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[13093] 用語>全長と体長について 
2004/8/22 (日) 22:39:49 ぶー
『日本の海水魚』(山と渓谷社)より引用します。

【体長】
吻端から下尾骨(尾鰭を支える骨)の後端までの長さ。普通は尾鰭を左右に曲げて、
折れ曲がるところを目印にして測定する。標準体長(SL)ともいう。

【全長】
体の最前端から尾鰭の後端までの長さを表わす。尾鰭はすぼめてその後端までを
測定する。

で、Web魚図鑑では【体長】となっていますが、普通なら全長を測ると思いますが。
或いは明確な定義がないのでしょうか。
或いは意図して【全長】にしているのでしょうか。


『日本の海水魚』は最近買いました。図鑑系はあまり買わないのですが、
面白いですね。でもROMだったら買わなかったのですが。
その3日後に『新さかな図鑑』を渋谷の釣具具店で初めて見ました。
3日前だったら『新さかな図鑑』を買っていたのですが。


[13095] WEB魚図鑑の「体長」とは… 
2004/8/22 (日) 23:35:25 小西英人HomePage
▼ ぶーさん

 また、ぼくのほうで体長の測り方も書こうとは思っています。

 とりあえず、質問に答えますね。

 単に体長という場合、標準体長 standard length も指しますが、body length とう意味もあります。文字通りの体の長さですね。

 ふつう、釣り人は全長 total length をつかいますが、これ厳密に言うと、魚類学の測り方とは違います。体の最前端は同じですが、後端は、尾鰭の上下葉をひっつけて最長の長さを、ポイント ツー ポイントの「直線距離」で測ります。

 釣り人の場合は、無理矢理に尾鰭をのばさずに、ふつうにとった魚拓の長さ(この場合は、魚体の表面に沿った曲面の長さですよね)を測るか、計測板で測るときは、尾鰭の上下葉のどちらかを後ろに延ばした状態で、下の水平面に投影した直線の長さになります。

 標準体長は、釣り人ははまず使いませんね。しかし、全長も、魚類学で言う全長と、厳密に同じではないのです。

 あと、これ以外に、釣り人はまず使いませんが、資源屋さんがよく使う、叉長 folk length というのがあります。これは体の最前端から、尾鰭湾入部内縁中央までの直線距離です。カツオやクロマグロの全長など測れませんよ。また、資源屋さんは大量に計測をするので、ディバイダーで、ぽんぽん寸法を採って、ケント紙にうつしておくというようなことをやり、あとで、このケント紙に空いた穴の長さを測って書き留めれば、大量処理がしやすいと言うこともあります。

 軟骨魚綱のエイ目などでは体盤幅も使います。アカエイなどのように長い尾になると、切れていたりしますし、胸鰭の先端から先端、体の幅のいちばん広いところを測ります。

 ははは。

 ややこしく書きましたね。

 まあ、釣り人は全長を使うことが多いけど、厳密にいえば全長ではないということなんです。

 それで、図鑑のフォーマットをつくったとき、「全長」にしようか「体長」にしようか、さんざん悩みました。

 たぶん「全長」にした方が素直だったかもしれませんが、ここは釣り人ばかりでもないので、厳密な意味での全長とは違うなあと、厭だったのです。

 それで、標準体長(SL)ではない、体長(BL)と考えて体長としたのです。

 いままでに、実際に、標準体長とか、叉長での報告はありません。

 しかし、アカエイなどでは、体盤幅での報告はあります。みなさん、きちんと体盤幅と、入れておいてくれています。

 体盤幅であっても、叉長であっても、標準体長であっても、項目名が「体長」ならば問題はなく、間違えでもなく、あとあとの運用でやっていけると思った…、それだけの話です。

 ほんというと、いけないのですが、アバウトに処理できるように、この【WEB魚図鑑】では体長としたのだと思って下さい。

 どちらにしても、きちんとした測り方を、釣り人はできませんから、なんとなくの全長のようなものを書いていただけたらいいと思っています。

 厳密な人がいたら、FLで書いていただいても、SLで書いていただいてもいいのです。

 魚体各部の計測方法というのは、ほんとうに難しい問題であって、たとえば軟骨魚類などは、まだまだ決まりがなく、この計測法だけでも論文になるし、きちんとした計測の論文を、誰かが書かないかと、みんな思っているほどです。

 また硬骨魚類でも、測り方が、厳密に言えば、ばらばらであって、きちんとした論文には、各部の計測の仕方が書いておくか、または、その分類群をまとめた人の計測法を引用して、それに合わせたと明記するくらいでなければならないのです。

 まあ、これは関係ないか。余談です。            英人

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