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[9640] これって何でしょうか? 
2003/12/15 (月) 01:49:47 ひ〜ちゃん
◆画像拡大
先日、こんなのが釣れました。

友人はウミチ○ポだと言っているのですが

[9641] ユムシ科>だと思いますけど 
2003/12/15 (月) 06:11:45 小西英人HomePage
▼ ひ〜ちゃん

 ちょっと写真が小さくて、はっきりしませんけど、上の「動物」のことですよね。

 これ、釣り人が「ゆむし」とか「こーじ」とか呼んでいる、釣り餌にも使う「むし」だと思います。これが釣れましたか。珍しいですね。

 この「むし」なら、分類でいうと、ユムシ動物門のユムシ科になります。

 西村三郎編著の『日本海岸動物図鑑』(保育社・1992年)によると、ユムシ科はユムシ属の1属のみで。世界に4種が知られていて、我が国にはユムシの1種のみが棲息するとなっています。

 釣り餌では、何種かいわれますけど、同じ種なのか、ユムシ科以外のものも混じるのか、ユムシ科に数種いるのか、ぼくにはわかりません。

 この本に載っている、ユムシの学名をあげておきましょう。

■ユムシ動物門ユムシ科ユムシ属ユムシ
Urechis unicinctus (von Drasche)

 まあ、簡単に言うと、「ゆむし」と呼ばれる、けったいな「むし」です。

 この、「むし」での釣りを書いたエッセイがあるので、最後に転載しておきましょう。

                            英人

■怪投乱麻■No.86週刊釣りサンデー2003年1月26日号より
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大鰈満つ。波から引っぱりださん


福井県
ゆ虫に吼えた大荒れの波松海岸の巻


■海は唸っていた吼えていた。海岸は鳴動していた。押し寄せる白波に向かって投げるのは爽快だった。風はないけど、いまにも崩れそうな天気だった。長くは釣りをできない…、そういう予感に満ちた剣呑な天気だった。短い時に急きたてられるような釣りが、充実している。
■いきなり風がでた。厳しい北風が唐突に吹きはじめた。風を避け、うずくまって餌をつけていると真っ白な旋風に巻きこまれた。一瞬、幻想的な感覚に陥った。雪か。違う。なんだ?
■なみのはな……。波の花?
       ■
■「波の花」といってもいろいろある。ナミノハナは、トウゴロウイワシ目、ナミノハナ科の魚で荒磯の白波のなかに群れるので、この名がある。銀色の小魚である。日本人の美意識が愛らしい呼び名になった。また波しぶきや、塩の美称でもある。しかし冬の日本海で「波の花」といえば、このごろ有名になったものがある。日本気象協会北陸支店は十二月から三月まで、週間波の花情報というのをだしているほどで、開花確率を、大中小なしの四段階で予報している。この「波の花」とは能登半島などの荒磯で起こる現象で、海のプランクトンが岩にぶつかり空気とまざり石鹸のようになって泡ができ、強風で空に舞いあがることをいう。波高四メーター、風速十三メーター以上で発生する。北陸の荒波と対峙していたから一瞬、この波の花ができたのかと思ったのだった。しかし、ここは砂浜なのだ。
       ■
■福井県の波松海岸にいた。狙いはもちろん大鰈である。餌は大きな、ゆ虫である。なんのために生きているのか、どういうシステムで生きているのか、よくわからない「むし」であり、だいたい「むし」なのだといわれてもほんとうに「むし」なのと不安になる。嫁さんなど思わず、これはなに、むふふふと含み笑いをしてしまうような可哀想な格好の「むし」でもあるのだが、少なくとも大鰈は好むようだ。北陸も、すっかり冬の様相にはなっているが、海は、そうでもないのか、餌盗りが多いという。ゆ虫は餌盗りに強いのだ。ぼろぼろの皮だけになっても大鰈は食べてくる。不味いから残って、それを大鰈があさるのか、それとも大鰈は人知れずグルメなのかわからないけど、われわれには心強い「むし」である。ちょっと書いておくと、ゆ虫とはなに虫かと聞かれたら「ユムシ」という動物であるとしか答えられない。いまの動物分類ではユムシ動物門だとされている。界・門・綱・目・科・属・種という分類の門だ。ちなみにヒトは『岩波生物学辞典・第4版』によると、動物界・脊索動物門・哺乳綱・サル目・ヒト科・ヒト属・ヒトになる。この標準和名のヒト、学名でいうと、一九五〇年代くらいからはHomo sapiens sapiens となってネアンデルタール人と亜種とされている。ちなみに、アメリカのネルソンは、一九九四年に『世界の魚・第三版』のなかで真魚類の肉鰭綱の下に四足動物をいれてしまった。ヒトは魚の仲間だったんである。あたりまえのことなんだけど。えらい脱線してしまった。ゆ虫は、ヒトや魚と、えらく違う動物なんよといいたかっただけなのに。
       ■
■広大な砂浜は、ひっくり返っていた。見渡す限り、ひっくり返っていた。百メーターより沖合から波頭は崩れていた。車で見てまわるけど、それは壮観であった。しかし、よくよく見ていると、沖の水深や、地形の具合によって、波がまともではないところも見えてくる。深いところは波頭は崩れにくい。大波が這いあがりにくい浜の盛りあがったところに釣り座をかまえる。興奮しているのか、ゆ虫の一匹一匹が大鰈に見える、震える手で鉤に刺す。ぴゅっぴゅっぴゅっ。血や水がとびだして気の毒だ。ゆるせ、ゆ虫。世界平和、家内安全のため父ちゃんは大鰈を釣らねばならぬのだ。きみの地球より重い命の犠牲を、決して無駄にはしないから。
■遠投したつもりでも波頭の手前に落ちている。凄い勢いで横に流される。潮がはやいのか、荒波の影響か。見る見る流されるが、ぴたと止まるところがある。そこがポイントである。楽観的でなければ釣り人などやってられない。この広い海に小さな餌がぽつんとあって魚はどうやって餌見つけんねんやろ…なんて悲観的な奴は釣り人やめなさい。ゆ虫は大鰈の好物であって、海の中で、ぴたと止まったところが大鰈の鼻先である。地球はぼくのために回っているのである。しかし魚信はない。
■海の底からうねっているようだ。仕掛けをあげると鉤が錘の上にからまっている。これは仕掛けが海底でうねりに振り回されてからんでしまうのだ。防ぐのは底錘仕掛けにするか、頻繁にちょっとづつリールを巻き錘が手前になるようにする。ゆ虫が、ぼろぼろに噛みきられている。餌盗りはコモンフグだ。しかし、真虫や青いそめはなくなるが、ゆ虫はぼろぼろになっても、くっついていて美味しそうだ。小ましな魚信があって、大うねりの中、かなりの抵抗してあがってきたのはスズキ、いや「はね」いや「せいご」いや、小振りの「はね」である。スズキは出世魚であり、関西ではセイゴ→ハネ→スズキと大きくなる。それぞれの大きさがどれくらいであるかは、難しい問題であるとだけ書いておこうか。
■どんどん流されるので、自分の竿で「観音回り」である。右に放りこんで左の竿を巻いて、それを右に放りこんで左の竿を巻いて、また右に…という形である。次々に投げ変えながら、仕掛けもからまないように動かしてやるので、忙しいこと忙しいこと、餌を河豚に盗られはじめると小振りの「はね」や大振りの「せいご」も釣れてくる。スズキも、ゆ虫がお好みのようである。しかし大鰈はいない。おかしい。大鰈の真ん前に餌があるはずなのに。こんなに、大鰈の気が充満しているのに。
       ■
■夕方、風が吹きはじめた。砂浜を軽くて白い小さな物が凄い早さで舞いはじめた。波の花かと思ったそれは発泡スチロールであった。あの発泡の粒の一粒一粒ばらばらになって砂の表面から吹きあげられ舞いあがっているのだった。凄い量だった。よく見ると、砂浜のあちこちに防舷材や浮標の発泡スチロールが風波にさらされ、真っ白のぼろぼろになって転がっている。これは消えないし沈まない。便利だけど、難儀な物をヒトは創ってしまったもんだ。へんてこりんな波の花に追われて、ぼくの、豪快で爽快で忙しい釣りは終わってしまったのだった。

[9642] ユムシ科>ユムシで検索してみてください 
2003/12/15 (月) 07:19:34 小西英人HomePage
▼ ひ〜ちゃん

 そうそう忘れていた。「ユムシ」で、グーグル検索でもしてみてください。

 いろいろ情報がありますし、写真もあります。     英人

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