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[283] ネズッポ>日本産で37種います 
2002/3/2 (土) 06:30:09 小西英人
▼ moikaさん

 はじめまして、英人といいます。

 ネズッポ科魚類は日本産で37種いまして、たいてい雌雄で斑紋や色が違いますので見た目でいえば74種類います。moikaさんのおっしゃるものが、何を指すのか、言葉だけではわかりませんが、尾の長いのはヨメゴチの雄でしょう。このネズッポ科ヨメゴチ属でも2種いますし、ネズッポ科ネズッポ属になると8種います。すべてよく似ていて、なれなければ見分けられないでしょう。よく見ると違うというのは分かるでしょうが…。

 天草一帯はネズッポ科魚類の宝庫です。いっぱいいます。

 スズキは、まえは、ふつうの「スズキ」「有明海産スズキ」「中国産スズキ」と、三つの型があることがしられていましたが、すべてスズキ1種のうちの変異だとされていました。

 1990年ごろから、斑点が多くて白っぽく吻のまるい「変なスズキ」が、西日本各地の釣り人から報告されるようになり、釣り人がサンプルを集めて、京都大学で研究した結果、これは「中国産スズキ」が養殖のために輸入され、それが逃げだしたものだとわかりました。そして遺伝子の研究結果から、別種だということも分かりました。

 1995年に『新さかな大図鑑』で、タイリクスズキという和名が京都大学の中坊徹次博士から提唱されています。学名は、いまのところ確定していません。

 また、それから「有明海産スズキ」を京都大学の中山さんたちが研究して、驚くべきことが分かりました。このスズキは、スズキとタイリクスズキの、ちょうど中間的な遺伝子組成を持っていたのです。海産魚ではじめて、雑種起源の独立した種の可能性が示唆されています。

 また、天草周辺はスズキ養殖が盛んで、タイリクスズキの稚魚が大量に輸入されて、逃げだしたりしています。

 ほんと、困ったモンです。「有明海産スズキ」と「スズキ」がすみ、日本列島と大陸の地史をひもといてくれるかもしれない重要なところに、素性の分からない「すずき」を、合法的に持ちこんでいるのですから…。海の深刻な外来魚問題です。

 スズキの、これらの見分けは、なれなければかなり難しいです。

 基本的には、タイリクスズキに斑点が多く、有明海産スズキは次に多いのですが、スズキにも斑点はあります。成魚で、体側全体に大きな斑点がちらばっていれば、ほぼタイリクスズキと思ってもいいのですが、斑点のないタイリクスズキもいます。

 幼魚の間は、どれも大きな斑点がある場合が多いようです。

 いま京都大学がタイリクスズキの日本での再生産はあるのかということを研究していて、去年、山陰の河口で、大きなはっきりした斑点のある「すずきの幼魚」が群れているという情報が入ったので連絡しました。すぐに京都大学の連中が採集にいったのですが、肉眼では種の同定は不能でした。

 核ゲノムを分析して、「スズキ」でしたという連絡がありました。しかし、ちょっと変だから、ミトコンドリアDNAも、あとで分析してみるといっていました。

 専門家が見ても、それほどややこしく一筋縄でいかないのが「すずき」です。だからこそおもしろいのですが…。

                         英人