2005年7月 6日

映画>ミリオンダラー・ベイビー

映画オンチなので評価はやめておくべきなのだけど、さきほど映画館から帰ってきて、どうも心がウツロなことになってしまって、何か書いておかないと、このスキマ風を埋められそうにない。

とりあえず、もう一度観ることはないと思う。エンディングロールでは、あんぐりと口があいてしまって、客席からわずかに響くすすり泣きの声に困惑していた。

せっかく、あれだけ魅力的な主役を得て、あれだけテンポよく、ぐいぐい引っぱっておいて、後半、学芸会になるので困った。一人の女の子から、運動神経と片足と舌まで奪い、かつ心の支えだった家族の愛情まで奪わないと、「あれ」ができないのであれば、そんな「永遠の愛」などふざけたものだ。あのキャラ立てなら、コーヒー一杯淹れてやるだけで、無限の愛を伝えるほどの映画になったかもしれないのに、結局、後半に演技的に目立ったのは無教養な母親と弟妹たちだけだった。

筋立てそのものに文句をつけるのは、まあやめておくとしても、もう一人の主役、イーストウッドの人物の掘り下げが甘いので、あの重たい主題に耐えられなかったのが、破綻の原因だろうと思う。怒ったり、失望したりするほど、ひどい映画ではないけれど。

あの魅力的な女の子を演じたヒラリー・スワンクは、この作品でアカデミー主演女優賞を受賞した。そうだろう、女優に罪はない。

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