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[848] クサフグ>ぼくが少年のころ… 
2002/5/19 (日) 05:44:45 小西英人
▼ 西潟正人さん

 ぼくは、47歳です。西潟さんと、そう変わらないでしょう。

 少年のころ、香川県の高松にいて、瀬戸内を中心に釣りにくるっていました。

 あのころ、日本人は貧乏でした。そのぶん日本の自然は、まだまだ豊かなものでした。自然が豊かだと、人は残酷になるのですね。

 クサフグを釣って、そっと逃がすと「こらぁ!ぼうず!叩きつけて殺さんかあ!また釣れるぞ!」と、その辺の知らない、おっちゃんに大音声で怒鳴りつけられたものでした。そのころ、子供は怒られるものであって、おっちゃんとか、大人の権威は、それは凄いものでした。

 ぼくは、びくびくしていました。そのころ、釣りのとき、フグはたたきつけて殺すものだという雰囲気が釣り人にはあったのでした。

 いま、日本は豊かになったけれど、おっちゃんの権威は消え、海は濁り、油が浮いて、護岸はコンクリートでかためられてしまいました。

 でも、フグを逃がして怒鳴られるようなことは、なくなったのでしょう。

 人は優しくなり、幼魚は逃がしてやろうと雰囲気はあります。

 けど、フグまで優しく逃がそうという人は、さすがに少ないのが残念です。役に立たないと無意識に思うのでしょうかね。

 日本は魚類相の豊かなところです。地球の魚類の、およそ5分の1の4000種が、日本周辺にすんでいます。瀬戸内も多様な生物の海です。人に収奪され、息も絶え絶えな海ですけど、まだまだ多くの種数を育んでいます。多様な生物がいてこそ、海は健康になれて、強くなれて、ぼくらを楽しませてくれるのです。

 多様な海を、ぼくらが無意識に受け入れられれば、よくなると思う…。

 一見、役に立たないようなフグでも、釣れたら優しくハリを外して、逃がしてやれるかどうかというのが、釣り人が「ほんもの」か「にせもの」か、生物を相手に一見、命を弄ぶようなことをするような遊びのできる資格が「ある」か「ない」かの分かれ目だと思っています。

 " If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I woudn't deserve to be alive."フィリップ マーロー、かっこいいなあ。

 「釣り人はタフでなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない」と思うのです。

 そういう美学がなければ、釣り人は、ほかの自然保護運動の人々、とくに野鳥の会などの人がいうように、ただの殺戮者なのでしょう。

 食べる魚はきちんと殺して食べる。食べない魚はきちんと外して逃がす。

 魚の写真を撮って、その美しさを見つめていれば、ウツボでも、親指を咬み裂かれても、丁寧にハリを外して、きれいに逃がしてやろうと思うのです。

 そういう魚を見つめる機会を釣り人に持ってほしい…そういうのが、ぼくが一所懸命、魚のことをやる理由でもあります。

 フグは、資格があるかないか、釣り人に問うているのです。

 残念ながら、いまのところ資格がないよという、釣り人の意思表示が海岸線に点々と残っていますが…。

                           英人