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[7155] エツ>臀鰭と尾鰭>連続か不連続か 
2003/7/4 (金) 09:16:16 小西英人HomePage
▼ 魚屋さん

 青沼佳方さんから、「臀鰭最後軟条が尾鰭と連結」するのがエツ属の特徴で、欠損もしくは個体変異ではないでしょうかとの回答があって、そのあと、また質問を、させてもらっているのですが、ちょっと返事がないようなので、とりあえず簡単にまとめさせていただきます。

 エツは学名でいうと

Coilia nasus Temminck et Schlegel,1846

 になります。シーボルトコレクションをオランダのライデン博物館の初代館長テミンクと2代目の館長シュレーゲルが『ファウナ・ヤポニカ』に記載したのです。


 日本動物誌 Fauna Japonica ですね。

 これ、京都大学電子図書館に収蔵されています。

■京都大学所蔵 『Fauna Japonica. Pisces』からエツのページ
http://ddb.libnet.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/b02/image/01/b02s0456.html

 これを見ていただいたらわかるように、エツの原記載の図版は、臀鰭と尾鰭は段差があるものの、はっきりと連続しています。

 松原喜代松の『魚類の形態と検索』(石崎書店・1955年)では、エツ属の検索キーとして、「臀鰭基底は甚だ長く、尾鰭と連続し」と書かれています。

 中村守純の『原色淡水魚類検索図鑑』(北隆館・1963年)では、エツ(マエツ)の写真があって、これは連続しているように見えます。また記載には「臀鰭基底は甚だ長く、尾鰭と連続する」と書かれています。

 あまり信用していませんが、阿部宗明監修の『原色魚類大圖鑑』では、中国、韓国に分布するのを、チョウセンエツとマエツとして、図版の臀鰭と尾鰭は連続し、記載にも、その旨が書かれています。有明海のエツは、臀鰭と尾鰭が離れている図版を載せて、記載ではふれていません。

 益田一他編の『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会・1984年)では、上野輝彌が「臀鰭基底は極めて長い」と書いていて、写真は連続していないように見えます。

 中坊徹次編の『日本産魚類検索 第二版』(東海大学出版会・2000年)では青沼佳方が、エツの見分けの一番目のキーに「臀鰭と尾鰭は連続し」と書いています。

 こんなに簡単なことが、はっきりしないで口惜しいのですが、なにせ、はっきりしません。中国産、韓国産、日本産のエツ属の整理とともに、この辺の外部形態もまとめてやらなければならないのでしょう。

 内外の、いろいろな図鑑を見て思うのは、日本産のエツは、連続したり、不連続になったりの変異があるのではないかなと、これは、まったくの個人的な感想ですが、そう思います。

 残念ながら、ぼく有明海のエツを見たことないし、撮影もしたことありません。

 どなたか筑後川沿いに住んでいる方で、魚屋さんで、エツをたくさん見られる人は、とにかく臀鰭と尾鰭が連続しているのか、連続していないのか、それとも両方混じっているのか、見てくださると、ほんとうに嬉しいです。

 ぼくの手元に、いろいろな論文類がそろっていれば、きちんとした図を見られるのですが、さすがに論文類はありません。

 ごめんね。魚屋さん。中途半端な報告で…。       英人