2005年3月25日

発作的ソウル旅(2)

春休みということでツアー客が多いらしく、飛行機は最後の1席でとれた。それも宮崎空港は満席で、鹿児島空港発だ。

なのに、いざ乗ってみるとけっこう空席がある。こういうのは不思議を通り越して不条理な気がするな。ハイシーズン料金で、しかもホテルはヒルトンクラスしかなくて、けっこういい値段払ったぞ。

飛行機は霧島から天草、島原上空をあっという間に通過して、あれあれといっている間に仁川国際空港に着く。仁川(インチョン)と聞いてマッカーサー上陸作戦を思い出す人は、きっと軍事おたくだ。

このあたりは、有明海をはるかにはるかに大きくしたような干潟が広がり、そこへ有明海なみの手荒さで開発が進んでいる。干満の激しさも有明海なみであり、だからこそ上陸は無理だというのを無理やりマッカーサーが上陸して、世間があっと驚いたと、軍事おたくから、そういう話を聞いた。

海の男としては、ムツゴロウとテナガダコの将来の安からんことを思う。

ヒルトンホテル到着が午後5時。鹿児島空港を飛び立ったのが12時50分だったから、約4時間でソウルのホテルの風呂に飛び込めたことになる。もっとも宮崎の自宅を出たのは、午前9時だったけど。

それから、さっそくジョッパル(豚足)を食べに出る。今回の旅の目的の第一は、わがヨメにソウルの店で出してくれる豪華絢爛たる山盛りの豚足を見せることだった。ヨメの父親は日本人だが台湾生まれで、そのせいだかどうだか、ヨメもこういうものを、こよなく愛す傾向がある。

模範タクシーに乗り込んで、いきなり「ジョッパル」というと爆笑された。そうだろう。わけわかんない外国人が乗ってきて「豚足」というのだもの。「ピョンアン・オモニ・チプ」と店の名を告げると、にこにこして連れていってくれた。これが焼肉だの韓定食の高級店だと、こうはいかない。

首尾よく店に着き、3人前のジョッパルとビールと真露を頼むと、キムチ、トンチミ、ナムルなどが、あれこれ出てくる。韓国のいいところは、こういう「おまけ」が大量に出てきて、そのどれもうまいことだ。

特に冷たいトンチミ(大根を塩水に漬けて発酵させた汁)などというものは、熱いのや辛いのや油っこいようなもので疲れた舌を一瞬にして覚醒させ、すっきりと更新したようになって、また次の味覚に向かわせてくれる。こういうのは、よほど食いしん坊でないと出てこない文化だろうと思うのだ。

喫茶店に入ってコーヒーを4人前頼んだら、トーストが4枚とサラダが出てきた。「ついている」のだ。キムチとおんなじだ。さすがにキムチというわけにいかないから、トーストなのだ。そういう文化なのだとしかいいようがない。

その後、東大門周辺をうろうろ歩き、ついでに道に迷ってどんどん歩き、ついに深夜になったのだが、ただ帰るのもなんだというので、さらにもう一軒、食堂に入って冷麺と海鮮鍋と豆腐鍋を注文して、みんなで分け合って食べる。またもやおまけたくさん。トンチミうまし。いうことなし。

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