さかなBBSトップ
魚のことならおまかせ。WEBさかな図鑑
釣具の通販・Gear-Lab
HOME 似たもの検索  携帯版  | Gear-Lab

新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

WEB魚図鑑では、2013/7/25より新しいコミュニティをオープンしました。 「このお魚何?」というQ&A専用のページもあります。是非新しいコミュニティを使ってみてください。新コミュへの投稿はズカンドットコムへのアカウント登録が必要です。2013年1月以前にWEB魚図鑑へ投稿したことのある方はアカウントの引き継ぎを行うことができます。


[▲前のスレッド]

[4844] キビレアカレンコのおまけ 
2003/2/20 (木) 22:57:36
◆画像拡大
こんなんが

[4846] Re:キビレアカレンコのおまけ 
2003/2/20 (木) 23:00:22
◆画像拡大
反対側です

明日は朝が早いのでもう寝ます(年寄りみたい)


[4848] タイノエ>いるのですね 
2003/2/20 (木) 23:09:46 小西英人HomePage
▼ 忠さん

 キビレアカレンコの口腔内にもいるのですね。タイノエ。

 これ、イソポーダ、直訳して等脚類といいますが、フナムシなどと同じ仲間の動物になります。

 マダイに着いているタイノエと、感じが違うような、同じような…。

 イソポーダまで、わからないなあ。          英人

ps
 イソポーダのことなど書いた「パラサイト」の記事を『釣魚図鑑』から転載しておきますね。


■『釣魚図鑑』(小西英人編著・週刊釣りサンデー・2000年)より転載
========================================================
魚あれこれ
ぎょぎょ事典B

それは海の病気を警告した! のかもしれない
パラサイト■

========================================================
■すううううぅぅぅぅいいいいぃぃぃぃっ…。
■群青の海に橙色の浮子が吸い込まれる。至福のひととき、時がのびたかスローモーションの映像が流れる。
■ばしっ。
■絶妙のところで竿を立て、がつんと手応え。嗚呼、この一瞬のため、おっちゃんは生きてきたのだった。
■ごんごんごんごんっ。
■「命」が弾ける。魚だ、魚だ。大きさはどれく…。
■ふわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ。
■竿も、道糸も、一瞬に力をなくし、吹き込まれた躍動する「命」が、ふと抜けてしまった。ああ。なぜ。
■あれえ。あれえ。あれえ。あれえ。変な黄色い餌がついている。こんな餌つけた覚え、絶対ないぞっ!?!?!?
            ■
■そんな経験をした人がいるだろうか。マダイが餌を食って走ったけど、口の中に張りついている「タイノエ」にハリが掛かかり、やりとりしている間に剥がれた。
■鯛の餌、タイノエ。とても俗っぽい名だけど標準和名である。この「えさ」って、いったい何なんだ?
            ■
■イソポーダと呼ばれる大きな大きな動物群がある。ギリシャ語で isosというのは「同じ」という意味、podosは「脚」という意味、イソポーダ isopodaは日本語では「等脚類」と呼ばれる。節足動物門の甲殻綱に属し、もともとは海産動物で、生息域は海岸から10000mの深海にまでおよぶ動物群なのだが、淡水や陸上にもいる。フナムシやワラジムシ、ダンゴムシなどが有名だ。
■タイノエは、このイソポーダの仲間になる。
■「等脚」というように、この仲間は七対の胸部の脚が歩行肢になり、その形は似る。胸脚は本来は八対だが最初の一対は口器になることが多く顎脚と呼ばれる。
■タイノエはマダイの口腔の上に、ぴったり張りついていることが多い。これが雌で大きい。よく見ると、あと数個体いることが多く、これらは小さくて雄である。タイノエは雄性先熟の雌雄同体で、最初に寄生したのが大きくなって雌になり、次に寄生したものは雄のままだ。雌は腹部に「育房」と呼ばれる保育室を持っており、そこで卵を保育し成虫に近い形の幼虫を産出する。
■口器で宿主に傷をつけて流れでる血を吸う。宿主特異性というのがあり、タイ科魚類に寄生するのはタイノエだ。マダイにはけっこう寄生している。「どきっ」とするが、実害はない。宿主が小さいと、口腔が変形し、いびつになることもあるが、まったく心配はない。
            ■
■おなじような仲間に、サヨリの鰓蓋などにつくサヨリヤドリムシがいる。これは外側にひっついているので驚くが実害はない。体や鰭にくっついているウオノコバンというのもいる。これは二本の黄色縦帯が目印だ。深海にすむ魚によくつくのがグソクムシで、深海になると巨大種が増えてダイオウグゾクムシなど体長40pになるという。見たくないよね。これらがイソポーダの仲間。
            ■
■コペポーダと呼ばれる動物群もいる。やはりギリシャ語で copeというのは「櫂」という意味、podosは「脚」という意味、コペポーダ copepoda は日本語では「撓脚類」と呼ぶ。撓とは撓むという漢字で、木偏でも書き、不撓不屈などの熟語にも使われるが、撓めた木の意から「櫂」のこともいう。カイアシ類とも呼ぶ。胸脚を舟の櫂のように使って泳ぎ、この名がついた。節足動物門の甲殻綱に属する動物でミジンコがよく知られている。
■コペポーダは熱帯から両極地方、水深10000mの深海からヒマラヤの標高5000mまですむ。コペポーダや、その幼生は、重要な海洋プランクトン(plankton=ギリシャ語で漂うという意味)で魚の餌になっている。ヒトは知らず知らず、魚を通じコペポーダを大食している。このコペポーダ、稚魚を食べたり魚に寄生する種も多い。
            ■
■俗に「うおじらみ」とも呼ばれる「カリグス」というのがいる。学名の属名から、そう総称されるが、5o前後の大きさで、丸い頭胸部に小さな胸部や腹部がついているような形だ。魚の体表や鰓につく。
■細長い黒いボディに白い尾がついた紐というか、まるで「タグ」というか、そんなものが魚の体にぶら下がっていることがある。サンマにつくものはサンマヒジキムシと呼ばれるが、これらは、その学名の属名から「ペンネラ」と総称される。数センチから数十センチもある長いもので、寄生虫とは気づかないかもしれない。
■魚の目玉から、1pほどの、妙なものが出ていることがある。メダマイカリムシなどのイカリムシ類だ。
■これらが魚につくコペポーダと呼ばれる寄生虫で、形態はさまざまである。数センチから数十センチと、大きく目立つので、気持ちは悪いが人への害はない。
            ■
■ここまでは、魚の外部に寄生して、よく目立つ寄生虫(パラサイト)を紹介したが、すべて人に対しての実害はない。気持ちが悪いだけだ。このほかに魚体内に寄生する「虫」類、さまざまな動物群は多く、淡水魚や汽水魚は人に害のあるものも多く寄生し、生食はできないのだが、海産魚で人に害のある寄生虫は少ない。
■その数少ない害虫、アニサキスをみてみよう。
            ■
■アニサキスは線形動物門に属する、いわゆる線虫類、ぎょう虫とか回虫が有名だ。アニサキスとは、学名の属名から、そう総称される。アニサキスは海産哺乳類につく寄生虫で、卵は糞とともに海水中に排出され、オキアミ類や、魚などを中間宿主として生活し、海産哺乳類の体内で成虫になる。人は終宿主ではないのでアニサキスの幼虫は人の体内で成虫にはなれない。
■そのため、アニサキス幼虫を人が食べてしまっても、ふつうは排泄されてしまう。ところが時に、数匹の幼虫が、人の胃腸壁に侵入して苦しめる。いわゆる「幼虫移行症」と呼ばれるもので、激しい腹痛、吐き気、そして嘔吐が症状。幼虫の穿入部位により胃アニサキス症、腸アニサキス症などと呼ばれる。
■サバ、ニシン、スルメイカ、アンコウ、ヒラメ、イワシ、タラ、サケ、サンマなどの北洋回遊魚を生食するときは、魚をよく見て調理し、腹部の筋肉はあつく切り取って捨てる。腹部周辺の幼虫侵入率が、ふつうは九割以上と高いので、内臓は生食しない。十分に煮たり焼いたりしておくと幼虫は死滅する。冷凍の場合はマイナス20度で24時間以上冷凍する。簡単な冷凍では死なない。虫体は傷を受けるとすぐ死ぬので、よく噛んで食べる。鮮魚を放置すると幼虫は内臓から筋肉に移行するといわれる、なるべくはやく内臓を取り除いておくとよい。
            ■
■さまざまな「虫」も知っておきたい。海が健康なら魚も健康であり、魚が健康なら虫にひどくやられることはない。お互い、いままで生き抜いてきたのだから。急に寄生虫が増えたりしたらおかしい。海が病んだのかもしれない。寄生虫は海の「健康状態」を教えてくれる。

初出●『磯釣りスペシャル』1999年11月号


[▼次のスレッド]