2004年10月13日

憧れのクロモリがやってきた

昔からいろいろと気が多いたちなので、「憧れの」というものがたくさんあった。10代の頃だと、それがマーチンのギターだったり、真空管アンプだったり、ラジオで自分の番組を持つことだったりしたのだけれど、その中のひとつが「レイノルズのクロモリフレーム」だ。

といっても、たいていの人はなんのこっちゃらわからないと思う。クロームモリブデン鋼を使った自転車のフレーム。レイノルズ社製。こいつのDB(ダブル・バテット。軽量化のために両端を厚く、中心部が薄くなっている)といえば、70年代のちょっとませたガキンチョにとっては、「はああ」とため息が出るようなアイテムのひとつだったわけだ。当時でも20万以上クラスでないと、このフレームは使われてなかった。こっちは黒塗りのセミドロップハンドルなのだからね。

縁というか宿命というか、そいつが昨日、うちにやってきた。もちろん、フレームだけ来たわけではなくて、ちゃんと自転車の形になってやってきたのだ。中年になってよかったなと思うのは、時々、こうやって少年の日の憧れがかなうことがあることだ。悪くないじゃないか。人生というやつも。

自転車はジェイミスというメーカーのCODA SPORT というやつ。ほんとはビアンキを狙っていたのだけれど、どうも毎年モデルチェンジをするたびに、変てこになっていくので、2004年型PASSOの在庫が全国どこへ問い合わせても払底していることが明らかになった時点で、もう2005年型モデルはあきらめて、ジェイミスに切り替えた。

理由は、このメーカーが今でもクロモリフレームにこだわっていることだ。今、もう9割以上の自転車がアルミフレームになっている。アルミは曲がらない、しならないため、力の伝達には優れているのだけれど、その分、乗り心地がごつごつしたものになりやすい。それを補うためにフォークにカーボンを使ったりする。また、単位面積あたりの強度に劣るため、フレームが太くなる。あれが格好いいという人も多くて、それはそれでいいのだけれど、僕はちっとも格好いいとは思わない。やっぱり、自転車のフレームは細くあるべきではないのか。

ジェイミスは、単価的に高くなるクロモリフレームを、ごく普通の価格帯で採用してくれている世界でも希なメーカーだ。こういう志というか、品格というものは大事にしなくてはならない。クロモリはフレーム全体がしなるので、体が疲れにくいのだ。多少、重くなったとしても、自転車はクロモリなのだ。少年の日の刷り込みにしてもね。ここで僕が買わないで、ジェイミスがつぶれたらどうする。

そんなわけで、わが家にブルーメタリックに輝くCODA SPORT がやってきた。15年くらい前に、同じくブルーメタリックのロードレーサーを、久留米のイワイサイクルで作ってもらって以来の自転車だ。

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