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新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

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[14790] 何イカでしょうか? 
2004/11/25 (木) 23:50:34 DCHomePage
◆画像拡大
小西さん、こんばんわ。
知人が道南海域の船釣りでこんなイカを釣ったのですがオイラに何イカは調べて欲しいと言われたので同定をお願いします。以前は頭足類の同定は難しいと言われたので、もしこの写真からで解ったらで結構です。
北海道ではスルメイカとヤリイカ以外のイカは滅多に捕れないらしく、オイラも釣った人も始めて見ました。イカ漁で稀にアオリイカは捕れるそうですが。
大きさは13センチ程度だったと言うことです。
よろしくお願いします。

[14792] 道南>コウイカ類>わかりません 
2004/11/26 (金) 06:39:16 小西英人HomePage
▼ DCさん

 ごめんなさいね。

 ほんと、頭足類は分かりません。とくに幼齢個体は難しいです。

                          英人


[14798] Re:道南>コウイカ類>わかりません 
2004/11/27 (土) 00:45:42 DC
▼ 小西英人さん

やっぱり難しいようですね。
どなたかご存知の方が居られたら教えて頂ければ嬉しいです。
お手数掛けました。どうもありがとうございます。
DC

[14799] Re2:道南>コウイカ類>わかりません 
2004/11/27 (土) 01:25:28 すかるぼ
▼ DCさん 英人さん

手許のガイドブックにこんなんめっけたんですが・・・・

エゾハリイカ(Sepia andreana):胴長12cmほどで、頭部に比べ胴部がやや細長く
                 眼の上部およびヒレの付け根に断続的な金色の帯を
                 持つ(抜粋)

写真では眼の上部はよくわかりませんでしたが、ヒレ(えんぺら)の付け根に4箇所ほど
はっきりとした金色の部分がありますね。日本沿岸ではもっとも北まで分布するようです
(北海道南部以南)。

[14800] 道南>コウイカ類>エゾハリイカの可能性… 
2004/11/27 (土) 07:18:39 小西英人HomePage
▼ すかるぼさん

 情報ありがとうございます。

 『イカ・タコガイドブック』(土屋光太郎著・阪急コミュニケーションズ・2400円)ですね。この本は、一般的なイカ・タコ類の図鑑としては分かりやすく、いい本ですが、ちょっと写真同定には向きません。

 いま、きちんとした図鑑といえば『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著・東海大学出版会・38000円)があります。これは貝から、ウミウシから、イカ・タコまであります。そう、イカ・タコは泳ぎまくり暴れまくり空まで飛ぶ貝なのです。ちょっと、この図鑑は持てませんよね。

 WEBには『WEB版原色世界イカ類図鑑』というのがオープンにされています。これも、奥谷喬司博士が書かれていて、本格的なものです。

 このWEB図鑑から、エゾハリイカの入っているページを引用しましょう。

http://www.zen-ika.com/zukan/01-10/p03.html

  このエゾハリイカ、『日本近海産貝類図鑑』によりますと、頭部から第1〜第3腕に橙色の帯が縦に走るそうです。

 『イカ・タコガイドブック』に、その記述はありませんが、上の写真に、その橙色縦線が、はっきりと見えています。また、下の写真には鰭の付け根の断続的な金色線が写っていますね。

 どうも、DCさんの写真個体では、そういう特徴がでていないように思われます。ぼくは、ヒメコウイカか、他のコウイカ類の幼齢個体かなと…。はっきりいって分からなかったのです。

 見たことのない種を見分けるのは、よほど特徴的な形質が写っていない限り、難しいと思います。

 すかるぼさんの、おっしゃるようにエゾハリイカの可能性もかなりあるとは思いますけど分かりません。

                               英人

[14828] Re:道南>コウイカ類>エゾハリイカの可能性… 
2004/11/28 (日) 00:23:09 DCHomePage
▼ 小西英人さん
> ▼ すかるぼさん

いろいろとどうもありがとうございます。
釣った人は船の上で皮をむいてそのまま食べてしまったそうです(笑)
カレイ釣り仕掛けで数匹釣れたとの事ですので結構な数がいたと思われます。
次回釣れた時にいろいろな角度で写してもらいますので、その時にでもまた写真を投稿させていただきます。
どうもありがとうございました。
DC

[14835] Re2:道南>コウイカ類>エゾハリイカの可能性… 
2004/11/28 (日) 06:39:55 小西英人HomePage
▼ DCさん

 ぼく頭足類は、写真が多かったとしても、同定できないかもしれませんね。

 ごめんね。

 だれか、頭足類をやってはる研究者が参加してくれたら嬉しいのですが…。

                            英人

[14976] Re3:道南>コウイカ類>エゾハリイカの可能性… 
2004/12/2 (木) 23:50:28 ぷいぷいユッケHomePage
▼ 小西英人さん
▼ DCさん
▼ すかるぼさん


軟体動物の写真を直接、土屋先生に伺って来ました。

北の方で獲れるイカ類は多くないこと、
第2腕が赤くなっており、エゾハリイカの雄で
おそらく間違いないでしょう。

とのことでした。

[14978] Re4:道南>コウイカ類>エゾハリイカの可能性… 
2004/12/3 (金) 00:19:13 DCHomePage
▼ ぷいぷいユッケさん

エゾハリイカって言うんですね。釣った本人にも伝えておきます。
わざわざ調べて頂いてどうもありがとうございました。
DC。

[14981] Re4:道南>コウイカ類>エゾハリイカの可能性… 
2004/12/3 (金) 06:42:52 小西英人HomePage
▼ ぷいぷいユッケさん

 ありがとうございます。

 土屋博士も、ほんとうにありがとうございます。

                           英人

[14984] 書評>『イカ・タコガイドブック』>語る前に読め! 
2004/12/3 (金) 09:55:51 小西英人HomePage
◆画像拡大
『イカ・タコ ガイドブック』土屋光太郎著 山本典暎・阿部秀樹 写真 2002年 定価2520円 阪急コミュニケーションズ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484024039/qid%3D1102031968/250-2452904-0917046

 釣り人は、イカとタコが好きです。いや、好きではないのか。愛しています。それも偏愛しているのです。

 その昔、正統派などを気取る釣り師などは、あんな尾っぽのないもの、魚やない、釣ったらあかん…などと抜かしていました。

 けど、美味しいのよね。

 冷凍保存しても、味は、そう変わらないし…。

 なによりも、釣って面白い。あの、微妙な魚信、どうしようもなく面白い。イカも、タコも、それで気がついたらはまってしまって、日本全国、どこに行っても、イカ師とタコ師にあふれていて、大変なんです。

 そら、おもろいよ。けどね、ややこしいのよ。頭足類はね。

 イカ・タコ類は、頭(目のある所ね)に足が生えているから、まとめて頭足類なんていいます。ぶっちゃけていえば貝殻をなくすか、ちっちゃく取り込んで、筋肉のお化けになったのが頭足類なんです。

 これ、全国的に釣り師が偏愛し始めたのは、近年なのかもしれませんが、大昔から、日本人は好みます。

 ただしローカル色が強く、地のおいやんの偏愛だったもので、地方名が多くて、ほとんど話が通じないのです。

 真烏賊、白烏賊、赤烏賊なんて、何を指すのか、まったく分かりません。その地方でいちばん多い烏賊が真烏賊で、烏賊を釣ったとき、赤くなったり白くなったり、ネオンサインのように、ころころ変わりますから、赤くなったときに赤烏賊、白くなったときに白烏賊で、それぞれの地方で、その名前に固執して譲りませんから、釣り師が烏賊談義を始めると、落語のような行き違いが、あちこちで始まります。

 それなのに、好きだから、いや偏愛しているから、「魚類図鑑」に、イカとタコがないのは、おかしいのではないか! ルール違反ではないか! と、編集者のぼくは、やいのやいのと責められるのです。

 『新さかな大図鑑』には、頭足類を、ちょこっと収録しています。ただし索引からは外しました。

 【WEB魚図鑑】をはじめるときに、なにせ、それぞれの地方の釣り師が、それそれの呼び名で、うちこそ真烏賊と叫ぶから、とにかく写真と標本を合わせて見ていくしかないという作業を『新さかな大図鑑』でやって懲りていましたから、「頭足類はやらないぜ!」と、早くに、何度も公言していたのに…。押し切られてしまった経緯があります。

 そうです!

 みなさん。【WEB魚図鑑】では、頭足類は扱いません!

 仕方がないから、一般的なものだけ、押し切られて、紹介しているのです。

 なぜ、それほど、厭がるのか…。

 本書を読んでいただければわかります。マダコと、イイダコと、スルメイカと、ケンサキイカと、アオリイカと、コウイカくらいしか、日本にはいないと思っていませんか?

 本書によると、奥谷喬司博士という御大がいてはるのですが、その奥谷博士が1987年に日本産タコ類を38種として、確実に査定できるのは、その内の半分だと書いているそうです。それから、いままでで、ほぼ査定できるように研究は進んできているそうですが、まだまだ、未記載種、不明種が、次々に見つかってきているといいます。

 とにかく、筋肉の塊であるタコ類など、フォルマリンで固定するしか標本にしようもなく、古い標本はなくて、フォルマリンで固定した標本では、なかなか、決め手になる形質がつかめないということになります。

 イイダコにしろ、マダコにしろ、斑紋とか色とか、派手なものがありますが、あれが消えると、けっこう困ったちゃんだし、あれが、ころころ変わってしまうのも、困ったちゃんです。

 マダコでさえ、まだ、世界的に、きちんと整理ができておらず、本書でも、土屋博士は近い将来、日本のマダコは固有種として学名の変わる可能性があると書かれています。

 イカ類にしても、タコ類より、甲など、ちょっとだけ硬い組織があり、標本にして、ましだけれども、どちらにしても、釣り人は、見た目だけで、ああでもない、こうでもない、いや、ああであってこうではない、いや、それは違う。これこそ真だ。いいや違う…などと議論を始めるので、ほんと、ぼくは、困ってしまって、わんわん、わ、わあんということになるのです。

 この『イカ・タコハンドブック』は、

 土屋 光太郎博士
 1962年、東京都生まれ。1993年、東京水産大学水産学研究科博士後期課程修了、現在は東京水産大学資源育成学科助教授、博士(水産学)。専門は頭足類の系統分類、生態、生物地理

 という、イカ・タコのオーソリティである著者が、ダイバー向けに、見た目だけでの無理な見分けに、できるだけチャレンジしてくれてはる図鑑なのです。

 そのうえに、やさしく、分かりやすい言葉で、イカとタコの、いろいろ不思議な話をコラムとしてまとめてくれています。

 いやしくも、イカとタコを偏愛し、語ると、一晩中語ってしまうような釣り師なら、「真だ!」「赤だ!」「白だ!」と絶叫せずに、これほどまとめられた一般向けの教科書があるのだから、読んで欲しい!!!

 そして、基礎知識を持ってから、イカとタコを語っていただけるのであれば、ぼくも、まあ、【WEB魚図鑑】とともに【WEBイカ・タコ図鑑】を真剣に考えてみてもいいなあと思っちゃったりするのです…。

 でも、まあ、ぼくでは、どちらにしても無理ですがね。

 とにかく、語る前に読め!

 そういう、イカ・タコの一般向け基礎テキストなのです。本書は。

 いや、読むのが厭ならば。

 語る前に見ろ!

 でもいいですよ。きれいな写真がいっぱいあって、ほんとうに飽きない水中世界が広がっています。本書には。釣り師でなくても、イカ・タコ偏愛者が多いのに、納得させてくれるものになっています。

                        英人

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