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新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

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[▲前のスレッド]

[7334] ギマです 
  【魚図鑑参照】
2003/7/14 (月) 14:37:52 目玉の親父
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こんにちわ
風が強かったですけど釣ることができました。
胴付仕掛の置き竿にしてアタリを待つ釣りでしてたが久しぶりの釣りで楽しめました。この魚は形はカワハギに似てますが、粘液が多く、生ではプリプリ感がありませんでした。煮付ではおいしくいただきました。

[7335] ギマ>OKです 
2003/7/14 (月) 14:43:38 小西英人HomePage
▼ 目玉の親父さん

 ギマ科のギマでOKです。

 そうですか、煮付けですね!        英人

[7336] 図鑑>ギマ>登録しました 
2003/7/14 (月) 14:48:07 小西英人HomePage
▼ 目玉の親父さん

 ギマの図鑑へのアップ、ありがとうございました。登録しておきました。

                           英人

[7337] Re:図鑑>ギマ>登録しました 
2003/7/14 (月) 14:51:35 目玉の親父
◆画像拡大
▼ 小西英人さん
その前日の夜釣りには魚ではないですけど、
こんなものも撮れました。
ガザミだと思います。

[7338] Re2:図鑑>ギマ>登録しました 
2003/7/14 (月) 15:00:10 小西英人HomePage
▼ 目玉の親父さん

 ワタリガニ科のガザミのようですね。

 Portunus trituberculatus (Miers,1876)

 だと思いますが、図鑑にはアップしないでね。

 甲殻類までひろげる気はないもんね。           英人


[7339] Re3:図鑑>ギマ>登録しました 
2003/7/14 (月) 15:40:48 目玉の親父
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▼ 小西英人さん
そうですね!
甲殻類まで広げると大変になりますからね。
話がもどりますが、6月22にマアナゴ釣りました。
写真の上が暗いし、尾部の方が特に暗い気が・・・。
投稿できますでしょうか?
長物はどうやってとればいいのでしょうか?
難しいです。

[7340] マアナゴ>OKです 
2003/7/14 (月) 16:34:36 小西英人HomePage
▼ 目玉の親父さん

 マアナゴ、きちんと特徴がでていますから、どうぞ、図鑑に投稿してください。

 長物は難しいですよね。条件が悪いとなかなかです。

 根気と愛情しかないでしょう。

 ウツボ類などと、悪戦苦闘し、親指を咬み裂かれたりしましたが、ちょっと情がうつっちゃったなあ…などと、長物の研究者、波戸岡清峰さんにもらすと、「やっぱり」などといわれました。

 そうなると、きちんと撮ろうとしますので、よくなります。    英人

[7341] Re:マアナゴ>OKです 
  【魚図鑑参照】
2003/7/14 (月) 16:49:32 目玉の親父
▼ 小西英人さん
そうとうな痛さが伝わります。
親指を咬み裂かれまではありませんでしたが、
ハリをはずそうとしたときに噛まれ痛かったです。
ウツボに噛まれた日になんかは・・・。
考えただけでゾッとします。
今度長物を釣ったときは根気と愛情で撮ります。
もちろん噛まれないように。

[7342] 図鑑>マアナゴ>登録しました 
2003/7/14 (月) 17:17:22 小西英人HomePage
▼ 目玉の親父さん

 マアナゴの図鑑へのアップ、ありがとうございます。登録しておきました。

                        英人

[7343] 怪投乱麻>アミメウツボ>撮影失敗! 
2003/7/14 (月) 17:25:04 小西英人HomePage
▼ 目玉の親父さん

 撮影中にミスって、アミメウツボに咬まれたときの怪投乱麻を転載しておきましょう。

 翌日、病院に行って、「ウツボによる咬傷」と問診票に書いていたら、医者は大笑いして、俺も釣りをするけど、あんなものに噛みつかれるか、何をしていたときかれちゃいました。縫ってもらうつもりでしたが、傷が、ぎざぎざで曲がっているので、自然にひっつけようといわれました。

 一年ほどは疼いたけど、このごろは忘れちゃいました。

 ほんと、気をつけようね。             英人


■怪投乱麻Vol.56■週刊釣りサンデー2001年10月28日号より転載
============================================================
わが熱帯。黒潮の中でいつまでも


鹿児島県
種子島の夢は夢のまま残ったぞの巻


■上機嫌である上機嫌である。種子島、二日目の夜である。
■きょう、川しょうぶ、ゴマフエダイの親分を釣ったら、真水を嫌い荒磯を好む骨っぽい、しょうぶことフエダイに見参だ。あとは屋久島のハマフエフキが早く来いよと叫んでいる。明るいうちから熊野漁港。ぽんぽんぽんと三本の竿を放りこみ、のんびりしている。魚たちものんびりしている。魚信はない。
       ■
■闇が満ちて、PEラインが、ふっふっと張りかけてふわああああああとたるんだ。小僧が悪さをしている。手前の捨て石に駈けこんでがんばっている。ふふふ。ごんごん二度ほどしゃくると悔しそうにでてきた。ゴマフエダイ、三十五センチほど。二十四号鉤素の敵ではないぞ。親分を呼んできておくれ…。
■波止の先端が騒がしい。行ってみると青年のマダラハタだった。魚だけ撮らせてくださいとお願いすると快諾してくれる。バック板をいれて滑るから苦労していたら手伝ってくれる。魚好きの人、いい人ばかりだ。
■深夜。ふうふう気の抜けた魚信がでる。これはアナゴ類かウツボ類である。合わせると重く丸まったウツボがでてきた。
■放蕩の投げ釣り…鯣や身餌で太仕掛けを放りこめば、サメやエイ、そしてウツボには泣かされる。しかし、これらの危険な魚を、きっちりさばけないのならば、太い仕掛けを使ってはならない。海から引きあげ、きっちり鉤を外し、いたわって逃がしてやらなければならない。
       ■
■アミメウツボであった。このごろ、ウツボわが友なのだ。長くて臭くて獰猛で粘々で、どうしようもない魚だが、元気なまま撮影しようと苦労しているうち愛情がわいてしまった。「長もんの波戸やん」こと大阪市立自然史博物館の波戸岡清峰さんに告白すると「やっぱり」といわれた。彼は長もんでも特にウツボ科の権威であり、ウツボフェティシストでもある。波戸やんに弟子入りしようかな…。
■ウツボ類は口に違和感があると尾の方から8の字結びになって外そうとする。これを繰りかえすので鉤素が体に巻きつき、ぐちゃぐちゃになってしまう。これを嫌ってそのまま磯や波止に打ちつけて殺すか、ハンマーでぐちゃぐちゃに頭を潰し殺して海に投げこむ人が多い。そんな人は底物をやってはだめ。
■底物師はタフでなければ生きてはいけない。優しくなければ生きていく資格がないのだ。
■釣りあげたら、まず、ぶら下げてみる。このとき尾が地面についたら、強い尾の力で跳ねあがって咬みつきにくるから危ない。完全にぶら下げる。すると己が重さで巻いていたウツボの体が、するする解け仕掛けも元にもどることが多い。また尾の方から結ぼうと試みるが己が重さで失敗するはずだ。それでも解けないほど絡んでしまったなら、短く鉤素を切り、ちょっと置いておく。すると、するすると解いて逃げようとする。
■次は魚ばさみで頭をしっかりと抑えペンチで鉤を外す。魚ばさみとペンチは「放蕩の釣り」の必需品。魚ばさみで頭を抑えると尾から巻きつき暴れる。その力は強い。注意しよう。また長もんの嫌いな人は、それで手を緩める。ひるんだら危ない。がんばれ。海に逃がそうよ。
■ぼくは、ここから、海水をどぼどぼかけて汚れを落とし元気にする。それから撮影用の白のバックボードを用意し、そこでおとなしく「つ」の字になってもらい魚類図鑑用の撮影をするのである。ウツボは暴れる。ボードの上をつるつる滑る。とぐろを巻いて身を縮め、一気にのびて跳びあがり鋭い歯で攻撃する。どうしても咬むことができないと、もどかしいのか自分の体に咬みついて丈夫な皮を裂き白い肉が弾け驚く。それほど獰猛だ。こういう撮影を暗闇でヘッドランプを頼りにひとりやると疲れる。へろへろになる。
■さて熊野漁港。アミメウツボを撮影しようとしていたら、ルアー釣りにいっていた相棒が帰ってくる。ライトを照らしてもらえるから楽ちん楽ちん。元気がよくて、何度も何度も跳びかかってくる。魚ばさみに咬みつき「がきんっ」「がきんっ」と鋭い歯と金物がぶつかる衝撃を感じていた。相棒は危ない、よせと何度もいう。獰猛やろ怖いやろといいつつ上機嫌で「つ」の字にしようとしていた。
■!!!!!!!!!!!
■ぼくの右手の親指はアミメウツボの顔に埋まっていた。引いてはいけないのだけど、反射的に指を引くのと、ウツボが重さで落ちるのが一緒になった。
■ぼとぼとぼとぼとぼとぼと…血を滴らせ、うんうん痛みを堪えながら、あほやなあ…わかっていたのに…と頭の中はそればかり響く。屋久島が一瞬で遠のいたのが反射的にわかった。
■いきなり。六十センチほどもまっすぐ跳びあがって、親指に咬みついてきたのだった。根元までずっぽりとやられた。親指は背の根元で二カ所の裂傷を負い、腹は指先まで裂傷を負っていた。細かい傷は数知れず。相棒が傷を洗い血を止め道具を片づけ宿に電話し消毒セットを頼んでくれる。ごめんなあ…。
■じんじんじんじん…疼く指を押さえ血を止めながら、ぼくの夏が終わったのを感じていた。一瞬の夏であった。終わりは、いつも、いきなり訪れる。いま蕩児の帰宅である。もう秋なんだ。鱚は鰈は、こんな蕩児を歓迎してくれるのだろうか?
       ■
■翌日病院に行ったが、幸い縫うほどでもなかった。しかしハードな釣りはできない。島を見て回り頭に焼きこむ。種子島のルアーマンが「変な鱚」を釣ったという長浜にも行く。西岸に十二キロもひろがる砂浜だ。彼はリップカレントを探し鱚を釣るという。広大な浜では川のような細い急流が沖にでる。これをリップカレントというが見て探せるものなのか。ここはヒラスズキの島で彼の本職はヒラスズキ。砂浜でそれを釣るには探せなければ話にならないよとすたすた浜を歩く。毎日釣りをする島の男たちは凄いもんだ。
■疼く指を、庇い庇い、鱚を釣ってみる。コトヒキ、ヘダイ、マルコバン、クサフグの猛攻にあいシロギスさえ釣れない。変な鱚は後で送ってもらった。それは沖縄本島以南に分布するとされる、モトギスであった。
       ■
■マングローブ林にゴマフエダイがいてミナミクロダイがいてモトギスもいた。種子島はわが熱帯である。夢はいきなり終わったけど、だからこそ、また見られるというもんだ。ウツボはちょっとだけ懲りようと思う。あまり懲りると、あの獰猛で美しい魚を撮れなくなるから。

[7344] 危険な魚 
2003/7/14 (月) 17:53:45 目玉の親父
▼ 小西英人さん
とてもおもしろい記事を読ませて頂きありがとうございます。
記事がこと細かでそのときの状況など、痛みがヒシヒシと伝わってきます。
ほんとに災難ですね。
けど痛い思いをして危険な魚が撮影できたときは普段よりも優越感に浸れますし、(僕だけかな!?)
ずっと心に残りますよね!?
僕もウツボほどでもないですけど、初めてハオコゼを釣って、指を刺されたときは2、3時間ほど指が痺れた痛さがありました。
ウツボには噛まれたくないのですが、釣って噛まれず写真を撮りたいです。


[7348] Re:怪投乱麻>アミメウツボ>撮影失敗! 
2003/7/14 (月) 22:52:04 きくやの常連
▼ 小西英人さん
ウツボ類ってそんなに凶暴な魚だったんですか。
噛み付こうと飛びついてくるってことは爬虫類のヘビみたいなものですか?

今まで釣った魚で自分から攻撃してきた奴なんていなかったので、小西さんがアミメウツボに噛まれたという話を聞いて、指でも入れたのかなと失礼な想像をしていました。
すみません。

しかし、そんな恐ろしい魚よく撮影できますね。
尊敬します。
小学生のころ友達が骨折して、なんかあこがれたように、なぜかそういう怪我の話は男の勲章って感じでかっこいいですね。

出会うことはまずなさそうですけど、ウツボ類等危険な魚を撮影するときはどうすればいいのですか。
グローブをしたら撮影できないし、気をつけるくらいしかできなさそうですね。
まあ、その心配は僕には縁がないかなー。

[7350] Re2:怪投乱麻>アミメウツボ>撮影失敗! 
2003/7/15 (火) 03:59:54 小西英人HomePage
▼ きくやの常連さん

 もう、でちゃうので、また、あとでね。    英人


[7558] アミメウツボ>怖いよ 
2003/7/23 (水) 21:01:23 小西英人HomePage
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アミメウツボ■2001年9月21日 鹿児島県種子島、島間港

▼ きくやの常連さん

 ウツボ類は歯は強力だし、鋭いし、顎を閉じる筋肉は強いし、咬むために進化したような魚だから怖いよ。

 上のウツボがアミメウツボです。

 このウツボは、種子島で親指を咬み裂かれて、包帯して、じんじん痛んでいるときに釣ったものです。咬まれた翌日か翌々日だったと思います。

 咬まれたアミメウツボは撮影はもちろんできず、ウツボの波戸やんこと、大阪市立自然史博物館の波戸岡清峰さんに標本として送りました。

 そのあとで、またアミメウツボがきたのです、トラウマにならないように、撮影しましたが苦労しました。

 まず、ぐるぐる巻き付けている鉤素をほどき、撮影板を濡らして、アミメウツボも元気にして撮影するのです。体の前についている痕は鉤素の痕です。

 尾の方が白くなっているのは、怒って、こちらに咬みつけなかったから、自分を咬んで、丈夫な皮を裂いたのです。

 できるだけ、きれいに撮したかったのですが、片手がきかない状態では、これが限界でした。

 ウツボを弱らせようと思うと、肛門付近をハンマーで殴るとよいです。

 しかし、ぼくは、元気なウツボを、みなさんい見てもらいたいので、とにかく根気よくやります。長い魚ばさみは買いましたけどね。

                          英人

[7559] アミメウツボ>顔のアップです 
2003/7/23 (水) 21:04:13 小西英人HomePage
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アミメウツボ■2001年9月21日 鹿児島県種子島、島間港

 顔をきちんと洗えることができなかったのです。なにせ、歯をがちがちいわせて怒っていたからね。

                           英人

[7560] アミメウツボ>顔のアップです 
2003/7/23 (水) 21:07:47 小西英人HomePage
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アミメウツボ■2002年5月23日 高知県、甲浦

 これもアミメウツボ、種子島のが、あまりきれくないので、入れておきます。

 顎を閉じる筋肉が、盛り上がっています。強いよ。

 それでも、痛みと傷跡は、かなり残るだろうと思いましたが、一年ほどで、痛みもとれ、傷跡も目立たなくなりました。

                              英人

ps
 ウツボの波戸やんには、危ないことするなよといわれていますけどね…。

[7564]  
2003/7/24 (木) 01:15:38 きくやの常連
▼ 小西英人さん
うわーっこんなのに噛まれたんですね。
恐ろしー!
太さは大根ぐらいあるように見えますが。
短いニシキヘビですね。

南にはこんな怪物がいるんですね。
一度だけ釣ってみたい魚です(何度も釣りたくはないです)。

しかしアミメウツボの形相にも驚きましたが、指ぱっくりで翌々日まで釣りをする小西さんもすごいですね。
しかも怪我の張本人を釣って、片手が不自由なのに、力が強くて危険なアミメウツボを「つ」の形にして撮影ですか。
男です。
僕にはできないと思います。

小西さんは魚を元気な状態で撮ることにこだわっておられますが、元気な魚は写真を見ると目つきが全然違いますね。
僕も元気な魚の眼のファンで、写真を集めるうちに怒っている顔、びっくりして唖然としている顔、殺されると分かっておびえる顔、死ぬ寸前の顔などなんとなく分かるようになってきました。(思い込みだろうと言われれば、言い返せませんけど...)
種子島のやつは観念しておとなしくなったときの写真で、高知のはまだやる気まんまんですね。
のように勝手に魚になって気持ちを想像するのも僕の魚写真鑑賞のひとつです。

↑あとでもう一度見たら種子島のもそうとうやる気ありましたね。少し下から撮影されてたので、眼の筋肉が緩んでいるように見えました。

[7566] 眼>なぜか下を向くんですよね 
2003/7/24 (木) 06:14:25 小西英人HomePage
▼ きくやの常連さん

 南に行くと、もっとごつくなって、数十キロはあるような、ドクウツボなどがいますよ。これ、釣ったことはあるんですけど、そのときに撮影していない…。また釣って撮影したいけどなあ。

 眼。

 元気のいい魚は、なぜかは知らないけれども、下を睨むんですよね。

 やはり、平衡をとろうとするのでしょう。がっと下を睨んで起きようとしているんだと思います。

 鰭を立てて、下を睨んで、体色もはっきりし、斑紋もくっきりして、怒っているように見えます。

 このときに撮影したい。

 鰭をすぼめ、眼が力をなくして上を向き始めると、もう駄目です。

 その一瞬を記録したくて「瞬間芸」をやっているのですが、なかなかですね。

 ウツボ類は、下を睨むと言うより、どうも、こちらを見ていますね。ある名人が、ウツボは陸眼(おかめ)がきくから気をつけろと言っていましたが、一瞬で60cmほども跳び上がって、ぼくの親指に噛みついたのですから、見えているし、狙いすましていますね。たぶん。くわばらくわばらです。

 それに夜がほとんどですから、大変です。

 やはり、怖いし、厭ですけどね。でれども、ウツボ類を元気なまま撮影しようと思うのが、ぼくしかいないのなら、きちんと撮ってやりたいと思うのです。それだけです。

 『釣魚図鑑』をつくるために事務所にこもっていたときに書いた怪投乱麻がありますので、転載しておきますね。この一部をつかって、『釣魚図鑑』の後書きにも入れてあります。

                          英人
ps
 眼を見ると、怒っていたり、悔しそうだったり、表情がありますよね。たぶん擬人的なんでしょうが、けれども、そう見えますよね。そう見えだしたら「ヒト」から「ツリビト」に種分化したんだと思います。たぶん。


■怪投乱麻Vol.31■週刊釣りサンデー2000年10月1日号より転載
============================================================
魚の迷路。ややこしいけど楽しい


『釣魚図鑑』
水汲みバケツにうるさくなったぞの巻


■釣り場に着いたら、まずやることってある。くせのようにやる「一発目の儀式」は人によっていろいろで、それによりベテランかビギナーか、深いか浅いか、釣るか釣らないか、ほんもんかにせもんか、すべてがわかるというくらい重要な釣り人の「儀式」であるともいえる。
       ■
■水を汲む。
■いま、ぼくの儀式。水汲みバケツで海水を汲みあげて、なみなみと湛えておくのだ。それも最低で三つのバケツに、それから一息ついて、おもむろに釣りの用意をはじめるのである。
■ぼく、いま、水汲みバケツいのち…。水汲みバケツにはうるさいでえ…。われながら「変」な釣り人だと思うけど。
       ■
■第一投で何が釣れるかわからない。なにか「ええもん」が釣れてしまうかもしれない。ぼくのいう「ええもん」って、凄い「じゃこ」かもしれないよ。
       ■
■釣りサンデーの魚の写真「魚類フォトライブラリー」に整理されている写真は一千種、十万点を超えている。二十五年にわたる取材の中で、いままで撮りだめてきた数百万点の魚の写真から徹底的に整理し、それを同定して、保管しているのだ。
■日本産魚類って何種類くらいいるのだろう?
■『日本産魚類検索−全種の同定』(中坊徹次編・東海大学出版会・第2刷・1995年)は日本産魚類の全種が収録されているが、三千六百八種になる。いま魚類の研究者たちがかかえている「課題」をすべてかたづけると、だいたい日本産魚類は全種で四千種くらいになるのではないかといわれている。
■釣りって凄いと思う。
■淡水魚から、日本近海。太平洋、オホーツク海、日本海、東シナ海の沿岸魚から、大回遊してくる魚から、深海魚にいたるまで。メガマウスから、リュウグウノツカイまで。なにからなにまですべていれて四千種なのに主要沿岸魚だけを対象にしている釣りで、そのなかの四分の一を釣ってしまうのである。
■口はばったい言い方になってしまうが、ぼくは、この魚類フォトライブラリーは、釣りサンデーの財産だけではなくて、釣り人みんな、いや日本人みんなの財産なのだと思っている。
■ぱっと釣ったとき、うちの写真部員、うちの編集部員が、ごめんなさいごめんなさいと言いながら、みなさんの大事な魚の複写を撮ったと思う。それの積み重ねが日本産全魚種の四分の一のライブラリーになった。
■ぼくは、ここ数年間こつこつこつこつ整理し、この写真をすべて頭に入れた。「歩くフォトライブラリー」になってしまった。どの種の写真がないか、少ないか、また決め手になる部分のアップが撮れているかいないか、すべて頭に入っている。
■案外、いつでも釣れる、どうでもいいような小魚の写真がなかったりする。スズメダイなどそうだ。またキタマクラなどの腹の立つ奴も少ない。たとえばキタマクラは雄と雌の性的2型がある。腹部正中線の皮褶(ひしゅう=しわ。キタマクラの腹のど真ん中に、大きなしわが盛り上がっているから今度釣ったら見てね)が雄は青いのだ。
       ■
■これらを釣ったとき小躍りして喜んだ。竿を放りだし、魚をバケツに泳がせて、すぐに撮影だ。バック板はいつも持ち歩いている。魚の「複写撮影」をぼくは「瞬間芸」と呼んでいる。一瞬だけ魚は怒り、一瞬だけ魚は輝く。その瞬間、命は輝いてすべての鰭をぴんと張ることが多い。眼は下の方を「ぐっ」と睨む。この輝く瞬間を永遠に記録したい。それを、釣り人のみなさんにも、魚なんか臭くて汚いと思い始めた「新日本人」にも伝えたい。この一瞬を輝かせるために、水汲みバケツの海水をじゃぶじゃぶ魚にかけて、撮影するのだ。海水は瞬間芸には欠かせない「道具」なのだ。
       ■
■そうやって、みんなで苦労して集めた一千種だけれど、いま創っている『釣魚図鑑』は、ぼくには珍しく釣り人向けの「フツーの図鑑」だ。「フツー」がこんなに大変だとは思ってもいなかった。「ケッタイ」なのはそれなりに創りやすいのだけど「フツー」というのは、中央突破であり奇策がきかない。だから「勉強」にもなっている。
■いま総百六十ページのうち百ページまで編集と原稿書きを終えた。勘定してみると、百ページで百六十種の魚を収録していた。頭の中の設計図では二百五十種くらいの収録だと思っていたから、ええペースである。
■本州で「フツー」に魚を釣っている釣り人が、釣る魚、釣り上げたいと願っている魚、なんじゃこりゃと思う魚、危ないから気をつけたい魚、小魚だけど名を知っておいて欲しい魚を選んで解説している。一千種の中から二百五十種、ちょっと残念には思うけど、釣り人にとって二百五十種の魚をまず「抑えておく」というのは、ほんとうに重要なことだと思っている。
       ■
■日本全国からFAXで予約注文が入っている。八月に入ってから休みなしで編集作業をやっているので、くじけそうになるときもある。しかし、朝、事務所にでたときに注文FAXを見るのである。ぼくの知らない人がパンフレットだけで、わざわざ注文を入れてくれてはる。これは遅らすわけにはいかないぞと勇気がわいてくる。ほんとうにありがたいことである。
       ■
■影よりほかに友はなし…。
■書斎にこもっているのだから影はないか。
■FM802よりほかに友はなし…。そういう状態で「おこもり」を続けている。
■あと、数週間、秋になるまでこもるのだろう。しかし、うちの連中の血と汗と涙の結晶、数万点のフォトライブラリーで遊んでいると、うちの連中の喜怒哀楽そして釣り上げた釣り人の喜怒哀楽が伝わってくる。釣り人にとって「魚」とは「人生」でもある。ルーペでのぞきながらそう感じる。そして、その人生その声に励まされている。
■疑問がでて、研究者に電話したりMAILしたりして、教えを乞うたりもしている。
■ひとりでこもりながらも、ひとりではない。釣り人みんなの声援を、ひしひしと感じる。魚の迷路に、ひとりで踏み込んだと思っていたけど、みんながついてくれていた。幸せだ。
       ■
■ぼくの水汲みバケツは、家で乾き「しょんぼり」している。もうちょっと待っててね。
■また一緒に海にいって輝く命を見ような。撮影しような。

[7567] アミメウツボvs猫ちゃん 
2003/7/24 (木) 06:35:58 小西英人HomePage
 そうそう。思い出した。

 このアミメウツボ、撮影後も、けっこう元気で、噛みつこうとするものだから、危なくて、ビニール袋に入れられず、しばらく置いておきました。ウツボの波戸やんところに標本として送ろうと思っていたのです。

 そうしたら、猫が忍んできて、このアミメウツボの尾をくわえて、テトラの影に引きずり込んだのです。

 大びっくりです。

 ぼくは、まだ真新しい包帯して、右手を上にしておかなければいけない状態でしたから、アミメウツボを盗られて困ると言うよりも、猫が、アミメウツボに咬みつかれたら可哀想だと思って、必死でテトラの影をライトで照らして探していたのです。

 ところが。

 猫の悲鳴は聞こえず、どうもアミメウツボは食われてしまったようです。

 猫って、われわれより、はるかに獰猛だし、はるかに利口ですね。

 標本にはしそこねましたけど、感心することしきりでした。

                          英人

[7346] Re2:マアナゴ>OKです 
2003/7/14 (月) 22:13:42 宮本克己
◆画像拡大
▼ 目玉の親父さん
▼ 小西英人さん


 これ、撮影に10分かかりました。撮影は何とか真上から真横を撮るようにしていますが、体をくねくね、コロコロ、ドロドロ。水かけて洗うと今度は地面が濡れて背景が気に入らず、別の場所へ移動するもまた同じことの繰り返し。どうにかおとなしくなったので、いじめすぎたのかなと口を刺激すると人差し指にガブリ。鋭い歯はないですが、アゴの力がやたら強く、思わずイテテ。

 やっぱり根気でしょうか、ピントを絞りシャッター押す瞬間にバタバタ、ライトを照らしながら(白色LED優れものですね)デジカメのモニター画面でフレームワークしているとバタバタ。「モニター撮影やからカメラの電池なくなるの早いねんぞ!」とイラつきながらも我慢我慢。結局、上下バランスを考えれば長物は「つ」の字で写せれればベストであるような気がします。

 以上、7月11日の金曜日、出張先の石巻から急ぎ帰宅の後千葉県富津埠頭にて撮影。石巻は魅力的なのですが、さすがにスーツ姿での釣りはどうも...。

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