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[18490] オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
  【魚図鑑参照】
2005/5/10 (火) 10:46:08 上田龍太郎@伊豆サーフ
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昨日の続きを投稿させていただきます。

今、私が一番悩んでいる種がゴールデン−ラインド・シラゴ(S analis)です。
サンド・シラゴのところでも書いたように、各鰭の軟条数や側線鱗数など両種はかなりかぶっており、同定の決め手に欠いています。

唯一、ゴールデン−ラインド・シラゴには「胸鰭基部の黒斑がない」のが大きな違いのようですが、果たしてこれだけで判断してよいのでしょうか? サンド・シラゴの中にも生きているときには黒斑がないもの(シドニー水族館での写真参照)もあるようですので・・・?

そこで、怪しいと思われる個体を3例ほど投稿させていただきます。
いずれの個体もタウンズビルの砂浜で釣りましたが、釣った日にちや場所はそれぞれ異なります。

まず1個体目の釣った直後の写真です。
胸鰭基部に黒斑がないので「もしや?」と気になり、帰宅後、鰭などの各部拡大写真も撮ることを思いつきました。

[18491] Re:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
  【魚図鑑参照】
2005/5/10 (火) 10:47:21 上田龍太郎
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同じ個体の死後12時間位経過した状態です。
やはり胸鰭基部の黒斑は現れていません。
ちなみにこの個体は、第2背鰭1棘17軟条、臀鰭2棘16軟条、側線鱗数61枚でした。

[18492] Re2:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
2005/5/10 (火) 10:48:38 上田龍太郎
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第1背鰭の拡大写真です。

[18493] Re3:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
2005/5/10 (火) 10:50:13 上田龍太郎
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第2背鰭の拡大写真ですが、全ての軟条が写っていなくてすみません(^^;

[18494] Re4:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
  【魚図鑑参照】
2005/5/10 (火) 10:52:01 上田龍太郎
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胸鰭基部と腹鰭の拡大写真です。
胸鰭基部を拡大すると、微妙に濃い色素胞があるように見えますが、黒点とは違うような気が・・・???

[18495] Re5:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
2005/5/10 (火) 10:52:53 上田龍太郎
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臀鰭の拡大写真です。

[18496] Re6:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
2005/5/10 (火) 10:53:35 上田龍太郎
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尾鰭の拡大写真です。

[18497] Re7:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
2005/5/10 (火) 10:56:26 上田龍太郎
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ゴールデン−ラインド・シラゴ?と疑わしい2個体目です。

これも死後12時間経過していますが、胸鰭基部の黒斑が微妙にあるような気もします?
でも、前に投稿したサンド・シラゴの黒斑に比べると、かなり薄いものです。
この個体は、第2背鰭1棘18軟条、臀鰭2棘16軟条、側線鱗数61枚でした。


[18498] Re8:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
2005/5/10 (火) 10:57:41 上田龍太郎
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2個体目の、問題の胸鰭基部周辺の拡大写真です。
黒斑なのでしょうか???

[18499] Re9:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
2005/5/10 (火) 11:04:08 上田龍太郎
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第2背鰭の拡大写真です。

[18500] Re10:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
2005/5/10 (火) 11:06:22 上田龍太郎
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第1背鰭および側線上方鱗数を示した写真です。

[18501] Re11:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
2005/5/10 (火) 11:07:50 上田龍太郎
◆画像拡大
臀鰭の拡大写真です。
状態が悪くてすみませんm(__)m

[18502] Re12:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
  【魚図鑑参照】
2005/5/10 (火) 11:11:53 上田龍太郎
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ゴールデン−ラインド・シラゴ?と疑わしい個体の3例目です。

これも死後12時間経過していますが、胸鰭基部の黒斑は現れていません。
この個体は、第2背鰭1棘17軟条、臀鰭2棘16軟条、側線鱗数61枚でした。


[18503] Re13:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
  【魚図鑑参照】
2005/5/10 (火) 11:12:55 上田龍太郎
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3個体目の胸鰭基部の拡大写真です。

[18504] Re14:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
  【魚図鑑参照】
2005/5/10 (火) 11:14:16 上田龍太郎
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第1背鰭と側線上方鱗数を示した写真です。

[18506] Re15:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
  【魚図鑑参照】
2005/5/10 (火) 11:31:33 上田龍太郎
◆画像拡大
第2背鰭の拡大写真です。

[18507] Re16:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
  【魚図鑑参照】
2005/5/10 (火) 11:32:31 上田龍太郎
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臀鰭の拡大写真です。

[18508] Re17:オーストラリアのキス科魚7(ゴールデン−ラインド・シラゴ?) 
  【魚図鑑参照】
2005/5/10 (火) 11:33:11 上田龍太郎
◆画像拡大
尾鰭の拡大写真です。

[18510] 豪州>キス科>ゴールデン−ラインドシラゴ>OKです 
2005/5/10 (火) 14:36:18 小西英人HomePage
▼ 上田龍太郎@伊豆サーフさん

 FAO SPECIES CATALOGUE" Vol.14 Sillaginid Fishes of the World. Roland J. McKay,1992 を見ながら書きます。キス科魚類でまとまっているのは、これしかありません。

 マッケイはサンドシラゴと、ゴールデンラインドシラゴは、同胞種 sibling species だと、わざわざ注記を入れてはります。

 同胞種とは、岩波の『生物学辞典・第四版』によると…。

生殖的に隔離されており,同所的に生息するが,形態的にはほとんど区別できない近縁な2種(あるいは近縁種の一群).ウスグロショウジョウバエDrosophila pseudoobscuraとその近縁種D.persimilisが古典的な例として著名.同胞種は完全な生物学的種であるので,たとえ形態的にほとんど識別できないとしても,互いに独立種として命名される資格を備えている.しかし,最初は同胞種とされたものも,研究の進展により明瞭な形態的差異があとから検出される場合が少なくない.

 なんて書いてはります。

 ほんと、これは難儀で、種分化がそれほど進んでいないためだと思われます。

 マッケイは同胞種だと断り、体色と、しばしば側線鱗数で見分けられるとも書いています。

 マッケイが書いた、体色と側線鱗数を見てみましょう。

■サンドシラゴ Sillago ciliata Cuvier,1829
◎色=胸鰭基底に暗色斑があり、成魚の体色は一様で暗色横帯や暗色斑はない
◎側線鱗数=60〜69枚

■ゴールデンラインドシラゴ Sillago analis Whitley,1943
◎胸鰭基底に暗色斑はなく、体色は明るい銀色で、上半部がやや暗い。にぶい金色もしくは黄色の縦帯が側線の下を走る。腹鰭と臀鰭は黄色っぽい。胸鰭は小さな黒褐色点がちらばり暗く見える。
◎側線鱗数=54〜61枚

 ということは、微妙な体色で見分けるか、60〜61枚でない場合は、側線鱗数で見分けろということですね。

 これは、きついです。

 上田さんの個体は、3個体とも、61枚だから、側線鱗では見分けられません。

 微妙な色で見分けろということのようです。

 ゴールデンラインドシラゴの写真が載っている図鑑は少ないのでが、"Grant's Guide to Fishes Eighth edition" Grant,1999 にはあります。全体に黄色っぽいというか金色っぽいキスではあります。

 以上のようなことを踏まえて、上田さんの写真を見ると、3個体とも、黄色いラインが体側を通っているようですし、胸鰭基底に黒斑はないし、胸鰭が小黒点で暗く見えるのなど、特に1個体目は顕著だと思います。

 マッケイが色で見るしかないと言っているのですから、ここでは、ゴールデンラインドシラゴで、いいと思います。

                     英人

[18512] Re:豪州>キス科>ゴールデン−ラインドシラゴ>OKです 
2005/5/10 (火) 18:31:49 上田龍太郎
▼ 小西英人さん

同胞種と言う言葉を私は知りませんでしたが、サンド・シラゴとゴールデン−ラインド・シラゴがそういう関係だと聞いて、何となく納得しました。
この国の釣り人に違いを聞いてみたこともありますが、よく分からないという人の方が多かったような気がします(陽気なオージーには「そんなことはどうでもいいじゃない?」という人が一番多いようですが(^^;)。

いずれにしても、とりあえずゴールデン−ラインド・シラゴと認めていただき、嬉しく思います。

体色については、確かに釣った瞬間、金色っぽい個体も多いような気がします。
ただ、金色に輝く個体はほとんどリリースサイズ(23cm以下)なのが、難点です。

今後は、釣った魚の側線鱗数を素早く数える技を磨き、側線鱗数が60未満の個体を重点的に探して行きたいと思います(^^;

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