■奇形(きけい)
Malformation
▲短躯症のヒラメ。養殖種苗が放流されたのだろう(写真■テル岡本)

■おなじ【】のなかでも、それぞれの個体の形態には幅の広い変異がある。しかし、その変異の範囲を逸脱した形態異常もある。

■この形態異常が、個体発生の時の形成異常により引き起こされたものを奇形と呼ぶ。

■ふつう奇形というときには、このような形成異常による形態異常をいい、外傷や外部寄生生物などによる後天的な形態異常は奇形といわないが、それらの定義と範囲は非常に難しい。

■形態学的にいうと、正常形成の一部抑圧もしくは欠如、配列変更、過剰形成、これらの組合せになるが、あまり異常が大きいと、その個体は消滅するため、実際に魚類で見られる奇形はそう多くはない。

■上顎が欠如、変形して【】がひしゃげる【狆頭】。脊椎が発育不全を起こし体が短くなる【短躯症】。脊椎がS字状にくねくね曲がる【側湾症】。【異体類】で【両側有色現象】を起こした個体の眼の上方にできる肉質の鈎状突起などが知られる。

■これらの原因は、発生時の栄養欠乏、感染、薬品ショック、酸素欠乏、など、さまざまな要因によるようだ。また、養殖種苗生産現場で大量に発生したりして、【体色異常】とともに問題になることが多くなってきた。