2004年10月19日

モンクを聴きながら

台風が接近しているので、世間はなんだかひっそりとしている。

子供の頃はこういう時に、なんだか胸おどるというか、わくわくする感じがあったものだけど、実は今もその通りなのだった。週に1度、講師をしている専門学校から「明日は生徒たちは自宅待機です」と連絡があった時など、返事に欣喜雀躍とした雰囲気が混じらないように、ちょっと苦労した。

自分自身が、学校とか授業とかいうものが退屈で退屈でどうしようもなかったので、わりあい情熱を傾けながらコトに当たっているのだが、こうなると話は別である。自分ひとりサボるのではなくて、世間が一斉に、やむなくお休みになるというのが、いいではないですか。こういう、いつ寝ようがいつ起きようが、仕事しようがしまいが、自分のことは自分で決める寄るべなき身勝手生活を続けていると、「みんなで一斉に休み」というのが、うれしかったりするわけである。

うれしいのでサケを飲み始めた。黒糖焼酎から始まって、今ウイスキー。肴はなにやらの味噌漬けと塩ジャケという、中山間地の民宿の朝食に出てきそうなもの。別にこれが好きというわけではないのだが、ふだんあまり家で飲まないものが突発的に飲む気になると、このようなものしかないのだ。

さっきからセロニアス・モンクを聴いている。

音を聴いた瞬間、ため息が出るとか、うーんとうなるとか、目が遠くなるとかいうのは、けっこうある話だけれど、「いやー。はははー。そうでしたなー」と思わず苦笑してしまう人はモンクくらいだ。人は、自分の常識にないものに出会うと、反射的に笑いだすことがある。要するにこの人も天才なのだ。

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コメント

あるぽさん、ありがとうございます。
ココログの練習でもしてみるかといたずらしていたら、
見つかってしまいましたね。

今日、菅野邦彦の「慕情」と鈴木勲の「BLOW UP」を買いました。というか、届きました。
通常版はどうも廃盤になっているらしくて、ビクターのXRCDです。
アナログマスターから、丁寧に録音した普通のCDなのですが、なかなか音はいいですね。

菅ちんの慕情。ぼくにとっては高校時代に一度聴いたきりの、
幻の音源でした。これ、いいですねえ。

あのね、僕モンクが出ているビデオ持っているんだけど、やっぱ変人ね。何となく雰囲気が変人なのよ。でもかっこいいのよ。後から思ったのだけど、弾きながら足をくねくねやるの、日本では板橋フミオがやっているね。後、弾きながらウニャウニャ言うのはバド・パウエルだけど僕らにとっちゃキース。
足くねくね派と、声ウニャウニャ派結構いそう。

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