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[10125] キュウリエソ?に関する相談 
2004/2/3 (火) 00:08:10 素人
初めて投稿します。『素人』と申します。
今日は、珍しい?魚が手に入ったのでちょっとご相談させて下さい。
魚は『キュウリエソ(Maurolicus japonicus ワニトカゲギス目ヨコエソ科)』ではないかと思います。全長は57mm。目の下の発光器等の特徴から同定してみました。(同定参考文献:山と渓谷社『日本の海水魚』P106)
さて、ここからがご相談なのですが、以前小西英人氏が週刊釣りサンデー紙面で『珍しい(特に稚)魚が手に入ったら研究の為に○○に送って下さい』と呼びかけておられたのをご記憶の方もおられるかと思います。私も興味はあったのですが、何かあればまた釣りサンデー社に尋ねれば良い、程度に思って詳しく書き留めるなどせずにおりました。…その後釣りサンデー社にあのような運命が待ち受けているともつゆ知らず。
そこでこの魚の話ですが、あまり見かけない魚でもあり、研究の一助になるのであれば是非私も研究機関に送付したいと思うのですが、どこに、どのように送ればよいのかがわかりません。また、ここが一番難しいのですが、これが送付に値するような魚かどうか?という点も大いに気になるところです。決して安くないクール便の費用をかけて、たかだか5〜6cmのありふれた(=標本数が十分にある)小魚1匹を送り付けられても、研究機関の方でも困るのではないかと危惧する訳です。かと言って、一介の素人にはその価値判断は難し過ぎます。
小西氏も紙面上で『どの魚をどれだけ』送って欲しいとは言及されておられなかったように思いますが、その難しさゆえではないかと思った記憶があります。
果たしてこの魚は送付の価値があるのかないのか? あるならばどこにどのように送れば良いのか? 以上2点についてどなたかお知恵を拝借出来ませんでしょうか? どうか宜しくお願い申し上げます。
なお、この魚は入手した時点で既にやや状態が悪く、今のところ我が家の冷蔵庫の氷温室で丁重に保管してはおりますが、標本価値が下がる前にご連絡を頂けると助かります。ご配慮宜しくお願い致します。

ちなみに、写真(JPEGイメージ 59.7kb 640×480ピクセル)を添付しようと何度かトライしたのですがうまくいきませんでした。何度やっても『指定されたファイルは扱えない形式である可能性がある』と言われます。何故なんでしょう???

[10126] Re:キュウリエソ?に関する相談 
2004/2/3 (火) 00:29:54 小西英人HomePage
▼ 素人さん

 投稿ありがとうございます。

 ちょっと写真を見なければ何とも言えないのですが、とりあえず、キュウリエソ類は、ややこしいです。

 でも、1個体だけだと、ちょっと弱いのと、購入されたものなら、きっちりとした産地が分からず、そうなると標本としての価値がなくなります。

 ほしい研究者がいれば、書きこんでくれはったらいいけど、ちょっと、いらないかなと思います。

 写真アップできそうだとしてくださいね。          英人

[10128] Re2:キュウリエソ?に関する相談 
  【魚図鑑参照】
2004/2/3 (火) 12:41:25 素人
◆画像拡大
▼ 小西英人さん

お返事ありがとうございます。

今度は写真のアップが出来ました。
取り敢えず『ややこしい(=同定が難しい?)』事と『多分いらない?』事、了解しました。そうですか、標本として研究するには適当な個体数と産地などの情報も必要なのですね。
では、重ねて質問させて頂きたいのですが、珍しい個体を手に入れた場合の対処方法として

@どのくらいの個体数が望ましいのか?
A産地の他にどのような情報が必要なのか?(多分採集時期、場所ぐらいでしょうか?)
Bどのような場所に送れば良いのか?(研究機関として、確か釣りサンデーでは京都大学関係の場所を指示されていたように思うのですが…。モノによって欲しい研究機関と要らないと言う研究機関があるようにも思います。)

についてもアドバイスを頂けませんか?

最初にも書きましたが、当方磯遊びが好きなので時折変わった魚を(多くは生きたまま)手にする機会も多いのです。今までにもタナバタウオやハナハゼ、ニシキフウライウオ幼魚など、一風変わった獲物?を手に入れた事もあるのですが、多くは写真等の記録も残さずそのまま逃がしてしまっておりました。自然保護の観点からはそれでも正解でしょうが、学術研究という観点からは勿体無いようにも思います。(両者の折り合いはとても難しいですね。)
中には捕獲時のダメージがもとで死んでしまう物もおり、せめてそういった物が学術研究のお役に立つのであれば、とも思います。生きたまま水族館に送るも良し、死んだ物は標本用として研究機関に送るも良し。楽しみとしての磯遊びの中で何かそういった役立ち方が出来ればなお良いと思うのですが、如何でしょう?

特に生きたままの移送を考えた場合は、ここで皆さんにお問い合わせをしている時間的余裕は全くありません。死んだ場合でも、標本としての価値を考えると出来るだけ早く対処する必要があると思います。いざその場に立った時、あまり迷う時間を浪費しないで済むように一般的対処法をご教授頂ければ、と思います。

以上、厚かましくも重ねての依頼で申し訳ないのですが、宜しくご指導お願い致します。

[10133] キュウリエソ>のようですね 
2004/2/3 (火) 21:24:23 小西英人HomePage
▼ 素人さん

 写真ありがとうございます。

 臀鰭発光器群が連続しているので、ムネエソ科のキュウリエソのようですね。ぼく見たことがないので、研究者に問い合わせています。

 ちょっと写真荒れていますけど、もうちょっときれいな写真がアップできて、同定できるなら、図鑑に収録したいです。

 さてさて。標本のことですが、ちょっと書きましょう。

> @どのくらいの個体数が望ましいのか?

 たとえば、その種を研究するのならば、多ければ多いほどよくて、未記載種であって、記載したいのならば、最低でも50個体は欲しいところです。これくらいあれば計数形質も平均的な数値が得られるし、いうことはありません。

 ただ、その研究施設にない種であれば、1個体でも欲しいのです。

 研究者には、2種いまして、自分の研究だけにしか興味がないのが1種、この種は、研究材料以外の標本を集めません。もう1種が、マニアです。これは、せっせせっせと標本を集めて、夜中に、ひとりにっこりするのです。

 基本的には、博物館系の研究者はマニアが多いですね。

 まあ、マニアというだけでなく、あとあとの研究のために、蓄積しておこうというボランティア的な活動でもありますけど。

 たとえば京都大学は、総合博物館と舞鶴の標本館に、東洋一の規模を誇る、京都大学魚類学標本(FAKU)を持っています。ここはできるだけ集めるようにしています。また、DNA標本として筋肉をサンプリングしていますが、こういうことができるようになったのは最近のことなので、ぼくは、いろいろな魚を釣るとできるだけ送りこむようにしています。

 大阪市立自然史博物館の波戸岡清峰さんは、大阪湾の標本は、できるだけ集めるようにしていますし、それ以外の魚も、せっせと集めてはります。そうそう、彼は、「長物のはとやん」でウナギ目、なかでもウツボ科が専門です。去年の秋にも、大西洋のウツボ科を調べに、アフリカの孤島に行っていたくらいです。ながもんを釣ると彼に送ります。

 神奈川県立生命の星。地球博物館の瀬能宏博士も、せっせと標本を集めるタイプです。

 ほかにも、この分類群ならここ、これならここ…と、あるのですが、こういうのがわかるようになるには、やはり情報網がいりますよね。

 また、研究者のみなさんが、けっこう苦労してはるのが、送料なのです。着払いで受けると、なかなか公費扱いができず、かなりの持ち出しになってしまって、ばたばたしたあげく、非常に状態が悪く、データのほとんどない標本がきたりする場合が、けっこうあったりして、それで、ぼくも紹介するのに、ちょっと慎重になったりします。

> A産地の他にどのような情報が必要なのか?(多分採集時期、場所ぐらいでしょうか?)

 データはあればあるほどいいです。

> Bどのような場所に送れば良いのか?(研究機関として、確か釣りサンデーでは京都大学関係の場所を指示されていたように思うのですが…。モノによって欲しい研究機関と要らないと言う研究機関があるようにも思います。)

 これは、もう書いちゃいましたね。

 生きたままのときは、水族館ですね。

 ぼく、水族館系の研究者は、知り合いが少ないのですが、どこでも、連絡して持ちこむと喜んでくれるのではないでしょうか?

                           英人

[10135] Re:キュウリエソ>のようですね 
2004/2/4 (水) 00:41:29 素人
▼ 小西英人さん

貴重なご助言、ありがとうございます。そうですね。私もどちらかと言うと学究肌の人間なので、その辺の事情は何となく(ニヤリとしながら)理解出来てしまいます。
あとは、要は人脈ですね。私にも「長物のはとやん」と気軽に呼べるような研究者の知り合いが出来れば良いのですが、例えばイキナリ波戸岡様に『はとやん、ええのん取れたでえ〜』と何かを送ったら、不審者不審物扱いを受けてしまうと思われます。まずはお手紙でもメールでも差し上げて、コンタクトを取る事から始めてみたいと思います。

ちなみに、水族館に関しては、実はあまり良い印象を持っておりません。以前近所の川(あまり水質の良くない川)で思いがけず日本産のタナゴが多数取れた時、
『近所の川でタナゴが取れたが、数が少なくなっていると思うので研究機関に知らせてあげたいのだが?』
といって連絡したのですが、あまり良い扱いを受けなかった事があるのです。
まあ私の場合全く人脈も何もない段階で唐突に電話をかけまくった事もあるし、後にわかった事ですが、淡水魚の場合は川(水系)による個体差(遺伝子レベル)が大きく、極端な場合捕獲場所が100Mも離れていなくても川が1本違えば標本或いは飼育個体として役に立たない、といった事情もあったようです。
海水魚の場合は海流による移動・交雑範囲が広い事もありそんな厳密さもないようですが、捕獲場所等のデータが必要と言うことを考えるとやはり若干の影響があるのでしょうね。
また、生体の場合は受け入れる側にも色々と準備(場合によってはそれだけの為に水槽を1本用意するなど)が必要らしく、そんな様々な事情から一般からの生体提供は(原則として)断わっている水族館もあるようです。
でも、今度何か珍しい物があれば、これを機会にまたトライしてみようと思います。

なお、写真に関しては、『80KB以内』という制限に収まるように最初古いデジカメで撮影した画像を送ろうとしたのですがうまくいかず、結局新しいデジカメの画像を無理に縮小したものです。その為やや画質が荒れていると思いますが、画像処理についてはあまり詳しくないので、これ以上キレイな物を送れる自信がありません。画像処理ソフトも良い物を持ち合わせておりませんので、もしそちらで適当に加工して頂けるのであればメールででも元画像(627KB)を送らせて頂きます。
なお、個体の状態が良くない上に小さいので、努力はしますが鰭の鰭条数までは鮮明に写せそうにありません。その点ご理解ご容赦頂けますようお願い申し上げます。

今回のキュウリエソ?はまだ冷蔵庫にいます。研究者に問い合わせて下さっているようですので、念の為もう少し保存しておこうと思います。保存期間が長期化した場合、冷凍保存に切り替えても大丈夫でしょうか?標本価値が下がらないのであれば、冷凍してしばらく置いておきますので、必要とされる研究機関が現れれば寄贈したいと思います。引き続きその方面からのご連絡もお待ち申し上げます。

なお、送料の件、色々と大変ですね。調べてみたところ、クール宅急便を使い近畿圏内相互発着の場合でも最低950円必要です。研究経費で落とせるなら良いのですが、出来ない機関からのお申し出であれば、こちらで負担する事も考えないといけませんね。

小西様、色々とアドバイスありがとうございました。当方、熱意はあれども人脈なし、ですので、また何かアドバイスをお願いする事もあろうかと思います。その節は何卒宜しくお願い申し上げます。

[10136] Re2:キュウリエソ>のようですね 
2004/2/4 (水) 06:21:39 小西英人HomePage
▼ 素人さん

 すみません、ふつう、こちらから送りこんで標本にする場合は、冷蔵で傷めてしまうより、冷凍の方がいいです。冷凍して、ちょっと様子をみてくださいね。

                           英人

[10140] キュウリエソ>OKです 
2004/2/5 (木) 09:38:56 小西英人HomePage
▼ 素人さん

 大阪市立自然史博物館の波戸岡清隆さんに写真を見てもらいました。

 ムネエソ科、キュウリエソ Maurolicus japonicus Ishikawa です。

 キュウリエソは、たくさんあるので標本はいらないそうです。

 ありがとうございました。

 この画像でいいですから、図鑑に登録していただけたら嬉しいです。このキュウリエソのある写真の発言から、登録してくださいね。

                         英人

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