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[2464] 日本初記録の発表のやり方は… 
2002/9/19 (木) 07:03:03 小西英人
▼ ぷいぷいユッケさん

 ちょっとややこしく書いたかな。

 とにかく、どんどんいろいろな情報を集積して、写真で同定できるように、みんなでやろうね…ということです。できるだけ正確で、きれいな写真と、各部の写真を撮り、それを標本にして、生時の斑紋、固定後の斑紋なども情報として集めてしまうといいのです。情報が多くなると、写真同定ができるようになります。

 いま、遺伝子の解析なども進んで、外形で、ほとんど分からないような微妙な差の別種もいます。しかし、外形の変わらない別種って、あんまりいないはずで、どこかに違いがあるのを、見逃しているのではないかとも思えるのです。そういうのも、鵜の目鷹の目で見ていきたいなと思います。

 日本初記録種は写真同定でもいいかもしれませんけど、やはり、よほど特殊な事情のない限り、標本明示のある論文がいいでしょう。

 スニーキーラスや、コッカレルラスは、『日本の海水魚』で荒賀忠一さんが、非常に慎重な態度で水中写真に記載していますね。オハグロベラ属の1種という形で、これは、やはり研究者に標本なしで写真同定して、それをもとに新称を発表せよという方が無理だと思います。やはり標本をとらなきゃ。

 同じ『日本の海水魚』で、瀬能宏博士がアライソハタを新称提唱しています。これは、ランドール博士らが、標本を採集して、論文に発表していたので、それを踏まえての新称提唱です。ぼくは、この前に、アライソハタを釣り上げ、写真にとって、標本を京都大学にいれていました。さてさて、新称提唱はできるけど、困ったなあと思っていたら、瀬能さんが提唱してくれて、ほっとしたことを覚えています。

 なぜ、ある程度の標本が要求されるか…。

 たとえば、ダイビングの写真で、いっぱい撮って、これ、みんな俺が発見したのだから偉いだろうと、すべて「新称」とつけて、仲間内のネックネームのような名前を雑誌などで、ぼんぼん発表されても困るでしょう。ものすごく混乱します。こういうことが、実際、かなり頻繁に行われていて、それを研究者が批判すると、何も知らないのが、羨ましがって文句をつけているというような雰囲気があったのです。それではいけないと、とにかく、瀬能宏博士などが、特にがんばって、曖昧な形での日本初記録種の発表と、新称提唱を、防ぐようにしたのです。この辺のこともあって、前に転載した、日本魚類学会の和名委員会のような話もでてくるのです。

 日本初記録というのは重要だけど、魚類学会の『魚類学雑誌』の論文にするほどでもない…、困ったというのを助けているのが、瀬能宏博士が編集している『伊豆海洋公園通信』(I.O.P.DIVING NEWS)です。これは毎月出されている8ページの小冊子ですが、ほとんど日本初記録の日本語論文が掲載されています。

 たとえば、今年の7月号を見ますと、表紙がミギマキとタカノハダイの雑種の写真報告。巻頭は「与那国島から採集された日本初記録のクレナイヘビギンポ(新称)とジュズダマギンポ(新称)」という吉郷英範と吉野哲夫の論文です。あと田辺湾の魚と油壺の魚の水中写真が紹介され、最終ページは、ウミウシの連載です。このごろ、魚の世界で、乱暴なことができなくなって、ウミウシに逃げだして、この世界で乱暴な和名の発表が続いていたのですが、その混乱を収めるための連載です。

 この号で通巻148号。とにかく新称の標準和名が多いので、これを読んでいなければ、図鑑などをいじることの多いぼくは、話になりません。

 ダイビングの魚が中心ですけど、とにかく海水魚のバイブルです。

 初記録のやりかたのお手本が、『伊豆海洋公園通信』なのです。

 どう書くのか…、説明するより読んだ方が早いので、興味があるなら読んでね。頒布価格は一部322円。年間購読料は消費税、郵便代込みで3864円。問い合わせは益田海洋プロダクション、0557−51−1129 です。

 ぷいぷいユッケさん。がんばって、日本初記録をなにかやってみては、どうですか?

                            英人