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[4818] 似たもの検索>怪投乱麻>来週発売号で… 
2003/2/19 (水) 11:30:52 小西英人HomePage
 週刊釣りサンデー3月9日号(発売は来週の水曜日)の『怪投乱麻』で、この【似たもの検索】のことを書いて、読者に試していただけるように呼びかけました。

 転載しておきます。                英人

■怪投乱麻■No.89週刊釣りサンデー2003年3月9日号より
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ぱらぱら。それが面白いのだろう


BBS
瓢箪から駒が…検索ソフト開発の巻


■釣り師の言葉に長物がある。辞書では、ちょうぶつと読み、長すぎて役に立たない物、無用の長物、などとある。だいたい釣り師の言葉が辞書にあると思うのが間違いだ。釣り師が長物といえば、ながものと読む。いや音便形の好きな大阪人は「ながもん」だ。長い長い魚を指し外道の意味が強い。釣り大会などで、対象魚は釣魚、ただし長物は除く、などと使われる。
■しかし、とても曖昧である。ふつうはウナギのような形の魚だ。アナゴ類、ウツボ類、ウミヘビ類だ。問題はない。タチウオは…などといいだすと難しくなる。釣り大会で体形による差がでるのは良くないと考えるとタチウオは長物だろう。タチウオ狙いのおっさんに長物かい、などというと怒られるだろう。外道という意味が強くなる。サヨリはどうか、たぶん長物ではない。ダツはどうか、たぶん長物である。エソはどうか、外道であるけれど長物ではないかもしれないし釣り大会では長物として外されるかもしれない。何が長物か。それは生き様でありキャリアである。釣り人を集め長物を定義させると侃々諤々喧々囂々の議論になるだろう。
       ■
■正月にネット・サーフィンをしていた。インターネット遊びである。「生物多様性研究・広域データベース」なんてとこで遊んでいると、生物画像データベースのことが議論されており日本産アリ類画像データベースの紹介で、マトリックス法という検索法が解説してあった。
■魚を知らなくても、魚を検索できる方法はないかと、昔から悩んでいた。ふつうアンド検索とオア検索を組み合わせる。アンド検索は「黒い&横帯」とすると、黒くて横帯がなければ外してしまう。オア検索では「黒いor横帯」とすると、黒いものか横帯のあるものはすべて選ぶ。あとノット検索で消去したり、いろいろ組み合わせるが融通がきかない。魚のように、黒か、茶か、銀か、何色なんや。曖昧なものの検索は難しい。
■マトリックス法とは、生物の形質を選び、種ごとに形質に数値評価をして、選ばれたら加算し、総合点の高い物に落とす、そういうものらしかった。これ魚につかえないかとNifty釣りフォーラムの、じゅん坊さん、JUNさんとメールを飛ばし、ばしばし議論していたら、いろいろアイデアがわき、一週間もしないまに魚の曖昧検索に関するプロトタイプができた。もうマトリックス法とは呼べない独自の曖昧検索システムになった。とりあえず「似たもの検索」と呼んで【WEBさかな図鑑】に登録された400種あまりの魚のひとつの検索法としてテスト公開した。遊びはじめて一ヵ月で完成してしまった。
       ■
■Googleという検索エンジンをご存じだろうか。玉石混淆というけれど、いけどもいけども石ばかりの茫漠とし荒涼とした礫砂漠がインターネットである。使いものにならない。それを劇的に変えたのが検索エンジンだ。ロボット検索というプログラムが、日夜、礫砂漠を、駆けずり回り言葉を集めているらしい。これだけだと、凄いなで終わるが、Googleはそれを集積するとき、リンクを調べ、偉いか偉くないか自動判断し優劣をつけ、並べ替えて見せる。この辺のノウハウが味噌らしいが、自動だから、いい加減といえば、いい加減である。
■しかし、これが使える。自動でやったとは思えないほど、うまく並ぶ。おかしな物が混じっても、何か理由があって、ほんと面白い。ぼくのような紙の編集者、紙屋が、データベース屋を、ぼろくそいうとき本のぱらぱら感がないといってやる。ぱらぱらページを繰る。何がでてくるかわからない新鮮さ驚き、これこそが思いもよらない知的興奮につながる。予測可能なことなど知的興奮にはつながらない。ところが、この並べ替えにはぱらぱら感もある。知的興奮を感じる時がある。だいたいぼくが棒ならぬマトリックス法にあたったのも、インターネットをぱらぱらしたからだった。
■ひとつ思いついた。魚を検索するとき、ぴたりと落とす必要はない。400魚種のデータベースなら、それを並べ替え、ずらり見せたらどうだろう。検索のための支援システムなのだ。400魚種から探すのは大変だが、10魚種なら簡単だ。ある程度しぼると人の眼の形態識別センサーは凄い。その支援だけでいいではないか。もうひとつ思いついた。言語検索にインクリメンタルサーチがある。入力に応じて、どんどん出力が変わる検索法だ。これを画像でできないか。インクリメンタル画像サーチだ。文系頭が勝手なことをほざくと、できるよと冷静な理系頭の、じゅん坊さんが即座にプログラムを組んでくれた。ぱらぱら魚と遊ぶシステムだ。
       ■
■あなたがブロードバンド環境なら、java版の似たもの検索に入って欲しい。体形は側扁型、体色は黒、斑紋は無斑、尾鰭は湾入、全長は30a、釣場は防波堤、地域は南日本。選ぶたびに下のサムネール画像が、ぱらぱら入れ替わる。インクリメンタル画像サーチだ。魚の写真の下にパーセンテージが表示される。似たもの率だ。この条件で400魚種のうち100パーセントは、イシダイ、スズキ、キチヌ、クロダイの4魚種だ。以下、マダイ、アイナメ、イシガキダイ、タイリクスズキと続く。条件をひとつ変えると、魚の画像は、ぱらぱら変わる。その魚名をクリックすると解説ページがでる。科名クリックで、その科のサムネール画像がずらり並ぶ。こんな便利なものが瓢箪から駒、インターネットから魚。ひょっこりとでてきた。
■長物。こんなもの定義できない。「側扁・長物」と「円筒」と「円筒・長物」にわけた。円筒・長物と選んだ場合、ウナギ類は100パーセント似ているとし、サヨリ類なら90パーセント、エソ類なら80パーセントと判定した。こういう曖昧な判定の積み重ねで全体の順位が入れ替わる。釣り人の曖昧さにもついていける、タフで、柔軟なシステムを構築したつもりだ。
       ■
■魚を知らないあなた。ぱらぱら遊んで欲しい。あなたの未知の魚の名がわかり解説が読めたらシステムは本物、システムに血が通う。1000種の魚類画像データベースを釣り人みんなで目指したい。そして似たもの検索に熱い血を通わせたい。
■来たれ【似たもの検索】に!テスト版を動かし、感想を【さかなBBS】に書きこんで欲しい。曖昧な魚に酔う曖昧な人たち。釣り人にしか、このシステムは育てられないのだから。

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