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[10593] 標準和名>マゴチをめぐる冒険…3 
2004/3/13 (土) 10:39:24 小西英人HomePage
▼ びしまぐるいさん

 用事があるけど、ちょっと書いちゃいます。

 標準和名の「マゴチ」なんて変更は不必要であると批判している研究者は、瀬能宏博士です。

 『虫の名、貝の名、魚の名』(東海大学出版会・2002年)で、マゴチという標準和名が使用されたのは、中坊の『日本産魚類検索』が最初であるとしています。マゴチに変更した理由は明記されていないが、マゴチは瀬戸内海西部のコチの地方名であり、ヨシノゴチとの対比から変更したのではないかとも書いてはります。しかし、なぜ、コチとヨシノゴチにしなかったのか。水産重要魚種の長く安定していた名称を変更することによる影響はかなり大きいのではないかと批判されています。

 ぼくは、この件に関して、中坊さんのお話を聞いたことはありませんが、中坊さんは、研究者として学名が重要であり、標準和名は、わかるようにきれいにしておけばいいじゃないかと、あまり窮屈には考えないタイプです。

 ぼく自身は、コチというのは、コチ科全般を指す一般名称と間違えやすいし、マゴチというのが、まったく使われていないこともないし、瀬戸内だけの地方名でもないし、マゴチの方が、混乱はないと思っています。

 瀬能博士も、中坊博士も、ともに『日本産魚類検索』の著者でもあるし、ともに日本魚類学会の標準和名検討委員会の委員になってはりますから、これから、議論が続けられるだろうと思っています。

 ちなみに『日本産魚類検索』以後、マゴチの学名は、Platycephalus sp.2 とされています。これは学名ではありません。コチ属の1種という意味で、それではわかりにくいから、この本のなかで、ヨシノゴチ Platycephalus sp.1 と分ける意味で、1,2とナンバーをふっているだけです。

 これ、かなり難儀な現状で、名無しの権兵衛であって、和名でしかわけられないという状況なのです。

 この研究をしているの琉球大学の伝説の研究者、吉野哲夫さん。

 吉野先生が、なかなか論文を書いてくれないから、学名の決定ができなくて、みんな困っています。

 この辺の学名の考え方を【怪投乱麻】で書いていますので、興味のある人は読んでみてください。

【怪投乱麻】vol.103● 魚類学●バタビアの軍医が記載したのだの巻
■週刊釣りサンデー2003年10月5日号より転載http://fishing-forum.org/hideto/ranma/2003/103/103.htm

                         英人