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新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

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[689] 同定>赤チン 
2002/5/7 (火) 11:11:11 KOUJI
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 HP用の画像を選んでいたら、昨年撮ったヤツの中にちょっと引っ掛かるのがありました。
 カサゴなんだけど、釣った時もなんかちょっと顔つきが違うように思ってたんですが、改めて見ると側線回りの白斑に縁取りが有るような無いような・・・
 採取場所は小鳴門海峡で、大きさは20cmくらいです。
 同定をお願いします。

[690] 同定>赤チン>体側部 
2002/5/7 (火) 11:24:25 KOUJI
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なるべく見易いように、元画像の体側部をトリミングで切り出してみました。

[691] 同定>赤チン>頭部 
2002/5/7 (火) 11:26:42 KOUJI
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ついでに頭部をアップで撮影したのもぶら下げて置きます。
胸鰭付け根の白斑に黒縁があるのは関係無いですかね?

[693] カサゴ>ウッカリカサゴ>難しいですね 
2002/5/7 (火) 12:30:36 小西英人
▼ KOUJIさん

 うーーーーーーーん。カサゴとウッカリカサゴねえ。

 胸鰭軟条数はよめませんか?

 19本ならウッカリカサゴの若魚でいいでしょう。18本なら、わかりませんが、カサゴなんでしょう。

 1999年の魚類学会の発表なのですが、長崎にある西海区水研の加藤雅也さんと時村宗春さんが、長崎県島原半島で採集されたカサゴとウッカリカサゴ、約80個体をアロザイム電気泳動法で遺伝子の解析をして、カサゴとウッカリカサゴを見分ける遺伝子座をみつけたのです。

 遺伝子で見分けてから、体色や斑紋を見分けていくと、側線付近の白斑の縁取りが濃いものはウッカリカサゴで、胸鰭の軟条数が18でカサゴ、19ならウッカリカサゴだと分かったというのです。この軟条数、10%くらいは、ぶれるそうです。

 この学会発表の時、ぼくの『新さかな大図鑑』のカサゴのページが映しだされて、これとこれは誤同定だと指摘されたそうです。ぼく、残念ながら、このときの学会は忙しくて欠席していたのでした。

 ウッカリカサゴ、関西では「沖がしら」と呼ばれ、関東では「かんこ」と呼ばれます。沖合の深いところで釣れる、赤い大型のものです。

 ところが、大型は見分けられても、ウッカリカサゴの若魚というのが、どういうものか、加藤さんたちの研究まで、よく知られていなかったのです。

 『釣魚図鑑』をつくるときに、このキーで、徹底的にうちの写真ファイルを見直して、カサゴとウッカリカサゴを、ぼくはわけたのでした。そして2000年の魚類学会が神奈川県立生命の星・地球博物館で開かれたときに、この、側線の白斑という、あたらしいキーで、ウッカリカサゴの若魚とカサゴをずらりと並べたページの色校正を持っていき、加藤さんに見てもらったのです。

 OKをもらって、出版したのですが、あとで、加藤さんから、ちょっと自信が持てないという連絡があったのです。

 生命の星・地球博物館の瀬能さんところにある、伊豆のカサゴの写真を見て、うちにある西日本のカサゴの写真を見て、ちょっと自信がなくなったということでした。

 見れば見るほど、どうともいえない斑紋が多くなってきたのです。

 それで、ぼくと、瀬能さんは、加藤さん所にカサゴの標本を、いっぱい送り込む約束をして、ぼくは、何回か送っていますけど、まだまだ標本を集めなければ、何ともいえないところがあるのです。

 とりあえず、胸鰭軟条数が19ならウッカリカサゴだと、18ならカサゴだと見ていっているのですが、側線の白点に暗色の縁取りがあって頬部などにも白斑のある個体で、軟条数が18のものがいるのです。というより、案外19のものがいないのです。これらはカサゴか、ウッカリカサゴか、微妙です。ちょうど、KOUJIさんの写真個体のような斑紋です。

 昔なら、自信を持って、ウッカリカサゴの若魚ですと同定したでしょうが、いまのところ、軟条数が読めないと、完全な同定は難しいのです。

 いま、この写真個体は、ぼくなら、図鑑にはつかいません。どうしても使わなければいけないのなら、カサゴと同定するかな。

 ほんと微妙な斑紋です。

 加藤さんに送りこんだ標本が増えたら、また、解析してもらって、島原半島だけではなくて、瀬戸内のカサゴも研究してもらおうと思っているのですが、いまのところ、それほどの量を送りこめていません。

 身近なとこに謎はあるのです。

 カサゴ類をたくさん釣って、標本にあげるよという人がいたら、連絡をくださいね。

 よろしく。               英人

[697] Re:カサゴ>ウッカリカサゴ>難しいですね 
2002/5/7 (火) 14:57:39 KOUJI
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▼ 小西英人さん

 お手数でした。
 似たもんってのはホント難しいものですね。

胸鰭軟条数、何とか数えようとしてみたんですが、鰭が立って写ってるから正確に計数出来ませんでした。
 アップも胸鰭の付け根は写ってるけど先が写ってないのでこれも駄目でした。
 もうちょい下まで入れとけよ〜って感じです。(苦笑)

 違う個体で、同じ場所で釣った物ではないのですが、同じ日に撮ってるのに良く似た固体が居て、こちらは18本と数えられたのでカサゴなのでしょう。
 参考までにここへぶら下げて置きます。
 何かわたしがここで聞くのってこんな判り難いのばかりですね。(^^;ゞポリポリ

追伸: 随分前にタケノコメバル絡みの件で最初に見て頂いた魚の内、腹側から撮った黒っぽい魚を、最近より性能の良いフィルムスキャナを入手したので再スキャンして見たら、目の中を通る暗色線が確認できてタケノコメバルだと確定できました。

[698] Re2:カサゴ>ウッカリカサゴ>難しいですね 
2002/5/7 (火) 15:01:48 小西英人
▼ KOUJIさん

 いやいや難しいものを聞けるというのは、魚では偉いことです。

 知らないときほど、非常に簡単に考えてしまいがちですからね。

 このカサゴを見て、カサゴではなくて怪しいのでは…なんて思える、怪しい人間は、そうそうはいませんぞ。

                           英人

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