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新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

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[▲前のスレッド]

[24318] はじめまして。よろしくお願いします。 
2006/2/20 (月) 12:13:36 うっちー
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友人から魚種がわからなければこちらへお願いしたらよいと聞いて来ました。
クロソイのように思えるのですが、キツネメバルとも言われ、わからなくなってしまいました。どちらなのでしょうか?

[24319] * No Subject * 
2006/2/20 (月) 12:15:02 うっちー
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頭部です。

[24320] 背鰭です。 
2006/2/20 (月) 12:16:07 うっちー
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背鰭です。

[24321] 尾鰭 
2006/2/20 (月) 12:16:49 うっちー
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尾鰭です。よろしくお願いします。

[24322] Re:はじめまして。よろしくお願いします。 
2006/2/20 (月) 12:21:55 小西英人HomePage
▼ うっちーさん

 釣り場は必ず書いてくださいね。

 写真個体は、たぶんフサカサゴ科メバル属の、ムラソイだと思います。

■ムラソイ【WEB魚図鑑】より
http://fishing-forum.org/zukan/mashtml/M000065_1.htm

 これを参考にしてください。           英人

[24334] ありがとうございます 
2006/2/21 (火) 02:30:12 うっちー
ムラソイでしたか。
ありがとうございます。
友人らからはいろいろ言われましたが、ムラソイで決定です。
釣り場は大阪府泉佐野市でした。
ありがとうございました。

[24335] ムラソイ複合種群 
2006/2/21 (火) 07:21:50 小西英人HomePage
▼ うっちーさん

 ムラソイは、ムラソイ複合種群と呼ばれる、非常に、ややこしい種です。

 種分化をはじめて間がないのです。

 いま亜種とされている、ムラソイと、ホシナシムラソイが、統合されて種になりそうなのですが、まだ、論文などはでていません。

 写真個体は、腹部が見えませんので、ムラソイか、ホシナシムラソイかの判断ができないのですが、まあ、ムラソイでいいと思います。

 これを参照してください。

■ムラソイ【遊魚亭】今週の魚より
http://hideto.fishing-forum.org/001fishweekly/010_2.html

                         英人

[24419] 難しいですね 
2006/2/25 (土) 06:42:13 うっちー
ムラソイ【遊魚亭】今週の魚見ました。
ムラソイでもいくつも種類があるのですね。勉強になりました。
以前にカサゴかと思っていたものも実は違ったのかもしれません。
これからはもっと特徴等に注意して魚を見ていきたいと思います。
非常に丁寧に返答いただきましてありがとうございます。

[24420] ソイ・カサゴ 
2006/2/25 (土) 10:12:45 MKTHomePage
▼ 小西英人さん
▼ うっちーさん



山形県の釣りでは、なかなかカサゴは釣れません。
ですから、ムラソイはクロソイと間違えられるほうが多いです。

南方ではカサゴのライトゲームなどと称して、陸から手軽に釣れるようですが、
ここでは水深10メートル以上の深場でないと、なかなか釣れません。
陸っぱりでカサゴを釣るのは不可能に等しいですね。

[24421] カサゴ>変な魚ですね 
2006/2/25 (土) 15:55:49 小西英人HomePage
◆画像拡大
▲カサゴ 1999年2月20日 香港の沖磯

▼ MKTさん

 カサゴって、変な魚ですね。

 北海道にいて、黒潮域にも、九州にも普通にいます。

 それはいいとしても、東シナ海にいるとはなっていますが、香港で、磯釣りをやると、あれれ釣られちゃったよと、当たり前のような顔をして釣れてきます。ごく普通の外道です。

 地図で見ていただければわかりますが、もう南シナ海です。台湾よりはるか南です。

 また、写真だけなので、どうしようもないから、置いていますが、ウッカリカサゴによく似た個体を、バリ島の南岸で釣っています。

 このカサゴ属、どういう魚で、どのように分布しているのか、謎が多いです。

                          英人

[24443] 連続的変化はありますか? 
2006/2/26 (日) 10:02:51 MKTHomePage
▼ 小西英人さん


南だと黒いカサゴがいますね。
こちらでは、見たことがありません。
いや、自分が釣ったり市場を覗いたりしただけの話ですが。


海のような広い生息域では、たとえば、台湾と山形県のカサゴは別種だけども、
台湾から山形県までルートのカサゴを調べると、連続的な変異で短区間では、
ほぼ同種。そんなこともありうるんでしょうか。


つまり、うまく言えませんが、色彩で例えるとグラデーションのようにアナログ
的な変化で遠い地域の別種とされたものに辿り着く。そういうことがあるんで
しょうか?


 ps
な・・・なんかうまく言えないです(笑

[24444] Re:連続的変化はありますか? 
2006/2/26 (日) 10:44:08 小西英人HomePage
▼ MKTさん

 色彩変異で言うと、深いところほど赤くなる傾向があります。カサゴは、これの例としてあげられることが多いです。

 山形が赤いのは深いからでしょうね。

 南で黒いと感じるのは、浅いところにもいるからでしょう。ただ、浅いところというのは、色彩が多くて明瞭であるから、さまざまな色彩変異が出やすくなり、必ずしも黒いとは限りません。

 とにかく、体色の変異で言えば、深いところほど赤いという傾向はあります。

 あと、地理的な変異はもちろんあります。これが、明瞭になると、定義はありませんが、亜種ということになります。ただ、海で亜種が設定されるのは、分布がとぎれていることが多いですね。分布が連続しての亜種というのは、ふつう考えません。

 たとえば古い文献では、カサゴの分布は、フィリピンまでとなっています。これは、何らかかの間違いだと思うのですが、もしフィリピンに不連続分布して、種としては同じだと思われるけど、形態に差違が認められれば、亜種をたてる研究者がいても不思議ではありません。

 地理的変異には、もうひとつ、クラインというものがあります。これは、なんというか直訳すれば勾配とかいいます。

 ややこしいので、ちょっと岩波の生物学辞典から引用しておきます。

=====================================================
クライン
[英cline]
ある種の分布域内に設定した横断線に沿って生じる,形質値あるいは対立遺伝子頻度の漸進的,連続的な変化.J.S.ハクスリ(1939)が分類学的形質の評価に関する概念として提唱.例えば多くの恒温動物では,緯度に沿って体の大きさに漸進的で方向性の変異が見られる(→ベルクマンの規則).次のような場合がある.(1)横断線に沿った環境条件の変化に対応して自然淘汰によって作り出される場合.生態的な条件に応じた形の傾斜(勾配)が見られるときは(*)生態勾配という.(2)異所的に分布していた2集団が二次的に接触した結果生じる場合.地理的分布にしたがって形質の傾斜が見られるときトポクライン(topocline)という.形質の傾斜は,なだらかなことも急なこともあるが,傾斜の違いは,遺伝子流動の程度や自然淘汰の強さによって決まる.傾斜の急なクラインが存在し,さらに選別交配に関わる遺伝子座に十分強い淘汰が働くと,側所的に種分化が起こるというモデルが提唱されている(→側所的種分化).(→勾配)

 よけい、ややこしくしたかな?

 これ、引用にも書いていますけど、たとえば、哺乳類ならモグラの頭骨の大きさが、北に行くほど大きくなり、北と南で、違う種くらいに違うけれども、勾配があって、連続しながら変化します。これはクラインがあるといいます。

 変異があるけど地理的な要因で連続しているのですね。これは南北の緯度差で、つまり温度差で見つかることが多いです。

 魚類でも、これはクラインがあるのではないかなと思うような連続変異を感じることはあります。しかし、たしか、はっきり、クラインであるという報告は無かったと思います。ただ、地理的な連続変異は、種を見分けるうえに考えておかなければならず、頭の片隅に、クラインも、考えておかなければいけません。

 もうひとつ、ぼく、魚類学を勉強し始めたとき、望月博士に、種というのは曖昧なものだという説明で、よくいわれた例なのですが、詳細は忘れました。

 カモメの1種だったと思いますが、かなり広い分布を持っていて、連続的に形態が変化するのだけれども、亜種というほどでもなく、クラインも認められない、同種であろうとするしかないのだけれども、分布の両端では、まったく形態が違い、そのうえ、生殖的な隔離まであるとうような例があるようです。

 これは生殖的な隔離があれば、現代生物学の考え方では、種が違うと言うことになりますが、それが分布の中では連続してしまうと、亜種でもなく、同種ということになります。

 こういう例は、たぶん魚類でもあると思われるのですが、汎世界的に分布する種を、詳細に地理的な比較研究することは難しいので、表面に出ていないと思われます。

 それでも、同種とされる魚が、大西洋と、太平洋と、インド洋に、ぽつんぽつんと出てきた場合、これは、いったい、どういいう関係になるかというのは、非常に難しい話になり、その種分化をまねいた「事件」を、地誌学的に考えていかなければなりませんし、そういう研究を動物地理学ともいいます。海洋生物地理学って、いろいろ面白いのですけど、陸上動物ほど研究されていないので、きちんとした教科書が少ないのが残念です。

                            英人

ps
 汎世界分布で、種の研究が非常に難しい例に、ボラがあります。またソトイワシ類があります。魚類ではありませんが、マダコもそうです。これは標徴形質が乏しく標本にもしにくいという事情もあるのですけど…。

[24446] ありがとうございます 
2006/2/26 (日) 12:37:54 MKTHomePage
◆画像拡大
▼ 小西英人さん


貴重なお話ありがとうございます。


クラインについて、引用いただいた文は聞きなれない単語が多くて難しいですが、
でも、わかります。自分ののイメージを補間、補強できました。
とはいえ、難しいですね。自分は脳内に形状的なイメージが作れないと、なかなか
理解に及ばないので、こういう深い意味をもつ文章を理解するのは大変です。


そういう例は魚類では報告が無いんですか。それは意外でした。
海の中なら、そういうアナログ変化の例はいくらでもあるのかなと思っていました。


魚は難しいですね。手の届かない、簡単に見えないところにいる生き物だから
難しいんでしょうね。ややこしくも楽しい生き物ですね、お魚は。


こう、分類を考えると、ある意味、分類しようとするからややこしくなるのかな
と、そんなことも思ってしまいます。


100年後、500年後・・・・
生物たちは、どんなふうに分けられ、扱われているんでしょう。


なお、最初に頭にイメージしていたものを画像にして添付してみました。



[24447] Re:ありがとうございます 
2006/2/26 (日) 13:05:39 小西英人HomePage
▼ MKTさん

 せっかくの画像ですが、この体色変化は水平変化ではなく、垂直変化ですね。

 だいたい、深海魚は赤いのが多いでしょう。

                        英人

[24448] Re2:ありがとうございます 
2006/2/26 (日) 13:19:21 MKTHomePage
▼ 小西英人さん


そうですね。
更に、ここにきて赤と黒で表現したのは紛らわしかったですね。

ただ”最初にイメージして疑問に思ったもの”というだけですのでご勘弁を。

[24449] Re3:ありがとうございます 
2006/2/26 (日) 13:23:02 MKTHomePage
▼ 小西英人さん

ちなみに、体の形状も変えています。
微妙すぎましたかね・・・・

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