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新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

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[6106] キンメダイのタイ! 
2003/4/26 (土) 01:46:00 西潟正人
◆画像拡大
ご存じとは思いますが、俗に言う「タイのタイ」とは胸ビレに付いた骨です。ヒレの付け根をきれいに残すと「王冠」の形になります。胸ビレを付けたまま乾燥させるとごらんのとおり。左右で対をなし、インデアンの家紋のようでもあります。
煮沸したりクリアーラッカーを塗っても、いずれ黄色く変色してしまいますね。それぞれの骨に名称をつけて、煮魚焼き魚を楽しんだ時代があったようです。一匹の魚でも、部分ごとに味は違うんですよ。タイのタイとは、いつごろのどんな魚好きが発見したんでしょう。

[6107] 鯛中鯛>江戸時代からいわれています 
2003/4/26 (土) 06:47:10 小西英人HomePage
▼ 西潟正人さん

 「鯛之鯛」の紹介ありがとうございます。

 これ、江戸時代には「鯛中鯛」(たいちゅうのたい)と呼ばれていたようです。1857年、ハリスが老中堀田正睦に通商の必要を説いていた江戸時代の終わり近く、奥倉辰行の『水族写真』に図入りで紹介されています。

 この『水族写真』を東京大学総合研究博物館の坂本さんが紹介されていますので参考にしてください。

■東京大学総合研究博物館ニュース
■「魚名の由来」研究余話 ―鯛の九つ道具―■坂本一男
奥倉辰行 の「水族四帖」(1850年頃)と「水族写真」(1857年)(図2)には、鯛(マダイ)の体全体の骨格図があり、さらに大龍・小龍・鯛中鯛などと称する「鯛の(九つ)道具」の図も描かれている。以下、「水族写真」の“鯛名所之図”に従ってそれぞれの「道具」を紹介する。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/museum/ouroboros/06_02/shiryou.html

 また、タイのタイだけで一冊の本を書いた人もいます。草思社からでています。同社のHPから本の紹介を引用しましょう。

大西 彬
鯛のタイ
タイの胸鰭のつけねにある、魚の形に似た骨を鯛のタイという。鯛をはじめ83種の魚の鯛のタイを紹介し、食べることから民俗学まで、魚にまつわる面白ばなしを満載。
4-7942-0418-3
四六判上製 240頁 1553円 1991年

 アマゾンでは、下記です。

■『鯛のタイ』大西彬
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794204183/ref=sr_aps_b_1/249-8562449-9275561

 蛇足ですが、さいごに、ぼく昔に『磯釣りスペシャルに』書いていた、小さなメジナのコラムを転載しておきます。

                           英人

■『磯釣りスペシャル』より>小西英人
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知彼知己
百戦不殆

メジナの骨


ぼくらとクロメジナはお仲間
同じ骨を体に持っているんだ


 「尾長はなあ、かみそり持っとんや。ハリスをすっぱり切るんや…」と真剣にいう磯師は多い。かみそり?そう、クロメジナに限らず、ほほにかみそりを持つ魚は多い。ふつう鰓蓋の前に小さな鰓蓋があるが、この縁辺は鋭く、かみそりのようになっている。スズキで俗に「鎌」と呼ぶ部分と同じである。
 クロメジナが向こうに走るとき、ここを立てて、すっぱりとハリスを切るというのである。真偽はわからないけど、ここが鋭くて危ないのは事実だ。この「かみそり」は鰓蓋の骨、前鰓蓋骨と呼ばれる。ふつうはぴったりと閉じられていることが多く気がつかないままに、すっと触れると、ほんとうにエッジがかみそりのようになっていて深い切り傷になることが多い。
 ところで「鯛の鯛」は知っているだろうか。胸鰭を支える骨が魚に似ており、鯛の中にミニチュア鯛がいるから「鯛の鯛」と呼ばれる。クロメジナのクロメジナもいる。この骨の魚の頭部にあたる骨は「肩甲骨」で、胴体と尾部は「烏口骨」だ。
 えっ、なんで魚に肩甲骨があるのだろう…と驚くだろう。
 魚と人は共通祖先から分岐した。ぼくらは、脊椎動物という「お仲間」なのだ。クロメジナは肩甲骨で胸鰭という自由肢を支え、ぼくは肩甲骨で腕という自由肢を支える。それなら烏口骨って何なのと聞かれそうだ。人の肩甲骨の上部には突起があり烏口突起と呼ぶ。ここで上腕二頭筋と烏口腕筋を支える。
 ほら、ぼくとクロメジナは同じ祖先の骨を持っているんだ。

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