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[6205] 移入種>日本産>定義はありません 
2003/5/2 (金) 06:32:42 小西英人HomePage
▼ きくやの常連さん

 外国の魚を日本産と考える定義は…、ないですね。

 研究者の考え方で決まります。

 たとえばタイリクスズキは、『日本産魚類検索 第2版』から収録されています。日本国内での再生産 (産卵して自然繁殖することをこういいます。リプロダクション reproduction の訳語です。一回だけではなく安定していなければなりません)は確認されていません。たぶん、いまのところ、日本での再生産はないと思われます。(もし、タイリクスズキの稚仔魚を見つけたら連絡してね。京都大学の中山博士たちが追いかけているから)それでも、日本国内では十分に増えているようです。

 養殖での規制がかけられない限り、このまま増えるでそうし、そのうちに再生産が始まると思われます。

 実際に日本に、かなり広範囲にいて、見る可能性が高いのと、それを知っておいた方がいいという判断で、『日本産魚類検索 第2版』から収録されたのです。分布のところで「西日本を中心とする沿岸域で養殖されている」と明記されています。条件付き日本産魚ですね。


 ついでにいうなら、はじめぼくは釣り人向けに「ほしすずき」という仮称で、いろいろ書いていました。しかし、このままの名では、日本産魚だと間違えられるからという判断で、実際に中坊さんが和名提唱をするときは「タイリクスズキ」と改名して、産地をはっきりすることにしたのです。

 チャネルキャットフィッシュ Ictalurus punctatus (Rafinesque,1818) というのがいます。和名では「あめりかなまず」といわれたりします。その名の通り、アメリカにいる大型なまずです。

 これ霞ヶ浦などで養殖され逃げだして、毎年、自然状態での稚魚が確認されるので、再生産しているのではないかといわれています。これは、まだ『日本産魚類検索 第2版』には収録されていません。編者になぜかと聞いたことはあります。淡水魚担当の細谷博士の判断でいれなかったようです。細谷さんに、なぜいれなかったのか聞こうと思いながら忘れていました。

 とにかく、研究者の判断によると考えてください。

 ただし、再生産があるかないかは、その判断のとき、かなり重要なファクターにはなりますし、反対に言えば、再生産が確認されたら、日本産と考えてもいいでしょう。けどね、誰かが小さな池で変な魚を飼っていて、それが、再生産したから日本産魚だとはいえないでしょう。そういうことで、研究者の判断が必要なのです。

 実際、淡水魚の世界では、そういう話が多いし、このごろ、ダイビングの世界でも、外国産魚を購入してきて、ダイビングスポットに離して日本初記録種だと騒ぐようなことがあるらしいです。あくまでも噂で、事実が確認されているのではないですが。これ、宣伝になるからやるといわれています。このために日本での初記録を書くときには、そういう可能性まで考えなければいけなくなりつつあります。

 日本はどうなるのでしょうね。まったく。

                          英人