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[71686] 本栖湖のクニマスらしき個体 
  【魚図鑑参照】
2010/12/20 (月) 21:58:19 葱坊主HomePage
◆画像拡大
郡千釣さんから、勧められて書き込んでいます。

この個体を上げたのは2007.10.24の本栖湖です。
水深は85メートル。
棚は45メートルと記憶しており
体長は28aありました。
体表はヌルメがありながらも、他のヒメマスのように
鱗が剥げにくい個体でした。

また、今年の9月25日にも同じような個体を2匹ほど上げています。
水深は125メートル。
棚は60メートルでした。

画像は投稿のため縮小しています。
必要なら800KBほどの画像も所持しています。

[71693] Re:本栖湖のクニマスらしき個体 
2010/12/21 (火) 10:51:18 ぷいぷいユッケ
▼ 葱坊主さん

写真の紹介,ありがとうございます。

なるほど。確かにヒメマスとは随分と雰囲気が異なりますね。
体色がヒメマスよりも確かに黒っぽいですし,

> 体表はヌルメがありながらも、他のヒメマスのように
> 鱗が剥げにくい個体でした。


こういう観察によって認識された違いは,意外とアテになり,種や亜種間の明確に異なる形質のひとつであることも多いです。

また,クニマスは,ヒメマスよりも生息水深が深かったと言われているようです。


今回,報道などで話題になっている西湖のクニマス(クロマス)が,葱坊主さんのいう水深45mとか60mとかのような深いところで採れたものであると,もし論文に記載されているのであれば,この写真の個体も,同じものである可能性が高いように思います。

ただし,やはり現状では,きちんと同定するのであれば,
郡千釣さんや葱坊主さんの個体は,DNA分析や鰓耙数・幽門垂・鰭条数などのカウントが必要だったということになりますので,不可能ということになります。

しかし,今後,西湖や本栖湖の,クニマスと思われる個体の情報が集積されて,
体色・生息水深・鱗が剥げにくい……等のようなことがきちんと科学的に評価され,判明してくれば,
状況証拠からクニマスと同定しても,大きな差し支えはなくなるかもしれません。


このような情報の収集のためにも,この写真のようなクニマスの疑いが強い個体の標本をもっと集めるべきであるし,このような個体が釣れた場合は,是非とも博物館などへ寄贈していただければ,新しい知見を得ることに繋がると思います。

また,今回の報道の情報源である中坊先生らが投稿し,受理された学術論文の一刻も早い公開を望みます。


一方で,西湖では釣り人の増加が懸念されており,近々,何らかの規制がかかることが予想されます。

そうなると,標本を得る機会は減り,クニマス?の情報収集は難しくなります。
しかし,本当に釣り人が増えてしまうと,クニマス?は西湖や本栖湖にどれだけの数が生息しているのかもわからず,どれだけ獲って良いものなのかはわかっていません。
乱獲で激減,ついには個体群絶滅という可能性もありますので,そのような規制は当然,必要な措置であるかもしれません。


もし規制される以前に,葱坊主さんらが,再びこのような個体を釣られることがあるようでしたらば,是非とも博物館への寄贈をお願いしたいところです。
(とりわけ,本栖湖の情報は皆無ですので,標本をもとに学術論文で公表すべき知見と思います。)

その仲介役はこのWEB魚図鑑でも引き受けられますので,ご協力いただけるのであれば,その際には,ご連絡をいただければ,ありがたいです。

[71698] Re2:本栖湖のクニマスらしき個体 
2010/12/21 (火) 21:17:47 葱坊主
▼ ぷいぷいユッケさん・・・・

> その仲介役はこのWEB魚図鑑でも引き受けられますので,ご協力いただけるのであれば,その際には,ご連絡をいただければ,ありがたいです。

魚図鑑への件は問題ありません。
どのような対応をとればよろしいでしょうか?

当然のことながら禁漁区が設けられると思うのですが・・・
本栖湖の場合は最深部で138メートルとされています。
禁漁区が水深で変わるのか?
区域で変わるのか疑問があります。

理由としては、漁協側ボート乗り場からのポイントでも釣れますし
対岸側から入っても、それらしき固体は上がります。

今年は猛暑の影響で水温が高かった為、例年のように
20メートルぐらいの棚ではヒメマスさえも釣れない状況でした。

このため、仕方なく棚を40m以上に落とす必要がありました。

又、魚種保護の為水深がある場所が保護区となることも予想されますが
30m程の棚で釣れたとしても水圧の関係でリリースしても
生きていられるのかも疑問です。


[71699] Re2:本栖湖のクニマスらしき個体 
2010/12/22 (水) 15:16:24 孤高な漁師
現時点で 同定が出来なくとも
郡千釣さん 葱坊主さんが 釣りで仕留められた
この個体の状態は とても素晴らしいので
写真は 仮登録でWEB魚図鑑へ・・・と思います

今後 調査は進むでしょうが 網で獲れた魚が中心かと思います
なかなかこの写真のような 最高のコンディションの個体には
出会えないと思います

いろんな意味で 漁業権の設定された 内水面での魚の保護は
無意味でしょう

自然を利用した 養殖池と一緒です
そこにあるのは 見せかけの自然しかありません

規則、ルールにより 水際の接点を失うのは 一般市民、釣り人です
何もしないのが 良策かと・・・

[71702] Re3:本栖湖のクニマスらしき個体 
2010/12/22 (水) 21:30:45 郡 千釣HomePage
▼ 孤高な漁師さん
孤高なご意見いたみいります。

たしかに葱坊主さんの写真は、私と同じブイにボートを連結して釣りをしていたときのものです。「ヒメマスと同じ形だけど変なの釣れたよ」といったことを言われたので「あぶらびれある?」と聞いたら「ある」という、「じゃあトラウトだからやっぱりヒメマスなんじゃない」といった会話がなされた記憶があります。色合いからすればウグイの仲間にしか見えませんでしたが。

確かにヒメマスを放流して釣らせる釣り場で規制を設ける意味はないですよね。現に何十年もその状態で生き残ってきたのなら、そのまま続けるのがよいのかもしれません。

しかしだんだん分かってきて、例えば棲息しているタナが深いところだとしたらヒメマス狙いのタナとズレていたので生き残ったことも考えられます。そしてタナが分かってしまって釣り人が一斉にクニマス狙いでタナを変えたら、今度は本当に絶滅してしまう危険性もあるわけです。

また産卵時期だけ浅いところに来るという情報もあり、その時期が1〜2月ということなので、西湖も本栖湖も禁漁時期ですからこれが絶滅を救った可能性も否定できないでしょうね。

[71707] Re4:本栖湖のクニマスらしき個体 
2010/12/24 (金) 15:25:29 ぷいぷいユッケ
▼ 郡 千釣さん
▼ 葱坊主さん
▼ 孤高な漁師さん


今後のクニマスをめぐる対応には一悶着ありそうですね。

クニマスが規制や保護の対象になるのは,クニマスという種の絶滅リスクを下げる意味で効果はあるでしょう。

しかし,ヒメマス釣りに混獲されるとなると,その保護や規制の仕方には工夫が必要になりそうです。

西湖でヒメマス釣りを排除することは,ちょっと経済的な面などをから見ると現実的ではないように見えます。
そして,クニマスの基本的な生態情報がないままに効果的な規制や保護が行えないことには留意する必要がありそうです。

いずれにしろ,今後の関係する行政の対応には注目していきたいですね。

[71712] Re5:本栖湖のクニマスらしき個体 
2010/12/24 (金) 21:24:11 葱坊主HomePage
◆画像拡大
▼ ぷいぷいユッケさん
▼ 孤高な漁師さん


ご解答ありがとうございます。

私は、単にヒメマス釣りが好きで
西湖同様に本栖湖も通っているだけでした。

しかし、何故今頃になってと言う気持ちが強いです。

確かに、つりキチ三平平成版には昭和10年に
本栖湖や西湖などに受精卵を入れたという文献が残っていると
著者である矢口高雄氏が記していますが・・・

では、何故75年後にこのようなことになるのでしょう??
500万円もの懸賞金を出したほどの魚です。

追跡調査をしなかったのでしょうか?

しているなら、今時になってこのような騒ぎには
ならなかったのではないでしょうか?

西湖の漁師さんは黒い個体が上がっていたのを
以前から知っていたという話も聞きますし・・・・

そのときの様子なら千釣さんが記していますが・・・
釣りの記録としてHPを所持していますので
しっかりとそのときの様子が残っています。
http://homepage2.nifty.com/wakasagi/07.10.27~28.motosuko.saiko.htm

そして、今年も本栖湖の解禁日に出かけていますが・・・
袋の中ですが、やはりおかしな個体が3匹写っています。
一番上と中ほど、そして一番下の個体です。
既に、死んでいるので変色はしていますが
他のヒメマスと違い2007年同様の黒い個体でした。

さかな君の発表があと10日早ければ
画像のヒメマスに交じっていた固体は残っていたのですが・・・

このときは、猛暑の影響で水温が下がらず
浅い所にはアタリがなく、殆どの魚が棚は60bでした。

もし、今後本栖湖でも調査が始まり本栖湖の個体が
クニマスだと判断されたとしても、私はクニマス狙いに
走る気は全くありません。

何故って、メインはヒメマス釣りです。
そして、たまたま釣れたのがクニマスという考え方です。

ですので、浅い棚でヒメマスが釣れてくれるならその棚を狙うでしょう。

ダメであれば、仕方なく深い棚にするでしょう・・・

本栖湖は西湖とは異なり、ひっそりとしており船宿が3件しかありません。
朝焼けの逆さ富士を撮るカメラマンのほうが多いくらいです。
ボートの予約も1ヶ月前からでなければ受け付けてくれません。

今後、混雑し予約が取りづらくなるほうが
私にとっては寂しく感じてしまいます。

[71713] Re6:本栖湖のクニマスらしき個体 
2010/12/25 (土) 00:45:28 孤高な漁師
葱坊主さん
絶滅種の発見のニュースなんて 二度とないくらいの奇跡です
国産淡水魚が これ程まで広く話題になるのは 凄いです

>しかし、何故今頃になってと言う気持ちが強いです。
>追跡調査をしなかったのでしょうか?
>しているなら、今時になってこのような騒ぎには
>ならなかったのではないでしょうか?


クニマスかと疑いが持たれる個体は過去にも 揚がっていましたが
同定出来る 魚類分類学者が 誰一人として 居なかったということです

今回の発見で 論文が出るので 異常に高い関心を集めているようです
なんせ 古い学術標本と 論文しか残っていない幻の魚なんで・・・
ヒメマスとの違い クニマスと同定した根拠は もうすぐ公になるでしょう

海水魚は 日本には居らんとされる 国内初記録種なんて
毎年 ごろごろ出てきますが
絶滅種の発見は 先にも言いましたが もう二度と無いかも知れません

普通は 論文の発表を持って 公に出てくる話が
今回は異例の展開なのかな?
あれほど 標本と論文を 最重要とする業界なんですが 不思議です

クニマスと同定されたら されたで いろんな問題が出るのは間違いありません

クニマスが田沢湖の固有種である以上
西湖のクニマスは外来種(国内外来種)となり
へたすれば 保護どころか 駆除の対象にもなりかねません

オオクチバス(特定外来種)とは 少し意味あいは違いますが
国内外来種も 生態系保全や生物多様性の観点から言えば
駆除する方向で 世論は進んでいます

種の保存法に基づくレッドリストの 取り上げ方も どうするのでしょうか?
普通に考えれば [EW 野生絶滅]
人間の飼育・栽培によってのみ存在している・・・になるのでしょうが
もしそうであれば 西湖、さらには本栖湖でも 発見されれば
保護の対象になる可能性は 限りなく低くなります

昨日のテレビの報道で 天皇陛下のお言葉に
クニマスが今後絶滅することがないよう
危険分散を図ることはぜひ必要ですと述べられています
この言葉の意味あいは 自然界に再放流するのではなく
人的管理下に置かれた 閉鎖環境で
種の遺伝子を保存すると 理解すればいいのでしょうか?
生物多様性 自然保全なんて 少なくとも 20年前は
なんの話?で終わってましたが・・・

個人的な意見ですが 体裁だけの 環境省の言う
天然記念物や 絶滅危惧種に 指定されるのは ごめんです

淀川水系に住んでいる者の一人として イタセンパラ、アユモドキ
イチモンジタナゴ カワバタモロコ

それ以外、多くの 固有種や 国産淡水魚の絶滅を身近に 見てますので・・・

国と 一部の 魚類研究者 生物学者だけの魚では ありません

[71716] Re7:本栖湖のクニマスらしき個体 
2010/12/25 (土) 10:01:57 ぷいぷいユッケ
▼ 葱坊主さん
▼ 孤高な漁師さん


> > しかし、何故今頃になってと言う気持ちが強いです。
> > 追跡調査をしなかったのでしょうか?
> > しているなら、今時になってこのような騒ぎには
> > ならなかったのではないでしょうか?
> クニマスかと疑いが持たれる個体は過去にも 揚がっていましたが
> 同定出来る 魚類分類学者が 誰一人として 居なかったということです


ひとつ大きなこととして,分子生物学の技術的な進歩が大きいと思います。

ミトコンドリアDNAや核DNAの分析が,気軽かつ容易に行えるようになったのは,つい最近のことです。
そのための精密機械の普及も,この10年間で凄い勢いで広がった印象です。

これによって,別種かどうかの判断だけでなく,種内の地域集団・個体群ごとの判定も容易になりました。

ただし,問題も生じてまして,どの違いから別種なのか?とか,見るDNAの塩基配列の場所が変わると,結果も多少変わってくるなどに関しては判断が難しいところがあります。
(それゆえに,今回のクニマスと同定した経緯は,非常に興味深いところです。)


> クニマスが田沢湖の固有種である以上
> 西湖のクニマスは外来種(国内外来種)となり
> へたすれば 保護どころか 駆除の対象にもなりかねません


確かに,そこもネックで,報道の一部で杉山秀樹先生が少し指摘されている記事があったようです。


> 今後、混雑し予約が取りづらくなるほうが
> 私にとっては寂しく感じてしまいます。


混雑がどれだけのものになるのか?,それが継続的なものなのか?
は,ちょっと未知数ですけど,もしその混雑が激しく長く続くとしたら,大きな外圧になるのは間違いないです。

この点からも,種の絶滅を避けるための慎重な判断が必要になりますので,ただちに駆除という方向にはいかないとは思いますが,再導入の是非も,論文の内容をしっかり確認してからにすべきですね。


> 種の保存法に基づくレッドリストの 取り上げ方も どうするのでしょうか?
> 普通に考えれば [EW 野生絶滅]
> 人間の飼育・栽培によってのみ存在している・・・になるのでしょうが
> もしそうであれば 西湖、さらには本栖湖でも 発見されれば
> 保護の対象になる可能性は 限りなく低くなります


これはご指摘の通り,野生絶滅という判断で正しいと思います。
絶滅種の再発見は,魚類では前例がありませんので,参照できる事例もないということになります。

養殖は,ホルモン注射などの強引な手段で,成立すると思いますが……。
個人的には,生態などが不明のままの現状では,それらを明らかにするまでは保護の対象にした方がいいと思います。


> 個人的な意見ですが 体裁だけの 環境省の言う
> 天然記念物や 絶滅危惧種に 指定されるのは ごめんです


絶滅危惧種は,生息地改変などには拘束力がありませんし,
天然記念物は,そういう力があるはずなのに,文科省の担当というせいか,確かに機能しているように見えません。

漁業調整規則などは各都道府県ですし,水産資源保護法は,農水省の管轄。

国交省などもアセス関連では関係します。

このあたりが環境省に一本化されていない現状や,そもそも日本は他の先進国と違って環境省に配分している予算があまりにも低いので(省の中で最も低く,他の省よりも1桁も2桁も低い),効果的な対策を打てないというのはありそうです。


> 国と 一部の 魚類研究者 生物学者だけの魚では ありません

まさにその通りですね。
将来世代を含めて,誰もが親しめる状態にしていきたいです。

近年では,外来種の蔓延してしまった系においては,種の保全よりも生態系機能の保全の方が能率的には高い持続可能性を得られるという意見もありますが,第一は,種の絶滅を避けるという点は,忘れるべきではないです。

アユモドキも,美味しいという昔話を聞きますので,気軽に食べられるようになって欲しいものです。


おっと。専攻している分野と重なっていますので,つい長くなってしまいました。

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