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[13148] シイラ 
2004/8/25 (水) 01:09:20 NATURAL10 shimadaHomePage
シイラの生態など、詳しい情報ください

[13151] Re:シイラ 
2004/8/25 (水) 04:45:45 小西英人HomePage
▼ NATURAL10 shimadaさん

 生態といっても、ちょっと漠然としていて、すべて調べて書くとなると大変です。

 なにが知りたいのでしょうか?

 また、シイラなどは、比較的よく研究されている方ですが、ご存じのように太洋をかけまわる魚ですから、そうそう生態観察ができるものでもないし、そういう意味では、情報は、そう多くあるわけではありません。

 いちおう【WEB魚図鑑】でのシイラのURLをいれておきます。

■シイラ【WEB魚図鑑】より
http://fishing-forum.org/cgi-bin/zukan/zkanmei.cgi?sel_no=000&mas=000263

                          英人


[13152] シイラ>ちょっとまとめてみました 
2004/8/25 (水) 09:40:25 小西英人HomePage
▼ NATURAL10 shimadaさん

 シイラのことをまとめてみました。『新版魚類学(下)』(落合明・田中克著・1986年・恒星社厚生閣)や、『魚との知恵比べ』(川村軍蔵著・2000年・成山堂書店)を参考にしました。

 こういう魚の生態や知見は、研究者たちが長い間努力して積みあげてきた研究が、もとになっています。そうそう観察できるものではありませんからね。そういう意味でも、ぼくたち釣り人は、ぼくらのもっている情報を、できるだけ公開して、きちんと積みあげたいと思います。いろいろな情報を使わせてもらう、恩返しですね。

                        英人


■島根県沿岸のシイラでみると、雌は標準体長55cmくらいから、卵巣が急激に発達して、60cm以上で産卵が可能になるようだ。フロリダのシイラでみると雌は叉長35cmで成熟しはじめ45cmで50%、55cmですべてが成熟し、雄では42.7cmから成熟する。抱卵数は標準体長60〜93cmで20〜222万粒であり、1尾の産卵数は1回に8〜100万粒、一年間に、その2,3倍といわれている。
■産卵場は熱帯から温帯まで広く、産卵期は日本近海では春から夏、熱帯では、もっと長くなる。水槽観察では、夕方に、雄が雌を追尾し、雌が雄を誘導するように、ペアまたは3〜5尾の集団で産卵する。産卵は20〜30秒で終わり、5〜40分後にまた産卵することもある。
■受精卵の直径は1.40〜1.65mm、無色透明で、水温21度〜29.6度の水域に出現する。59時間後には、ほとんどが孵化、孵化直後は全長で4.5mmである。
■43mmまでの仔稚魚は、海面や、流れ藻の下にいる。黒潮主流では2月から出現して5月に急増し、12月には消えてしまう。東シナ海では1月から現れはじめて、6月までは九州南方海域、7月には九州西方から山陰沖、9月には能登半島にまで達して、10月には激減する。
■日本近海のシイラは5月に標準体長10cmほど、6月に20cm、体長組成による推定では、満1歳で38cm、2歳で68cm、3歳で90cm、4歳で1.08m、5歳で1.22mになる。最大の記録は、全長で210cm、重量では40kgだ。
■全長3〜4cmまではカイアシ類などの動物プランクトンを食べ、5〜6cmで遊泳力をつけて他の魚の仔魚を食べ、10cmになると流れ藻につくカワハギ類、カタクチイワシなどの稚魚を食べて、15〜20cmになると流れ藻を離れる。成魚になると、ほとんど魚類を食べている。多いのは、カタクチイワシ、トビウオ類、ヒメジ類、マイワシ、イカ類、カワハギ類、マアジの順になる。餌になる魚のうち底生魚は、表層生活をする稚魚を食べている。シイラを食べていることもある。
■成魚は水深20m以浅を遊泳し、群れの大きさは、80cm以上で1〜3尾、60〜70cmで、4〜10尾、小型で数十から数百尾になる。流木や流れ藻について、春から夏は北上し、秋には南下する。北上より南下の方がスピードが速い。
■シイラは流木などに集まる習性があり、8mくらいの孟宗竹をたばねて沖合に浮かせる漬木漁法も盛んだ。とくに日本ではシイラを狙うことが多く、この漬木漁法を「シイラ漬け」と呼ぶことが多い。近年では、多くの魚種を狙う浮魚礁、パヤオに変わってはきている。なぜ魚がパヤオに集まるか、1)摂餌のため。2)陰を好む。3)音に誘われる。など諸説があるが、よく分かっていない。シイラに限っていえば、シイラ漬けからでる水中騒音が海中音より高いせいではないかという研究もある。
■ひとつの浮標物についたシイラの最高漁獲を調べた調査では、漬木で1100尾、流れ藻で1670尾、流木で542尾、牛の漂流死体で700尾だったという。
■力もあり、スピードもあるシイラ。海洋を、流れ藻を探してゆったりクルージングする。流れ藻を見つけると、大型シイラの連続ヒットになり、深い深い群青色の海をバックに黄金色に輝いて暴れる美しい魚、ほんとうに釣り人を興奮させてくれる…。
■しかし、欲望にまかせて何十尾も釣りまくり、船に、後の始末は頼むと帰ってしまう「ゲーム・フィッシャー」もいるし、あれほど暴れる魚を、リリースしたら大丈夫なんだと強弁する「ゲーム・フィッシャー」もいる。
■釣り人みんなで、これから、どう、つきあったらいいのか、ゆっくり考えていきたい魚種のひとつでもある。

[13185] Re:シイラ 
2004/8/26 (木) 21:51:00 shimadaHomePage
小西先生、丁寧に詳しい情報ありがとうございます。
自分のHPで、小西先生の情報を公開してもよろしいでしょうか??

P.S NATURAL10の掲示板にマナー違反との指摘を下さった方 申し訳ございませんでした。

[13190] Re2:シイラ 
2004/8/26 (木) 23:13:49 小西英人HomePage
▼ shimadaさん

 先生なんて、やめてね!

 ぼく、ただの釣り好き、魚好きがこうじて、わいわい、みなさんとやっているだけです。

 どうぞ、使ってください。                英人

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