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新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

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[4153] 安浦>トラフグでしょうか? 
  【魚図鑑参照】
2003/1/1 (水) 23:56:43 渡辺謙司
◆画像拡大
2003年の一発目は、皆様に福が多くありますように願いを込めて!

2002.12/31 広島県豊田郡安浦町三津口湾 13センチ 本虫
湾内で河口の泥底です。コモンフグ、クサフグは多いけど、これは初めてです。

デジカメじゃないので、年を越してしまいましたがよろしくです。

[4159] Re:安浦>トラフグでしょうか? 
2003/1/2 (木) 02:40:09 西潟正人
▼ 渡辺謙司さん
尻ビレが白いようですので私はトラフグだと思います。
この時期の天然物じゃぁ、すごい価値でしょうね。
ところで小西さん。
ナメラダマシと一般に言うカラス(ガトラ)とは、どう違うのでしょうか。私はフグ包丁師免許(神奈川)をもっているのに、どうもわからん。大丈夫かなぁ・・

[4160] 安浦>トラフグ(幼魚)>OKです 
2003/1/2 (木) 07:06:17 小西英人HomePage
▼ 西潟正人さん
▼ 渡辺謙司さん


 黒斑に白い縁取りがあり、西潟さんもおっしゃるように、臀鰭が白いから、トラフグです。背面に白色斑があるのはトラフグの幼魚時の特徴ですが、ふつうこの白色斑は小円斑ではなく、やや虫食い状斑になるのですが、これは小円斑ですね。

 西潟さん、ナメラダマシは、また違うフグです。マフグ(なめらふぐとも呼ばれます)に似ているので、この名前があります。

 カラスはトラフグと、よく似ています。遺伝的にもかなり近く、お互い分化の程度の少ない種だと思われます。一般的な見分けは臀鰭で、白ければトラフグ、黒ければカラスです。またカラスの背部の体色は紫がかった黒色で、ちょっとトラフグの体色とは違います。

 しかし遺伝的な距離が近く、よく似ていて、中間型がよく出ます。これは自然交雑しているのが多いようです。

 臀鰭が黒いといっても、先がちょっと黒いのから、段階的に真っ黒になるまであって、交雑種か、違うのかを判断するのは、よく見て慣れなければ、かなり難しいと思います。

 またカラスは渤海と黄海が主産地で、日本ではあまり獲れず、表層部に多いようで、浮き延縄で獲れます。また沖合性が強いようです。

 トラフグは日本各地に分布し、主に底底延縄で漁獲され、底にすみ、沿岸性が強いようです。

 釣り人は、あまりカラスを意識しないでもいいのですが、調理人としては、カラスとトラフグは見分けなければいけないでしょうね。

                            英人

[4162] 図鑑>トラフグ(幼魚)>登録しました 
2003/1/2 (木) 07:11:41 小西英人HomePage
▼ 渡辺謙司さん

 トラフグのアップありがとうございました。登録しておきました。

                          英人

[4188] Re:図鑑>トラフグ(幼魚)>登録しました 
2003/1/3 (金) 00:52:13 渡辺謙司
▼ 小西英人さん

登録ありがとうございます。フグ科の魚が釣れても喜ぶ釣り人になりました。

釣った時は、臀鰭が白いのでトラフグだと思いましたが、帰って『新さかな大図鑑』初版第1刷のナメラダマシを見て、あれれ?と。分布を見落としていました。

[4190] 図鑑>誤同定のことなど… 
2003/1/3 (金) 06:23:01 小西英人HomePage
▼ 渡辺謙司さん

 『新さかな大図鑑』の1刷のナメラダマシは、誤同定です。ごめんね。あれは、トラフグの幼魚です。ちょっと研究者が誤同定して、ぼくも、そのころトラフグの幼魚が沿岸で簡単に釣れて、背面に白色斑があるというのを知らなかったのです。トラフグの成魚は背面に白色斑はありませんから。

 ごめんなさいね。いま見ると、あの能登の「なめらだまし」は典型的なトラフグの幼魚です。いま手元に資料がないので何刷で直したかわかりませんが、いまの8刷では直しています。

 間違えておいて、偉そうにいうわけではないですが、魚類図鑑に誤同定はつきものであって、注意深く疑って見なければなりません。ぼくも『日本産魚類大図鑑』などでも誤同定を見つけましたし、ふつうの図鑑では誤同定だらけといっても過言ではありません。このまえ、リュウグウベラとキヌベラを迷って『日本の海水魚』を参考に見ていましたけど、これも、ちょっと混乱しています。

 ここで書いたっけな。ぼく、ショウサイフグをコモンフグに見間違えて、「ぼくはあほや」と書いたと思うけど、そのときに、一連のフグの写真をチェックしていて、ぼくの書いた『釣魚図鑑』のナシフグの写真がショウサイフグになっているという、ドチョンボをやっているのに気がついて、3日ほど顔を赤くしていました。

 だれだったか、研究者が、俺らの仕事は、一所懸命整理して、あとで、ここが間違えている、あそこが間違えていると批判の引用をされて、間違えを記録する仕事だ…といっていましたけど、ほんと、間違えの多い仕事であるなあと、このごろ、その怖さの一端が、やっと分かるようになってきました。

 しかし、そのとき、その研究者に、間違えるからこそ、進歩があるのであって、批判を受ける仕事ほど、重要な仕事やんかと、生意気なことを言いました。

 と、関係ないけど、ちょっといいわけ。

 この『釣魚図鑑』の誤同定を、読者にごめんちゃいした、週刊釣りサンデーに連載している『似たモン魚譜』の一文があるので、転載しておきましょう。

                           英人

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『似たモン魚譜』
連載■222

ショウサイフグ●胸鰭上方の暗色斑はないか割れている
VS
ナシフグ●胸鰭上方の暗色斑は菊花状の縁取りがある


■胸鰭上方に暗色斑のあるフグ類は見分けが難しいから気をつけなければいけない…、なんて、ぼくが偉そうに書いたらピピーッと笛を吹いてイエローカードを渡して欲しい。
■ぼくの書いた『釣魚図鑑』(2000年・小社刊)の 136ページ、ナシフグとして掲げている写真は、ここに掲げたショウサイフグである。申し訳ない間違えた。ショウサイフグの背面の斑紋は黒点が集まって複雑な斑紋を描くことが多いのだが、この写真個体のように網目模様のものもいるようだ。ナシフグは尾鰭下縁が白く、胸鰭上方の斑紋が暗褐色で、そのまわりの白斑が菊花状にひろがっているのが特徴だ。ショウサイフグは胸鰭上方の斑紋は、ほとんどないか、斑紋が割れている。ショウサイフグも尾鰭下縁が白いものいる。また両種とも臀鰭は白い。クサフグ、コモンフグ、ナシフグ、ショウサイフグ、マフグ、トラフグなど、たがいに似ている、気をつけなければいけない。ピピーッ。ごめんね。
■本に誤植、魚類図鑑に誤同定はつきものだが、これほど恥ずかしいことはない。本人は顔を赤くして、ひたすら小さくなっているから、どうか堪忍してやってね。小西英人■

[4195] Re:図鑑>誤同定のことなど… 
2003/1/3 (金) 11:33:21 渡辺謙司
▼ 小西英人さん

了解ですよ。年末から、手持ちの『釣魚検索』『新さかな大図鑑』『日本産魚類検索』(全て初版)を並べて悩んでいましたが、楽になりました。ありがとうございます。


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