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[10730] ハタ科>見分け方… 
2004/3/26 (金) 06:38:10 小西英人HomePage
▼ 義経~さん

 ハタ科もフサカサゴ科もほんと難しいですね。

 ある研究者が、ハタ科を見るとき、斑点があると「うわあ、てんてんハタや」といって、嫌がっていました。まあ、嫌がっているのか、喜んでいるのか、分かりませんが、体側に斑点のあるハタ類は、案外難しいのです。

 これの見分け方なんて、みんなの前で書くのは、ほんと恥ずかしいのですが、まあ簡単なものを書きますね。なぜ恥ずかしいのに書くかは、これを読んでください。

■【怪投乱麻】vol.102 ●電子図鑑 連夜の裸踊りは恥ずかしいなあの巻
http://fishing-forum.org/hideto/ranma/2003/102/102.htm

 まず、コモンハタは、かなり珍しいハタ科だと思っています。ぼくは実物を見たことがありません。

 実物を見たことがないのに、写真同定するというのは、なんていうのかな、ちょっと消去法に近い同定になるのです。あれでもない、これでもない、それでもないから、これに落ちるんだろうな…、ぶっちゃけていうと、こんな感じですね。これ、ぼくの浅い経験則から言うと、間違えやすいのです。

 しかし、実物をしげしげ見たことのある魚しか見わけられないのなら、ほんと、数に限りができてしまいますよね。

 まあ、とにかく、コモンハタは珍しいと思います。『新さかな大図鑑』にも、一般用の図鑑としてはいちばん収録種数の多い山と渓谷社の『日本の海水魚』にも載っていません。

 東海大学出版会の『日本産魚類大図鑑』(1984年)には片山正夫博士の解説で載っています。この写真で見ると、ほとんど斑紋はなく、小黒点がまばらに体側上半部にあり体側中央のは縦に並ぶ傾向がある…という、義経さんの写真個体と、ほぼ同じ個体の写真が載せられています。

 だいたい、「てんてんハタ」は難しいのですが、見るポイントは、斑点の大きさ、色、散らばり具合で、まず網目を形成するか、しないか、その斑点は、瞳孔より大きいか小さいかなどを見ます。そのあと、頭部にはあるか、各鰭にはあるか、とくにハタ科の場合、胸鰭、腹鰭などにあるかないかが、けっこう重要だったりします。

 しかし、義経さんのほど斑点が少ないハタは、珍しくて、だいたい頭部に、ほとんどありません。

 これで、ほぼ、コモンハタだと思えるのですが、ぼくの場合、実物を見たことがないのですから、その程度で、そうですよとはいえません。ハタ科は、変異が大きく、また老幼によって斑紋が違いますから怖いですよね。

 それで、まず、フィッシュベースを見て、斑紋変異を見ます。けっこう大きいようだというのが、おもにランドール博士の写真ですが、わかりますよね。ただし、フィッシュベースの写真は、けっこう、首をかしげるようなのが多いですから、頭から信用しない方がいいです。

 次に、ランドール博士とヒームストラ博士の書いた、"Indo-Pacific Fishes"の20巻、"Revision of Indo-Pacific Groupers" のコモンハタ、Epinephelus epistictus (Temminck et Schlegel,1842) を見ます。記載を読み、写真を見ます。斑点が体側中央部にある個体です。また、この本では、インド・太平洋のマハタ属は網羅されていますので、あと、まばらな小黒点が体側にある、ほかの種がいないかどうかチェックしておきます。

 このときに、産地が重要なのです。義経さんだから、福岡だろうなと思いつつ、もし魚屋で購入したものであれば世界中に広がる可能性がありますから、ちょっと違う文献で世界のハタ科も目を通しておきます。これで、ないから、ほぼ消去法で大丈夫かなと思います。

 ついでに、片山博士の"Fauna Japonica Serranidae"Katayama,1960 も見ておきます。

 学名は Epinephelus epistictus (Temminck et Schlegel,1842) で、テミンク、シュレーゲルだから、シーボルトコレクション、模式産地は長崎だろうと、すぐ推定できますが、片山博士ので、長崎と確認して、福岡なら大丈夫だろうと、ちょっと安心します。

 まあ、そんなこんなで、見たこともないハタ科を、コモンハタでしょう…なんて偉そうに書いています。ごめんね。

 長くなったけど、ポイントは、体側のまばらな小黒点です。

 小黒点は頭部にはなく、上半部に多いようで、体側中央部のが並びやすい傾向があるようですけど、変異はあるようです。

 各鰭には、小黒斑はあったり、なかったりするようです。

 これくらいの範囲を、コモンハタだと研究者がしているようですから、ぼくはコモンハタだろうと判断しました。

 調べたけど、見たことはないので、「思います」と断定は避けたのです。

 アズキハタは、斑点が大きく、赤っぽく、体も細長くて、白色縦線が2本走って、わりあい見わけやすいですよ。これは何度か見ているからね。

                           英人