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[14021] 書評>『性転換する魚たち』>岩波新書のHP 
2004/10/17 (日) 11:12:13 小西英人HomePage
▼ みなさん

 岩波新書のHPに、この『性転換する魚たち』の紹介と目次が入っていますので、どうぞ参考にしてください。

http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0409/sin_k193.html

 それにしても。

 生態屋さんは、『魚類の社会行動』もそろったし、岩波新書で、いい教科書ができて羨ましいなあ。

 なんやかやいっても、岩波新書、ブランドはブランドであって、ここのラインナップには感心します。

 行動生態屋さん…『性転換する魚たち』

 分子生物屋さん…『生物進化を考える』

 生物地理屋さん…『イワナの謎を追う』

 そして絶版になっていて残念ですが

 初期発生屋さん…『稚魚を求めて』

 なんて、それぞれの分野に名著がそろっていて羨ましいです。

 『生物進化を考える』これが、新書で、安くて手にはいることを、日本は世界に誇ってもいいと思います。木村資生は、日本より、世界で有名であって、いま何万年前に分岐したなどと、見てきたようなことを研究者たちが議論できるのは、木村のおかげなのです。早死にして残念でした。生きていればノーベル賞をもらっていたと、ぼくは信じています。

 遺伝子による、進化論が分からないという人は、とにかく、この本からはじめたらよろしい。

 『イワナの謎を追う』これ、大分前に読んだので、ちょっと忘れてもいますが、とにかく主に北海道のイワナ属の斑紋から、だんだんだんだん話は壮大なドラマになっていって、生物地理学的な考え方というのを、この本から学んだように思います。

 『稚魚を求めて』これは稚魚屋さんのバイブルでしょう。日本で初期発生をはじめた巨人、内田恵太郎さんの青春譜が、生き生きと描かれていて、最後は思わず涙するほど感動したのを覚えています。学会でも、稚魚屋さんたちが、あんなに熱心なのは、この巨人、内田さんのおかげなんだろうなあと、ふと、思ったりします。

 あと、岩波新書では『アユの話』宮地伝三郎の名著もありましたねえ。

 魚類分類屋さんに知己が多く、また、のめりこんじゃったぼくとしては、こういう一般書に、分類屋さんのものが、まったくないのが残念で残念で、口惜しいですね。多士済々なのになあ。

 分類屋さんは、忙しいから、一般書を書けないから…なんていうと、他の分野の研究者に怒られそうです。

 分類屋さんは、基礎学問なのに、社会の理解がなく、大変だ大変だと、よくぼやきますが、やはり、一般書をきちんと書いて、分類というものを、やさしく広めて欲しいと思っています。どんなに忙しくてもね。

                            英人