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新コミュニティ(掲示板)オープンのお知らせ

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[11212] いすずみ? 
2004/5/4 (火) 07:44:47 KANE
始めまして、東京都の神津島に暮らす者です、本ページに記載されているイスズミとノトイスズミの違いが今一よく判らない(画面上)のですが、私らは色形で現物を判断してます。もっとわかりやすい参考画面は無いのでしょうか?

[11213] イスズミvsノトイスズミ>難しいですね。 
2004/5/4 (火) 09:45:09 小西英人HomePage
▼ KANEさん

 神津島ですか、いいところにお住まいですね。「神津島便り」など、釣れる魚の写真とともに、また書いてみてください。

 イスズミとノトイスズミ、すみません、写真ではほんとうに見わけにくいです。写真と言うより、実物でも、死んでしまうと、いままで研究者さえ見逃していたほど、ほとんど見分けがありません。

 写真同定など、無理ではないかと思いますが、まあ、ノトイスズミの発見、記載をした、のと海洋ふれあいセンターの坂井恵一さんに教えられながら、よたよたがんばっております。そんなこんなで、【WEB魚図鑑】の写真で見て、びしっと分けられないのはほんとです。ごめんなさい。

 【WEB魚図鑑】にもいれてありますが、発見命名者の、坂井恵一さんの簡単な見分け方を、引用させてもらいますね。

■イスズミは、やや大きな鱗をもち、体色は銀白色で、体の縦帯と鰓蓋後縁は黄色、または真鍮色を呈します。

■ミナミイスズミは、鱗の大きさはノトイスズミとほぼ同じ状態ですが、体色はおおむね銀灰色、30cmを超える個体は大きな臀鰭を持ちます。体側の縦帯は灰白色、鰓蓋後縁は濃い灰色または黒色を呈します。また目から吻端は斜めストレートの輪郭を呈します。

■ノトイスズミは、小型の体側鱗を持ち、体側の縦帯は茶褐色、鰓蓋後縁は黒、または濃い茶褐色の個体が多いようです。また目から吻端は下方に曲がった輪郭を呈します。

 ぼくの感覚で簡単にいえば、イスズミは銀色で、黄色い縦線が走り、臭い糞をたれることを別にすれば、美しい魚です。

 ミナミイスズミは、どちらかといえば青っぽい銀色に輝き、体側に縦線はありません。

 ノトイスズミは、汚い茶色で、吻がまるく、いちばん不細工ではありますが、派手でないぶん、メジナに間違われたりして、特にクロメジナを見たことのない人は、おかしなメジナが釣れたけど、これがクロメジナでしょうかという釣り人もいます。これは冗談ではなくて、いちど、徳島地方のある磯渡船の船頭から、クロメジナだと言われ、不思議に思った釣り人が、持ちこんできたことがありました。たしかにクロメジナと間違えても仕方がないような魚体でしたが、歯は単尖頭で、(メジナ属は3尖頭になります)まちがいなくノトイスズミ、一所懸命説明したら、がっかりして帰りはって、気の毒でした。

 小学館のビーパルなどに、よく書いてはるライターの、かくまつとむさんと親しいのですが、彼の著書『竿をかついで日本を歩く』のなかの「伊豆大島のササヨ」の章で、イスズミとノトイスズミのこと書いてはります。簡単に言うと、伊豆大島で「ササヨ」と呼ぶのは、美味しいイスズミ類のことで、これはノトイスズミになり、臭くて不味いのは「金七」と呼ぶ、黄色縦線のはっきりしたイスズミのことだといいます。

 これ、神津島でも同じでしょうか?

 きちんと見わけるためには、鰓耙数、側線鱗数、背鰭軟条数、背鰭と臀鰭軟条の形状をみます。

 坂井恵一さんが、ノトイスズミの発見談と、日本産イスズミ属の見分け方を、のと海洋ふれあいセンターだより『能登の海中林』2004年3月号、20号で書いてはります。「日本のイスズミ属魚類」というタイトルです。URLを入れておきますので、参考に読んでみてください。PDFファイルです。

■『能登の海中林』20号
http://www.pref.ishikawa.jp/nmc/No_20.pdf

 そうそう京都大学の甲斐博士も、この『能登の海中林』19号「メバルは3種に分けられる〜隠れた「種」を見つける」で、メバルのことを書いてはります。遺伝子解析のこと、これ以上はできないなあと思われるほど平明に書いてはります。みなさん、読んでみてください。

■『能登の海中林』19号
http://www.pref.ishikawa.jp/nmc/No_19.pdf

                        英人

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