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[11340] クロガシラガレイ>OKです 
2004/5/11 (火) 07:44:18 小西英人HomePage
▼ DCさん

 背鰭、臀鰭、尾鰭に黒色帯が明瞭にあり、胸鰭上方の側線湾曲部が深く、尾鰭後縁が白くなっています。典型的なクロガシラガレイだと思います。

 けど、しげしげ見ますと、ほんと、マコガレイとの形態的な差って、ほとんどないですねえ。

 クロガシラガレイは、マコガレイの新参シノニム、同物異名だという研究者もいます。ぶっちゃけていうと、クロガシラガレイって、マコガレイのこととちゃうのんということです。この両種は、混乱したまま分けられています。

 「マコガレイおよびクロガシラガレイの集団遺伝学的解析」鈴木伸明・尼岡邦夫(1996年度日本魚類学会年会講演要旨)から、ちょっと書きますね。

 無斑型(マコガレイタイプ)と黒色条紋型(クロガシラガレイタイプ)が混在している函館湾の集団をアロザイムから分析して遺伝子頻度にまったく差はなく形態的にも差はなかった。

 北海道から九州までの7地点8集団から形態形質比較したけれども差はなく、遺伝的な距離も小さかった。

 これらの結果は、両者は同種である可能性を示唆する。

 と、以上のような研究です。

 ただし、歯牙の形態、構造から、マコガレイとクロガシラガレイは別種であるという研究もあります。

 「ツノガレイ属の歯牙の形態」打木研三・多紀保彦(1993年度日本魚類学会年会講演要旨)によると、簡単に言うと、ツノガレイ属にも歯牙の先にエナメル質の部分があり、これの形態や構造は、マコガレイとクロガシラガレイは別種であるという見解を支持するそうです。

 けれども、機能歯(実際に使われている歯のことです)は、形態をころころ変えるから、遺伝的な関係を見るならば、機能歯より、歯全体の様式を見なければならないという考え方もあります。毎日毎日、すごい圧力の掛かる歯は、眼の前で構造を変えていってしまうことがあるのです。歯の生え替わり様式などは、そうそう変化しません。

 ともあれ、マコガレイとクロガシラガレイには、議論があるとだけ、理解してください。

 学会の講演というのは、確定的な研究と言うことではなく、ちょっと問いかけて批判をまったり、これはやっているから、他がやっては駄目だよというような唾つけ的な意味もあります。きっちりとしたものではありません。

 また、遺伝子の解析技術は、近年、凄まじく進歩し、このマコガレイとクロガシラガレイに使われたアロザイム分析などは古典的な感じさえします。

 メバルの3種を分離した、AFLP法なんて、ほんと説明できないけど、凄いよ!

 まあまあ、そんな話もあるということでね。カレイ類って、ややこしく、だからこそ、エキサイティングな分類群ではあるのです。

                           英人