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[693] カサゴ>ウッカリカサゴ>難しいですね 
2002/5/7 (火) 12:30:36 小西英人
▼ KOUJIさん

 うーーーーーーーん。カサゴとウッカリカサゴねえ。

 胸鰭軟条数はよめませんか?

 19本ならウッカリカサゴの若魚でいいでしょう。18本なら、わかりませんが、カサゴなんでしょう。

 1999年の魚類学会の発表なのですが、長崎にある西海区水研の加藤雅也さんと時村宗春さんが、長崎県島原半島で採集されたカサゴとウッカリカサゴ、約80個体をアロザイム電気泳動法で遺伝子の解析をして、カサゴとウッカリカサゴを見分ける遺伝子座をみつけたのです。

 遺伝子で見分けてから、体色や斑紋を見分けていくと、側線付近の白斑の縁取りが濃いものはウッカリカサゴで、胸鰭の軟条数が18でカサゴ、19ならウッカリカサゴだと分かったというのです。この軟条数、10%くらいは、ぶれるそうです。

 この学会発表の時、ぼくの『新さかな大図鑑』のカサゴのページが映しだされて、これとこれは誤同定だと指摘されたそうです。ぼく、残念ながら、このときの学会は忙しくて欠席していたのでした。

 ウッカリカサゴ、関西では「沖がしら」と呼ばれ、関東では「かんこ」と呼ばれます。沖合の深いところで釣れる、赤い大型のものです。

 ところが、大型は見分けられても、ウッカリカサゴの若魚というのが、どういうものか、加藤さんたちの研究まで、よく知られていなかったのです。

 『釣魚図鑑』をつくるときに、このキーで、徹底的にうちの写真ファイルを見直して、カサゴとウッカリカサゴを、ぼくはわけたのでした。そして2000年の魚類学会が神奈川県立生命の星・地球博物館で開かれたときに、この、側線の白斑という、あたらしいキーで、ウッカリカサゴの若魚とカサゴをずらりと並べたページの色校正を持っていき、加藤さんに見てもらったのです。

 OKをもらって、出版したのですが、あとで、加藤さんから、ちょっと自信が持てないという連絡があったのです。

 生命の星・地球博物館の瀬能さんところにある、伊豆のカサゴの写真を見て、うちにある西日本のカサゴの写真を見て、ちょっと自信がなくなったということでした。

 見れば見るほど、どうともいえない斑紋が多くなってきたのです。

 それで、ぼくと、瀬能さんは、加藤さん所にカサゴの標本を、いっぱい送り込む約束をして、ぼくは、何回か送っていますけど、まだまだ標本を集めなければ、何ともいえないところがあるのです。

 とりあえず、胸鰭軟条数が19ならウッカリカサゴだと、18ならカサゴだと見ていっているのですが、側線の白点に暗色の縁取りがあって頬部などにも白斑のある個体で、軟条数が18のものがいるのです。というより、案外19のものがいないのです。これらはカサゴか、ウッカリカサゴか、微妙です。ちょうど、KOUJIさんの写真個体のような斑紋です。

 昔なら、自信を持って、ウッカリカサゴの若魚ですと同定したでしょうが、いまのところ、軟条数が読めないと、完全な同定は難しいのです。

 いま、この写真個体は、ぼくなら、図鑑にはつかいません。どうしても使わなければいけないのなら、カサゴと同定するかな。

 ほんと微妙な斑紋です。

 加藤さんに送りこんだ標本が増えたら、また、解析してもらって、島原半島だけではなくて、瀬戸内のカサゴも研究してもらおうと思っているのですが、いまのところ、それほどの量を送りこめていません。

 身近なとこに謎はあるのです。

 カサゴ類をたくさん釣って、標本にあげるよという人がいたら、連絡をくださいね。

 よろしく。               英人