さかなBBSトップ
魚のことならおまかせ。WEBさかな図鑑
釣具の通販・Gear-Lab
HOME 似たもの検索  携帯版  | Gear-Lab

新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

WEB魚図鑑では、2013/7/25より新しいコミュニティをオープンしました。 「このお魚何?」というQ&A専用のページもあります。是非新しいコミュニティを使ってみてください。新コミュへの投稿はズカンドットコムへのアカウント登録が必要です。2013年1月以前にWEB魚図鑑へ投稿したことのある方はアカウントの引き継ぎを行うことができます。


[▲前のスレッド]

[16189] 銀化ヤマメ 
2005/2/6 (日) 14:42:26 MKTHomePage
◆画像拡大
Web図鑑に銀化した写真が無いようでしたので投稿します。


 2004.4.24
 山形県上山市の渓流で3gスプーンで釣りました。
 全長15cm


ところで、銀化個体は全てサクラ候補なんでしょうか?
銀化個体でも川を下れずに留まるものもいるんでしょうか?


[16190] 上山市>サケ科>ヤマメ>疑似銀毛だと思います 
2005/2/6 (日) 16:07:30 小西英人HomePage
▼ MKTさん

> Web図鑑に銀化した写真が無いようでしたので投稿します。

 ありがとうございます。銀化と書く場合も多いですが、銀毛(ぎんけ)の方がいいと思います。

 スモルト(smolt)が、銀毛(ぎんけ)

 スモルト化(smoltification)が、銀毛化(ぎんけか)

 ですね。いま、魚名に関する用語をまとめていますので、それが終わったら、この辺も用語集でやっつけちゃいましょう。

> ところで、銀化個体は全てサクラ候補なんでしょうか?
> 銀化個体でも川を下れずに留まるものもいるんでしょうか?


 残念ながら、この写真個体は、いわゆる銀毛ではなくて、疑似銀毛(pseudo smolt) だと思います。

 シュードスモルト、疑似銀毛とは、広い川で、餌も豊富な場合、縄張りの必要が無くなってパーマークが薄れ、銀白色になります。これ、養殖のサケ科も、こうなります。

 広い川で釣ったのですか? ぼくは養殖放流個体だろうなと思います。

 まあ、どちらにしても、銀毛化したら必ず海に降るというものでもないようです。

                            英人


[16191] Re:疑似銀毛だと思います 
2005/2/6 (日) 18:00:29 MKTHomePage
▼ 小西英人さん

わかりました。銀毛でいきます。MKTのサイトもなおさなくちゃ。
擬似銀毛、シュードスモルト。おぉ〜、また新鮮な用語です!覚えておきます。


>広い川で釣ったのですか? ぼくは養殖放流個体だろうなと思います。

  川幅3メートル程度の小規模な渓流です。漁協の管轄から外れた
 地域ですけど、近くの村で放流することがあるみたいです。高い堰堤
 が数箇所あり、とてもサクラが遡上できるような場所ではありません。
 魚影は割りと濃く、1ポイントに2〜5匹はストックされている感じです。
 たしかにネイティブの精悍な顔じゃないですね。

[16215] 用語集>銀毛関係&それ以外のもの… 
2005/2/7 (月) 20:41:52 小西英人HomePage
▼ MKTさん

 銀毛と、それに派生する用語を登録しておきました。まだ、チェックしなければいけないし、写真はいれていませんけど…。

■保護色
■逆影
■分断色
■背地効果
■隠蔽色
■パーマーク
■銀化
■疑似銀毛
■銀毛
■海洋回遊
■河川回遊
■通し回遊
■回遊魚
■遡河回遊
■降河回遊
■両側回遊
■降海型
■降湖型
■河川残留型
■河川型
■湖沼型
■陸封型
■回遊

 ご覧のように関連をいれると23語になりました。これで、サケ科魚類の通し回遊に関する用語はでたと思います。

▼ みなさん

■用語集【WEB魚図鑑】より
http://checkf.nifty.com/ffish/zukan/list/yogo_list.htm

 間違いがあったら、教えてください。写真は、また、いれます。

 上の【銀毛】以外に、ぼく、用語集で遊んでいて、ここしばらくで、これくらいいれています。

■耳石
■体高
■頭部
■躯幹部
■体幹部
■尾部
■尾柄部
■肛門
■総排出腔
■生殖突起
■腋部
■体長
■全長
■標準体長
■尾叉長
■体盤幅
■短躯症
■側湾症
■背曲がり
■骨曲がり
■側面逆位
■ヒラメ型
■カレイ型
■異体類
■有眼側
■無眼側
■白化個体
■黄化個体
■白化現象
■黄化現象
■体色異常
■両側有色現象
■コモンネーム
■狆頭
■パグヘッドネス
■奇形
■同定
■自然分類
■人為分類
■アルファ分類学
■ベータ分類学
■ガンマ分類学
■記載
■未記載種
■新種
■原記載
■記載種
■sp.
■spp.
■ローマン体
■イタリック体
■et
■et al.
■地方名
■和名
■同物異名
■異名
■異物同名
■同名
■学名
■タクソン
■公表
■標準和名

 異体類関係と、体色異常、奇形関係と、成長表関係ですね。

 最後は、魚名関係です。これ、難しくて、しんどかった。

 あと、魚名でいえば、【タイプ】【国際動物命名規約】など、周辺を書いていく予定です。

 よろしく!                    英人

[16217] また、ちょっと疑問が・・・ 
2005/2/8 (火) 20:30:50 MKTHomePage
▼ 小西英人さん

なかなか難しい言葉が多いですね。

■逆影
■分断色
■背地効果
■隠蔽色
■遡河回遊
■降河回遊
■両側回遊

これ知りませんでした。ちゃんと覚えたいと思います。


ところで、学名によくある「japonicus」って、どういう意味なんでしょうか。
日本固有とか、何か日本にちなんだ意味のような気はしますが。
ネットで探しているんですけど、それらしい解説が見つけられません。
知っていましたら、お教え願います。



[16218] 学名>japonicus のことなど… 
2005/2/8 (火) 21:35:31 小西英人HomePage
▼ MKTさん

 japonicus というのは、日本の〜 という意味のラテン語の形容詞になります。

 読むときは、ジャヤポニクスと英語読みする人もいますが、学名は、ふつうラテン語読みします。ラテン語読みとは、難しいことをいわなければ、ローマ字で読むと、ほぼいけます。

 ヤポニクス ですね。

 ははは、はや、ローマ字読みの例外ですね。ja はヤと読む方がいいようです。

 ラテン語化した文字で学名をつくった場合、学名には、ラテン語の文法が適用されます。

 ラテン語やギリシャ語の名詞には、性(gender)があり、男性名詞、女性名詞、中性名詞のいずれかになります。

 学名の属名は名詞になり、種小名が、それを形容する場合、名詞の性によって、語尾が変化します

 japonicus は男性形です。女性形は japonica(ヤポニカ)、中性形ではjaponicum(ヤポニクム)となります。

 この「日本の〜」という形容詞のつく種小名を持つ学名は多いですよ。ぼくの、日本産学名データベースで見てみましたら、日本産魚の、現在の有効名で、種小名に、ヤポニクスや、ニッポン系の言葉が使われているのは、100種ほどありました。

 その設立時の命名規約(何度かかえられています。現在のは2000年1月1日から発効した第4版です)の規定や、属名の語法により、語尾はいろいろ変化します。たとえば、いまの命名規約では、著者が、日本語として考えてラテン語表記しただけならば、ラテン語の文法にはしばられなくなり、語尾変化もしません。これに対して、そんないい加減なことはいけないと強烈に批判している研究者もいますが…。

 とにかく、この学名におけるラテン語文法って、かなり、ややこしく、ぼく、あまり聞かれても分からないので堪忍。

 この辺の所は、用語集で、どう処理しようか、まだ悩んでいます。

 最後に「日本の〜」を種小名にもつ、日本産魚類の有効名を、並べておきます。

                      英人

ブダイ科 シジュウカラ Chlorurus japanensis
ドチザメ科 エイラクブカ Hemitriakis japanica
トビエイ科 イトマキエイ Mobula japanica
カスザメ科 カスザメ Squatina japonica
シビレエイ科 シビレエイ Narke japonica
ツバクロエイ科 ツバクロエイ Gymnura japonica
ウナギ科 ウナギ Anguilla japonica
アナゴ科 シンジュアナゴ Gorgasia japonica
ニシン科 ドロクイ Nematalosa japonica
ハダカエソ科 ハダカエソ Lestrolepis japonica
ギンメダイ科 ギンメダイ Polymixia japonica
ソコダラ科 ニホンソコダラ Pseudonezumia japonica
ソコダラ科 カガミヒゲ Ventrifossa japonica
マツカサウオ科 マツカサウオ Monocentris japonica
ホウボウ科 トゲカナガシラ Lepidotrigla japonica
アカゴチ科 アカゴチ Bembras japonica
コチ科 トカゲゴチ Inegocia japonica
シマガツオ科 シマガツオ Brama japonica
タイ科 チダイ Evynnis japonica
キス科 シロギス Sillago japonica
ハタンポ科 ツマグロハタンポ Pempheris japonica
イボダイ科 メダイ Hyperoglyphe japonica
ゲンゲ科 ニラミゲンゲ Derjuginia japonica
ハゼ科 ミナミイソハゼ Eviota japonica
ハゼ科 ダテハゼ Amblyeleotris japonica
カマス科 ヤマトカマス Sphyraena japonica
ササウシノシタ科 ササウシノシタ Heteromycteris japonica
ササウシノシタ科 セトウシノシタ Pseudaesopia japonica
ウシノシタ科 クロウシノシタ Paraplagusia japonica
コウイカ科 シリヤケイカ Sepiella japonica
ヤツメウナギ科 カワヤツメ Lethenteron japonicum
クラカケザメ科 クラカケザメ Cirrhoscyllium japonicum
アシロ科 シロチョウマン Glyptophidium japonicum
フサイタチウオ科 ボライタチウオ Diplacanthopoma japonicum
ソコマトウダイ科 ソコマトウダイ Zenion japonicum
ホタルジャコ科 ホタルジャコ Acropoma japonicum
ハタ科 トゲハナスズキ Liopropoma japonicum
ネコザメ科 ネコザメ Heterodontus japonicus
オオセ科 オオセ Orectolobus japonicus
トラザメ科 ニホンヘラザメ Apristurus japonicus
オロシザメ科 オロシザメ Oxynotus japonicus
ツノザメ科 トガリツノザメ Squalus japonicus
ノコギリザメ科 ノコギリザメ Pristiophorus japonicus
ウミヘビ科 ニホンミミズアナゴ Muraenichthys japonicus
フサアナゴ科 バケフサアナゴ Coloconger japonicus
アナゴ科 クロアナゴ Conger japonicus
カタクチイワシ科 カタクチイワシ Engraulis japonicus
コイ科 デメモロコ Squalidus japonicus japonicus
キュウリウオ科 チカ Hypomesus japonicus
ムネエソ科 キュウリエソ Maurolicus japonicus
シャチブリ科 シャチブリ Ateleopus japonicus
ヒメ科 ヒメ Aulopus japonicus
ナガアオメエソ科 モンアオメエソ Paraulopus japonicus
ハダカイワシ科 オオクチイワシ Notoscopelus japonicus
チゴダラ科 チゴダラ Physiculus japonicus
サイウオ科 サイウオ Bregmaceros japonicus
ソコダラ科 トウジン Caelorinchus japonicus
アカグツ科 ソコグツ Dibranchus japonicus
イットウダイ科 エビスダイ Ostichthys japonicus
ヒウチダイ科 ヒウチダイ Hoplostethus japonicus
クダヤガラ科 クダヤガラ Aulichthys japonicus
ヨウジウオ科 ノコギリヨウジ Doryrhamphus (Doryrhamphus) japonicus
オニオコゼ科 オニオコゼ Inimicus japonicus
キホウボウ科 イトキホウボウ Heminodus japonicus
カジカ科 フタスジカジカ Icelinus japonicus
トクビレ科 イヌゴチ Percis japonicus
アカメ科 アカメ Lates japonicus
スズキ科 スズキ Lateolabrax japonicus
ホタルジャコ科 スミクイウオ Synagrops japonicus
ハタ科 カスミサクラダイ Plectranthias japonicus
シキシマハナダイ科 シキシマハナダイ Callanthias japonicus
キントキダイ科 チカメキントキ Cookeolus japonicus
テンジクダイ科 クダリボウズギス Gymnapogon japonicus
アマダイ科 アカアマダイ Branchiostegus japonicus
アジ科 マアジ Trachurus japonicus
クロサギ科 ダイミョウサギ Gerres japonicus
ニベ科 オオニベ Argyrosomus japonicus
ヒメジ科 ヒメジ Upeneus japonicus
カワビシャ科 ツボダイ Pentaceros japonicus
ブダイ科 ブダイ Calotomus japonicus
ゲンゲ科 アシナガゲンゲ Lycodes japonicus
タウエガジ科 フサギンポ Chirolophis japonicus
ハタハタ科 ハタハタ Arctoscopus japonicus
ミシマオコゼ科 ミシマオコゼ Uranoscopus japonicus
ネズッポ科 ヨメゴチ Calliurichthys japonicus
ハゼ科 ボウズハゼ Sicyopterus japonicus
ニザダイ科 ナミダクロハギ Acanthurus japonicus
タチウオ科 タチウオ Trichiurus japonicus
サバ科 マサバ Scomber japonicus
ダルマガレイ科 ニホンダルマガレイ Arnoglossus japonicus
ベロガレイ科 ツキノワガレイ Samariscus japonicus
ベニカワムキ科 ウケグチカワムキ Atrophacanthus japonicus
カワハギ科 ヨソギ Paramonacanthus japonicus

キントキダイ科 クルマダイ Pristigenys niphonia
サバ科 サワラ Scomberomorus niphonius
チョウチョウウオ科 シラコダイ Chaetodon nippon
トラザメ科 ニホンヤモリザメ Galeus nipponensis
キュウリウオ科 ワカサギ Hypomesus nipponensis
ソコダラ科 ニホンマンジュウダラ Malacocephalus nipponensis
ソコダラ科 ツカイダラ Bathygadus nipponicus

[16220] Re:学名>japonicus のことなど… 
2005/2/8 (火) 22:27:21 MKTHomePage
▼ 小西英人さん

ありがとうございます!
学名も丁寧に書き出してくれて感謝いたします。

つまり、書き出していただいた種たちは、何か日本にちなんだ事があって
「日本の」という言葉がつけられたということなんでしょうね。
いやぁ・・・ラテン語だったんですか。むずかしいですね。

ふと思ったんですが、学名って人の名前に似てますね。
意味、思いを含む漢字・仮名をくっつけて「名前」とすることろが。


[16221] Re2:学名>japonicus のことなど… 
2005/2/8 (火) 22:55:52 小西英人HomePage
▼ MKTさん

 japonicus というのは、たいていは、日本で採られた標本につけられた名前だと思いますよ。日本にいないのに、つけることは、禁じられてはいないでしょうか、ふさわしくないですものね。

 ぼく、あまり好きではありませんが、学名って、よく氏名にたとえられます。

 リンネが発明した、二名法ですが、この属名と、種小名の二名をあわせて表現するのが、属名が、名字、種小名が、名前と考えると、簡単なのです。

 シロギス なら Sillago japonica Temminck and Schlegel,1842

 となりますが、このSillago キス属を、キス家と考え、キス家のヤポニクスちゃんになります。これ、テミンクとシュレーゲルですから、ファウナ・ヤポニカです。シーボルトコレクションですね。

 アオギス なら Sillago parvisquamis Gill,1861

 同じキス家のパルビクスアミスちゃんになります。同じ家の兄弟なんだと分かります。

 オーストラリアにすむ、スポッテッドシラゴ、キングジョージホワイティングとも呼ばれ、世界最大のキス科魚類ですが、これの学名は

 Sillaginodes punctata (Cuvier,1829)

 となります。キス家ではなくて、シラギノデス家になっています。同じキス科ですが、兄弟ではない、親戚のお兄ちゃんになるのです。

 これが属であり、これが二名法なのです。簡単にいっちゃうと。

 二名法も、また、関連で書こうと思いますが、この比喩、嫌いだしなあ…。

 どう書こうかなあ…。               英人

[▼次のスレッド]