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[15169] ついでに書評>種の起原 
2004/12/13 (月) 22:38:28 ぷいぷいユッケHomePage
初版と第6版ともに読みましたので、ざっと書いておきます。

その前に読んだ本を挙げておかなくては……。

初版:
 訳者:徳田御稔(編者兼)・小西国義・柴内俊次.
 1959年発行,(株)三一書房.

第6版:
 訳者:掘 伸夫・掘 大才.
 1989年発行(第二刷),槇書店.

初版については訳出は第5章までで、それ以降は簡単な内容紹介となっており、
第6版までに改良された点や、ダーウィンの理論の問題点などを挙げている内容が付け加えられているものになっています。

私は全訳の第6版から読んでから初版に手を伸ばしたので、
その点では自分では気付けなかったダーウィン論の問題点に気付けたので、
勉強になるなと思いました。


さて、内容はどちらも「種の起原」を要約または全訳したものですから、
ダーウィン自身の経験や、魚類の命名者としてもよく目にするキュビエやギュンサーや高校生物で習う筋繊維の「滑り説」を唱えたハクスリ(ハックスレー)などといった有名人からの見聞を活かして、自分の論理を主張する内容となっています。

一般に信じられていた、種は個別に神が創造したものであるという「創造説」は既に博物学者の間では疑念を抱かれつつあっったことや、自然淘汰(自然選択)説がどのような根拠で生じた考え方であるのか、またダーウィンが世論や「創造説」を唱えていた宗教に、どれほど悩まされたかもよくわかります。

とにかく、初版でも第6版でも根本的な部分である、生物は進化するものだという訴えは変わっていません。
この創造説が信じられていた当時、「種の起原」を読んだことのない人または内容を理解できなかった人が多かった事実は、ダーウィンの顔を猿と合成させたような絵が出回ったことや(これは初版にも書かれていませんが…)、初版にも書かれている「種の起源」の品評会での出来事からもわかります。
むしろ、頭では理解できても、受けいれたくなかった人もいるようですね。
また、初版ではダーウィンの死後、どのように「種の起原」が広まっていったのかという記述もあります。

進化学の原点として、また分類学や生態学、形態学、発生学、地質学などなど様々な分野に関わりのあるものとなっており、小西さんも前に書いていた通り、よくぞ考えついたなぁと感嘆とせずにはいられない内容です。
個人的には、考えてみれば当たり前のことですが、本能も遺伝し、変容していくことや、魚が鰾からも少し呼吸していて、肺に転じていったということは、初めて知ったことのうちで印象に強く残っています。

それと、初版の方がダーウィンの意見が素直に出ていて、読み易い内容でした。
第6版は長々と、そしてより慎重に論を進めており、論に対する事例を幾つも列挙していることは勉強にはなりますが、読みにくい印象があります。
しかし、第6版と初版ではダーウィンの考え方が変容した通り、内容も少し変わっています。これは見逃せないところでしょう。

とにもかくにも、やはり歴史的に有名な書物は読む価値があるからこそ、有名なんだなと思った次第です。
いやぁ、こんなんで書評になっているのかも疑問ですが……とりあえず、こんなところにしておきます。(^_^;;