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[10586] メゴチ?? 
  【魚図鑑参照】
2004/3/12 (金) 21:52:13 びしまぐるいHomePage
◆画像拡大
どうでしょうか?

[10587] コチ科>メゴチ>OKです 
2004/3/12 (金) 22:05:30 小西英人HomePage
▼ びしまぐるいさん

 第1背鰭後半に黒斑があり、体側の小黒点が円斑ではなく、不定形になっています。尾鰭に縦帯もないようです。

 メゴチですね。                    英人

[10588] Re:コチ科>メゴチ>OKです 
2004/3/12 (金) 22:13:41 びしまぐるいHomePage
▼ 小西英人さん

やはり・・・・。
ありがとうでした。

で、「マゴチ」という標準和名があるのですか!?
私ら(千葉県房州)は昔から「コチ」と呼んでました。
「マゴチ」とは最近の釣り雑誌の呼び名がそのままになったと・・・。^^;

[10591] 標準和名>マゴチをめぐる冒険…1 
2004/3/13 (土) 09:37:43 小西英人HomePage
▼ びしまぐるいさん

 マゴチという標準和名はあります。

 コチという標準和名はあります。

 ぼくの立場としては、「マゴチ」でいいと思います。実際、【WEB魚図鑑】の標準和名では「マゴチ」を採用していますし、「コチ」を使う気はありません。

 しかし、「コチ」でなければいけないという研究者もいます。

 房州で「こち」と呼ぶのは、文化として需要ですが、標準和名としては関係ありません。

 「標準和名」というものが理解できていないと、ちょっと議論ができないので、すみませんけど、【WEB魚図鑑】の【お魚エッセイ】にも収録されている下記の話を読んでみてください。

■魚たちのお話●3 学会|標準和名
http://fishing-forum.org/zukan/hideto/sakana/sakana3.htm

                             英人

[10592] 標準和名>マゴチをめぐる冒険…2 
2004/3/13 (土) 09:39:16 小西英人HomePage
▼ びしまぐるいさん

■魚たちのお話●3 学会|標準和名

 読んでもらえました?

 それでは進めますね。

 ジョルダン・田中・スナイデルの『日本産魚類目録』 "A Catalogue of the Fishes of Japan" D.S.Jordan S.Tanaka and J.O.Snyder,1913 からマゴチの記載を見てみましょう。この本こそが、日本の標準和名の始まりだと思ってもいいのです。

 本書では、ふつう、和名はひとつなのですが、マゴチは、みっつ記載されています。

 Kochi;Magochi;Gingochi

 です。コチ、マゴチ、ギンゴチ ですね。

 ちなみに学名は Platycephalus indicus (Linnaeus) となっています。

 澁澤敬三の『日本魚名集覧』(角川書店・1958年)を見ますと、標準和名「コチ」の地方名として、10あまり紹介していますが、上記の本から引用して、ギンゴチと、マゴチを収録しています。ギンゴチは説明ありませんが、マゴチの説明として下記のようにしています。

 マゴチ(東京でイネゴチ類をコチというため、区別している)となっています。

 ちょっと、いい加減なところもあり、あまり好きな本ではないのですが、日本魚類学会が編した『日本産魚名大辞典』(三省堂・1981年)を見てみましょう。

 標準和名は「コチ」になっており、別名として「マゴチ」があげられています。この場合の別名は、標準和名に準ずる名前と思ってもいいでしょう。この出典として、高木正人の本はいいとして、富山一郎、阿部宗明、時岡隆の『原色動物大図鑑』(北隆館・1958年)をあげています。どうも、東京大学の田中は「コチ」をメインに提唱しているのですが、東京大学系の研究者の本で、「マゴチ」をメインに記載しはじめたようです。

 阿部宗明の『原色魚類検索図鑑』(北隆館・1963年)を見てみますと、標準和名の扱いは マゴチ(コチ)となっています。

 日本産全種の魚類を、写真でまとめた画期的な図鑑『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会・1984年)では、コチとなっており、ほとんどの日本の図鑑では、コチと扱われることが多いようです。

 中坊徹次が『日本産魚類検索』(東海大学出版会・1993年)をまとめたとき、いままでコチとされていたものを、図鑑でははじめて、ヨシノゴチと、マゴチの2種に分けています。この本は、日本産の全種を最新情報であつめていますので、ぼくは、簡単に言うと、これこそいまの標準和名の典拠にできるものだと考えています。だから、ここでマゴチが提唱されたのなら、ぼくは「マゴチ」が標準和名であって、コチは使わない方がいいと思っています。この辺の考え方は、ややこしいので、下記のお魚エッセイも、参考にしてみてください。

■魚たちのお話●5 書評|日本産魚類検索
http://fishing-forum.org/zukan/hideto/sakana/sakana5.htm

 ちょっと、用事があるから、つづきはまたあとでね。     英人

[10593] 標準和名>マゴチをめぐる冒険…3 
2004/3/13 (土) 10:39:24 小西英人HomePage
▼ びしまぐるいさん

 用事があるけど、ちょっと書いちゃいます。

 標準和名の「マゴチ」なんて変更は不必要であると批判している研究者は、瀬能宏博士です。

 『虫の名、貝の名、魚の名』(東海大学出版会・2002年)で、マゴチという標準和名が使用されたのは、中坊の『日本産魚類検索』が最初であるとしています。マゴチに変更した理由は明記されていないが、マゴチは瀬戸内海西部のコチの地方名であり、ヨシノゴチとの対比から変更したのではないかとも書いてはります。しかし、なぜ、コチとヨシノゴチにしなかったのか。水産重要魚種の長く安定していた名称を変更することによる影響はかなり大きいのではないかと批判されています。

 ぼくは、この件に関して、中坊さんのお話を聞いたことはありませんが、中坊さんは、研究者として学名が重要であり、標準和名は、わかるようにきれいにしておけばいいじゃないかと、あまり窮屈には考えないタイプです。

 ぼく自身は、コチというのは、コチ科全般を指す一般名称と間違えやすいし、マゴチというのが、まったく使われていないこともないし、瀬戸内だけの地方名でもないし、マゴチの方が、混乱はないと思っています。

 瀬能博士も、中坊博士も、ともに『日本産魚類検索』の著者でもあるし、ともに日本魚類学会の標準和名検討委員会の委員になってはりますから、これから、議論が続けられるだろうと思っています。

 ちなみに『日本産魚類検索』以後、マゴチの学名は、Platycephalus sp.2 とされています。これは学名ではありません。コチ属の1種という意味で、それではわかりにくいから、この本のなかで、ヨシノゴチ Platycephalus sp.1 と分ける意味で、1,2とナンバーをふっているだけです。

 これ、かなり難儀な現状で、名無しの権兵衛であって、和名でしかわけられないという状況なのです。

 この研究をしているの琉球大学の伝説の研究者、吉野哲夫さん。

 吉野先生が、なかなか論文を書いてくれないから、学名の決定ができなくて、みんな困っています。

 この辺の学名の考え方を【怪投乱麻】で書いていますので、興味のある人は読んでみてください。

【怪投乱麻】vol.103● 魚類学●バタビアの軍医が記載したのだの巻
■週刊釣りサンデー2003年10月5日号より転載http://fishing-forum.org/hideto/ranma/2003/103/103.htm

                         英人

[10594] Re:標準和名>マゴチをめぐる冒険…3 
2004/3/13 (土) 13:00:19 びしまぐるいHomePage
▼ 小西英人さん

ご丁寧にありがとうございます。
ネットでヨシノゴチの画像探してやっと見つけましたが、
あまり良い写真ではなくて違いがイマイチでした。

ところで、私は千葉県大貫沖でマゴチ釣りしてきました。
で、顔の違うのがいるのに気付いてますが、どうなんでしょう。
丸顔と三角顔なんですが、私自身は雌雄差かしらと思ってますが、
検証するに至ってません。
地元の船頭に聞くと雄は皆小さいとか言います。

[10603] コチ科>ヨシノゴチについて 
2004/3/13 (土) 20:44:42 小西英人HomePage
◆画像拡大
ヨシノゴチ■1993年11月4日、中国・廈門

▼ びしまぐるいさん

 あんまり、いい写真ではないけれど、ヨシノゴチをアップしておきます。

 これは中国の廈門で釣ったもので、あまり大きくはなかったと思います。

 ヨシノゴチとマゴチの違いを、『日本産魚類検索 第二版』(中坊徹次編・東海大学出版会・2000年)から引用しておきましょう。

■ヨシノゴチ
1)体は白っぽく背面に小茶褐色斑点が密に分布する
2)胸鰭は前半部に茶褐色小斑点があり後半部は暗色
3)眼が大きく下顎先端部は尖る

■マゴチ
1)体は黒っぽく濃茶褐色で、数本の黒褐色帯がある
2)胸鰭は茶褐色小斑点がかなり密に分布し、ほとんど一様に茶褐色に見える
3)眼が小さく下顎先端は丸い

 となっています。

 ぼくはヨシノゴチをほとんど知りません。

 そうそう、『日本産魚類検索』では、それぞれの標準和名は、ヨシノゴチ(シロゴチ)と、マゴチ(クロゴチ)のように、それぞれ二つの名称を提唱しています。

 そうそう。

 もともとついていた、Platycephalus indicus ですが、これはインド・太平洋域に広く分布するコチ属魚類で、もともとマゴチはこれと同種だと思われていたのです。

 たぶん、マゴチも、ヨシノゴチもこれとは違い、ひょっとすると未記載種になるかもしれません。

 Platycephalus indicus のフィッシュベースでのURLを入れておきましょう。

■Platycephalus indicus (Linnaeus,1758)
■Bartail flathead
http://www.fishbase.org/Summary/SpeciesSummary.cfm?ID=950&genusname=Platycephalus&speciesname=indicus

 ちょっと感じが違うでしょう?

 このフィッシュベースの写真のなかで、台湾の写真がありますが、これ、ヨシノゴチのようですね。眼が大きくて、体側の小斑点がはっきりしています。

                           英人

[10667] トカゲゴチ 
2004/3/19 (金) 17:00:49 テルテル
▼ びしまぐるいさん
>トカゲゴチですよ。私も京都でのキスのボート釣りで釣りました。

[10669] トカゲゴチ>とは違います 
2004/3/19 (金) 18:17:11 小西英人HomePage
▼ テルテルさん

 コチ科は、よく似たものが多く、写真同定は、なかなか難しいのです。

 でも、この写真個体は、体背面に小黒点があって、第1背鰭後半部に黒斑があって、虹彩皮膜が二叉状なので、メゴチです。

 トカゲコチは、体背面に斑紋はなく、第1、第2背鰭に小黒点が多数あり、虹彩皮膜は長く複雑に分枝します。

                          英人

[10676] Re:トカゲゴチ 
2004/3/19 (金) 22:44:07 野村 智之
▼ テルテルさん
> >トカゲゴチですよ。私も京都でのキスのボート釣りで釣りました。

私も小西さんと同じくメゴチだと思いますが、
テルテルさんがトカゲゴチと考えられる理由を教えていただけますか?

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