さかなBBSトップ
魚のことならおまかせ。WEBさかな図鑑
釣具の通販・Gear-Lab
HOME 似たもの検索  携帯版  | Gear-Lab

新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

WEB魚図鑑では、2013/7/25より新しいコミュニティをオープンしました。 「このお魚何?」というQ&A専用のページもあります。是非新しいコミュニティを使ってみてください。新コミュへの投稿はズカンドットコムへのアカウント登録が必要です。2013年1月以前にWEB魚図鑑へ投稿したことのある方はアカウントの引き継ぎを行うことができます。


[このスレッドを表示]

[6798] 和名由来&語源って 
▽ 2003/5/31 (土) 18:56:21 ▽ 小西英人 〔HomePage〕
▼ みなさん

 和名の由来とか語源って難しいですよね。

 この3月、やっと魚類学会が「日本魚類学会標準和名検討委員会」をつくったので、これからは標準和名についても取り決めができると思われますが、いちおう標準和名は「業界標準的」に発展してきた紳士協定ですので、由来を突きとめられないことが多いです。

■日本魚類学会標準和名検討委員会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/isj/news/wamai.htm

 学名などは「著者は、新学名を公表するにあたり、その由来を述べるべきである」という勧告が、このごろの国際動物命名規約にはあるので、古い学名をのぞいて、原記載をあたると由来は分かるのですが、和名はいっさいありません。まあ、このごろIOPなどでの和名提唱は、学名にならって由来を明記することが多いようですが…。

 ソウシハギは、草紙剥と書くことが多いです。あの模様が「草紙」のように見えたのでしょう。たぶん古い名前であり、きれいな命名だと思います。

 ヤマモトタチモドキのヤマモト(山本?)の由来は知りません。論文を見たら由来が書いているかもしれませんが、ぼく手元に論文はありません。

 T. Abe & T. Kobata "Observations on some fishes of Sagami Bay-PartII.UO,(21) 1974.

 で提唱しているらしいですから、論文が手元にある人、見てくれたら嬉しいな。ちなみに、この UO っていうのは「うお」で、いまの日本魚類学会の「魚類学雑誌」の前身となったものです。魚類学会の魚雑、すべてをそろえたいのですが、なかなかね。

 1982年に『九州−パラオ海嶺ならびに土佐湾の魚類』のなかで、中村泉博士はAbe & Kobata.1974 でヤマモトタチモドキが提唱されたが、本種の特徴を表す新和名ホソタチモドキを和名として提唱すると、わざわざ断っているところから見て、中村さんに聞いたわけではないですが、献名された和名を潔しとしなかったのかなあと感じちゃいます。学名に献名は多いのですが、和名では嫌う人が多いですね。きりがなくなっちゃうというか…ね。そう考えると、山本氏なんだろうなとは思うけど、きちんとペーパーを見なくっちゃ、なんともいえません。

 いつやら、研究者が図鑑を校閲していて、著者がトウシマコケギンポを、十縞苔銀宝だと勘違いして、十本の縞があるなんて書いているのを怒っていました。これ、採集地の塔島からきているのです。しかし、こういう和名由来を調べるのは、学名由来より大変です。

 ぼくは、標準和名についての勘違いを防ぐために、『日本産魚類検索』を元にした学名データベースから、ATOK用の辞書をつくっています、これで、間違えないし、たとえば、あれ、「ウマヅラハギ」だったかな、「生まずら剥ぎ」だったかなというときも、ちょっと打って変換してみればわかるのです。いいでしょう。

 どんなものか、ちょっと打ってみましょう。

 ウマヅラハギ

 ほらきちんとでてきます。もう一度変換キーをたたくと

 Thamnaconus modestus (G?nther,1877)

 なんて学名も出てきます。いいでしょう。

 著者名に?が入っているのは、ギュンターで、Uがウムラウトになっているためです。これをラテン語表記して間違うといけないし、ウムラウトをいれておくと、通信に使えないとか、いろいろ不便ですから、ぼくは、こうしています。

 学名は命名規約でラテン語表記と決められていますから、ラテン語、つまりアルファベット以外は使えないのですが、著者は、伝統的にウムラウトは使いますね。ちょっと変ですけどね。たとえばリンネだと、スウェーデン語表記ではなく、英語表記が慣用的なのにね。Coryphaena hippurus Linnaeus,1758 のようにね。ロシア人もキリル文字は使えないし、日本人も中国人も漢字は使えないのにね。国際動物命名規約が、英語とフランス語で成立したせいなんでしょうけど。ウムラウトを外してくれたら、編集者としては、ややこしくないのに…。

 脱線した。

 Thamnaconus modestus (G?nther,1877)の辞書には、こんなのも入っています。

 Thamnaconus ウマヅラハギ属です。Monacanthidae カワハギ科です。

 この属名と科名の学名辞書は、野村さんが、niftyのfdiverで活躍していた時代に打ち込みされて発表された物を、ありがたくいただき、成長させています。野村さん、懐かしい話でしょう?

 あああ、脱線だらけだ。

 とにかく、標準和名は、きちんと表記することを心がけています。決して間違えないように、辞書にも入れています。

 ぼくの「勝手押しかけ弟子になって迷惑していいるであろう師匠」の中坊さんは、ちょっとしたメモでも、いい加減に書くと、えらい怒ります。「ウマヅラの標本送りました」なんてメールしたら、それこそ、ぼろくそです。こういう師匠の「しつけ」がよかったせいだと、ありがたく思っております。研究者でも、けっこう和名は略する人が多くて困ります、間違いの元です。

 いろいろ脱線ばかりだな。             英人