富土に浮かぶ日

九州の南の、そのまた東の外れ。宮崎というのは、亜熱帯気候の東部海岸線から九州山地に連なる西部山岳部にかけて、ぐぐっと左肩が上がった地形になっているわけで、そこで海釣りをしようと思えば、この下がった右肩のもっとも低くなったあたりに、フ

富土を渡る風

快晴、微風。海蒼し。山々はもえたつような新しい緑。そして、誰もいない湾。 半年ぶりに、富土(ふと)の海に浮かんでいる。日南海岸の荒々しい磯場が続く中に、ぽっかりと明るい砂浜がひらけたここは、左右をちょっとした岬に守られた波の静かな海