくりは、かれこれ3年ほどやっていますけど、
みな「釣り人系」ばかりで、市場の魚を撮影できる方の登場に
よろこんでいます。

撮影のことですが、まだ全然、手探りの状態です。
ただ、釣り場でぱっと撮ったものを、あとでモニタで見た時に、
驚くようなかっこ良さに気づくことがあります。
スズメダイにも驚いたし、タカノハダイやトゲカナガシラにも
そのかっちょよさにびっくりしました。

いろいろ、楽しみのある世界だなあということに気づいたので、
初めての方が、簡単に、できるだけうまく撮影できる方法を
試行錯誤しているところです。

これからも、よろしくお願いします。

[537] Re:はじめまして 
2002/4/27 (土) 20:29:04 西潟正人
▼ こちらこそ、ヨロシクです。
市場系かぁ・・。いや、市場より漁港。漁港より食の方ですかねぇ。
あまり食べられることのない魚の、意外な旨さを紹介しるのが楽しみですね。
ただし、旨すぎて紹介したくないものもありますが・・。
そんなこんだで魚と対峙するようになって20年ほどになります。釣りサンデーの「さかな大図鑑」は、ずいぶん愛用してました。もっと早く、皆さんと知り合いになりたかった!が、偽らざるとこの本音です。
今後とも、愛を込めたご指導を(笑)、よろしくお願いします。

[541] 歓迎>食のプロ 
2002/4/28 (日) 05:14:33 小西英人
 西潟さんは、食のほうの、魚のプロですよね。

 ぼく、食べることは好きだし、味の善し悪しも人並みくらいには、わかるつもりなんですが、あまり執着しないんで、あまり覚えていないんですよね。

 それで魚の解説などするとき、食に対して冷たいと思われるようです。

 いけないなとは思っているのですけど、まあ、人それぞれ性向ってものがありますからね。仕方がないとも思っています。

 とにかく、ぼく食が弱いので、西潟さんの参加は嬉しいです。魚の、いろいろな方面のプロが、それぞれ得意なことを書いていって、それぞれが勉強できたらいいのです。

 いろいろ教えてください。また、西潟さん主導で、味のこと、漁港のこと、漁師のことなど、書いていってください。

 また、さしつかえのない範囲で、どういう味のプロか、自己紹介ができるようなら、お願いしますね。

                          英人

[▼次のスレッド]