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[193] そい>2>釣り人の「そい」の原形 
2002/2/10 (日) 07:51:52 小西英人
@Nifty【さかな会議室】より転載
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01242/01781 PDG00606 小西英人 そい>2>釣り人の「そい」の原形
(14) 99/01/28 12:43 01216へのコメント コメント数:1


 みなさんの協力で「そい」という呼び名が、浮き彫りにされつつあり、ぼくも、いろいろと考えております。

 とりあえず、今回は、釣り人の「そい」の原形を見るために松崎明治で「そい」を見てみました。

 『釣技百科』松崎明治著 朝日新聞社刊 1942年です。たぶん関東の釣り人の「そい」はこの辺から始まったのだと思います。

 そい(メバル科)と紹介しています。いまメバル科はなくて、フサカサゴ科にするのが一般的です。ちょっと引用します。漢字は略字にかえます。

 ソイにはムラゾイ(別名シマゾイ、キゾイ)クロゾイ、ゴマゾイ、アヲゾイの区別あるが、釣でソイを問題として持て囃すのは北海道である。釣遊者のみならず北海道沿岸ではソイ釣りがなかなか盛んに行われている。

 これで分かったような分からないような…。とにかく、関東で昔から「そい」を追いかけたのではなく、西別川さんの報告どうり、北海道が、キーだったようです。

 それで、呼び方は、北海道を基準にしていると思われます。ちょっと標準和名と対照してみましょう。

 1)■ムラゾイ(別名シマゾイ、キゾイ) ■シマゾイ  Sebastes trivittatus
 2)■クロゾイ             ■クロソイ  Sebastes schlegeli
 3)■ゴマゾイ             ■ゴマソイ  Sebastes nivosus
 4)■アヲゾイ             ■クロメヌケ Sebastes glaucus


 1)はムラソイではなくて、シマゾイでしょう。縦縞があり、縞の所がかなり黄色っぽく見えます。あとは、問題ないでしょう。もし、順番に意味があるのなら、北海道で囃される「そい」はシマゾイが1番、クロソイが2番ということになりそうですが、どうなんでしょう? 西別川さん? シマゾイは「偉いそい」ですか?

 次に松崎明治は、呼称として、ソイの地方名をあげています。それらの地方名を抜
て整理してみます。

 ■ソイ
 ツヅノメ(新潟)
 ウジノミ(富山)
 ■クロゾイ
 クロカラ(富山)
 モハツメ(富山県魚津)
 ワガ(愛知県熱田)
 クロスイ(塩釜)
 ゴマゾイ(北海道室蘭)
 ■シマゾイ
 キゾイ(北海道)
 ムラゾイ(北海道)
 ■ソイ
 クロアタガシ(和歌山)
 スイ(宮城)
 チョオセンメバル(長崎)
 モゴイ(長崎)

 となっているようです。「ソイ」と混称しつつ、微妙に分けているので、読み解いてみて、上のように整理できるかなとは思うのですが、よく分かりません。長崎や和歌山などの呼称は、「このソイである」と断言してはるけど、どのソイか分かりません。たぶん和歌山のはムラソイ、長崎のはクロソイだと、ぼくは思うのですが、この地方に住んではる人、どうなのでしょうか?

 棲息は北海道以南、本州各地の沿岸、九州方面に多く、東京近海では外房太海方面にみらる。などなどと書いていますが、よく分かりません。太海に多いのは、ムラソイになるのでしょうか? hiroboさん? 東京の魚河岸には多く、外房、常盤方面から鮮魚として入荷するとも書いています。

 あと、北海道での熱愛ぶりを紹介しています。引用します。

 北海道方面の釣人のソイに対する熱愛は非常に強いものがあり、最近室蘭の一釣人からの手紙によればソイは陸釣舟釣の別なく夜釣りの魚で内地の黒鯛と外観、引き共に酷似した所多く、味も非常によく似て室蘭に於いては味覚の王座に推されているという。

 クロダイと外観、引きが似ているといわれると困りますが、クロソイか、クロメヌケかなんでしょうか? 味もクロダイと似ていたら、まずそうと思うのですが…。

 西別川さん、室蘭で珍重するのは、クロソイでしょうか?

 あと北海道の4カ所のソイ釣りを具体的に紹介しています。

 1)■北海道のソイ夜釣り(岩内郡雷電、古宇郡沿岸、岩内港湾)
 8〜12号のナツメおもりをつけた探り釣りで、舟か岸壁です。餌は活きドジョウか、イワシの新鮮なもの。「この魚」はどう猛で、鋭い歯があり、毒素をふくむトゲがあって、この毒素だけは閉口とあります。魚は何なのでしょうか?

 2)■北海道の青ゾイてんてん釣り(網走町)
 これはクロメヌケだと思います。余市の水産試験場で聞いたとあり、疑似餌の漁のようです。タラの延縄で、アヲゾイが掛かったときにやるそうです。おもしろいのは、始めに掛かったのをおとりとして、延縄にかけておいて、群を散らさないようにするのがこつだそうです。

 3)■北海道のソイごろた縄(美国町)
 水深15〜40尋の飛根のところで、どうつき釣りの漁です。漁獲物はムラソイ(マゾイ)の他にシマゾイ、アブラコ、ガヤ、タコだそうです。

 4)■北海道のソイごろた縄(出崎村)
 水深30〜50尋で、上と似たようなものです。漁獲物は、クロゾイ、ムラゾイ(マソイ)、シマゾイだそうです。

 これらのムラソイ、ムラゾイは、キツネメバルのことなんでしょうかね?

 以上で松崎明治の引用を終わります。

 松崎明治は、昭和4年(1929年、うわっ、世界大恐慌の年だ)から十数年にわたり朝日新聞の学芸部で釣魚欄を担当して、正確さで評判になりました。昭和17年(1942年、うわっ、ミッドウェイ海戦の年だ)に『釣技百科』をだして記者生活を終えています。鹿児島出身です。『釣技百科』は、現代の釣りの古典中の古典です。

 どうも、釣り人の「そい」という呼称は、北海道から伝わってきたものらしく、関東で、もともと「そい」といったのでもなさそうだとだけは、分かりました。

 「そい」と確言し、いろいろ解説を加えながら、実際には、どの魚を指すのか分からないと言うのは、昔からのようですね。

                                   英人