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[19824] マゴチの学名 
2005/6/26 (日) 12:36:53 MKTHomePage
うやむやになっているマゴチ、ヨシノゴチの学名、
仮の学名でしょうけど、

Platycephalus sp.1
Platycephalus sp.2

この仮の学名さえも混乱してるんでしょうか?
マゴチに使われたりヨシノゴチだったり、いやはや、
調べれば、調べるほどめちゃめちゃです。

[19825] Re:マゴチの学名 
2005/6/26 (日) 13:15:05 小西英人HomePage
▼ MKTさん

> Platycephalus sp.1
> Platycephalus sp.2


> この仮の学名さえも混乱してるんでしょうか?

 いや、混乱はしていませんよ。

 もともと、マゴチは、インド・西太平洋に広く分布する

 Platycephalus indicus (Linnaeus,1758)

 だとされていました。いまでも、この学名を使っている魚類図鑑もあります。

 しかし、これと日本のマゴチは別種だといわれ、そのマゴチが、ヨシノゴチと分離されたのです。

 形態学的、集団遺伝学的、生態学的な論文はでています。

 そういう意味では、むちゃくちゃではなく、きちんとしています。

 ただ分類学的な学名の決定が遅れているのです。

 それで仕方なく

 マゴチ Platycephalus sp.2
 ヨシノゴチ Platycephalus sp.1

 としています。この1,2は、きちんと分けています。

 しかし、きちんとわけて、きちんと、どう扱おうが、これは日本の学会内での話であって、国際的には通用しません。

 それで、学会内でも、批判が飛びかいます。

 たとえば、フィッシュベースの、Platycephalus indicus (Linnaeus,1758) をみますと、分布は、日本まで入っています。

 学名がないのは、ないのと同じですから、拾いようがないということです。

 これ、わりと中心的な魚種の学名ですから、ほんとに困っていまして、いつやら京都の魚類学会のあと飲みに行ったとき、これを書いていない大御所の研究者らと、このマゴチを書いていないぞという話になって、困った困ったといっていましたら、その大御所も困った困ったと笑っていました。

 しかし、ハゼ科など、学名が決まっていないもののオンパレードで、ヨシノボリ属などは、sp. に数字を振るのでは追いつかないので、斑紋の英語の頭文字を振って、それが学名がわりに流通しています。

 沖縄の魚類学会年会のトップは、これらの「名無し」をなんとかせよという、松浦博士の、きつ〜いお小言から開幕したのでした。

 そのせいでしょうかね。台風で、翌日から中止になったのは…。

                         英人

[19852] マゴチはsp.2 
2005/6/26 (日) 18:53:56 MKTHomePage
▼ 小西英人さん

そうですか。
Platycephalus sp.1をマゴチとしているものが文献やネットに点在して
ましたので、どうなっているのか訳がわからなくなっていました。

Platycephalus sp.2がマゴチですね。了解しました。

松浦博士、いやぁ・・・以前、博士と知らずにひょうひょうとメールで
質問していた自分が怖いです(笑

[19866] Re:マゴチはsp.2 
2005/6/26 (日) 19:17:23 小西英人HomePage
▼ MKTさん

> Platycephalus sp.1をマゴチとしているものが文献やネットに点在して
> ましたので、どうなっているのか訳がわからなくなっていました。


 失礼しました。

 魚の本(あえて文献とは書きませんが…)で、事情を知らずに、いろいろと孫引きするものが多くて困ります。

 いちおう、こういう表記は、はじめにきちんと発表したものにあわせるという暗黙の了解がありまして…。

 ただし、あくまでも正式な表記ではないので、別に、こうでなければいけないというものではございません。

 まえに、ある編集者と激論をしたことがありまして、図鑑を出すのに学名を、いい加減に載せたら混乱するからというと、うちのは図鑑ではなく「ハンドブック」としていますというので、それなら学名を載せない方がいいでしょうというと、学名がないと売れないからと返事したのです。

 その場にいた、ある研究者と一緒に、あんたんとこは、売るために学名を適当に入れるのか、それが編集責任者の考え方か、そんな出版社が日本をだめにするんだ…と、夜中まで、大げんかしたのでした。

 どちらにしても、ぼくらの立場としては、sp. の番号が1か、2かに神経をとがらせても、まったく意味はありません。

 マゴチか、ヨシノゴチか、それはどう違うのかを気にするべきです。

                           英人
ps
 松浦さんは、前魚類学会会長で、いまは副会長ですが、副会長は、つぎの会長になるので、また会長になります。フグ目のオーソリティです。

[19871] 了解です。 
2005/6/26 (日) 21:40:35 MKTHomePage
▼ 小西英人さん

>マゴチか、ヨシノゴチか、それはどう違うのかを気にするべきです。

なるほど。
むしろ、釣り人ひとりひとりが種の違いを正しく認識するほうが大切ですね。
学名は研究者で何とかしてくださいね。と言うしか無いですね。

いやぁ・・・意外な「ハンドブック」の由来ですね。
小西さんの情熱が伝わりました。
小西さんがいないと、釣り人と研究者を繋ぐ接点が大変なことになります。
今後とも頑張ってください!

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