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[10726] アズキハタ? 
2004/3/25 (木) 23:14:34 義経~HomePage
◆画像拡大
アズキハタでしょうか?40cmくらいです。
刺身にしたらうまかったです。
料理していたらハラから大漁の小魚がでてきました。
そのなかになんとホウボウの子がはいっていました!
おどろきです・・・・

[10727] ハタ科>コモンハタだと思います 
2004/3/25 (木) 23:55:03 小西英人HomePage
▼ 義経~さん

 釣場も必ず書いてね。分布情報は重要です。

 アズキハタではありません。体側上半部に小暗色斑点があるのは、コモンハタだと思います。

 フィッシュベースからURLをいれておきます。

■コモンハタ Epinephelus epistictus (Temminck et Schlegel,1842)
http://www.fishbase.org/Summary/SpeciesSummary.cfm?ID=7341&genusname=Epinephelus&speciesname=epistictus

                      英人

[10728] Re:ハタ科>コモンハタだと思います 
2004/3/26 (金) 00:22:18 義経~HomePage
▼ 小西英人さん

すみません、釣り場は福岡の大島沖です。エサはアカエビです。
オオモンハタですか?申し訳ありませんが見分け方を
教えていただけませんでしょうか?
私も新さかな大図鑑などを見てしらべたのですが、わかりませんでした。
ハタ科、フサカサゴ科はむずかしいです・・・・

[10729] Re2:ハタ科>コモンハタだと思います 
2004/3/26 (金) 00:23:02 義経~HomePage
まちがえ、オオモンハタじゃなくてコモンハタでしたね・・。

[10730] ハタ科>見分け方… 
2004/3/26 (金) 06:38:10 小西英人HomePage
▼ 義経~さん

 ハタ科もフサカサゴ科もほんと難しいですね。

 ある研究者が、ハタ科を見るとき、斑点があると「うわあ、てんてんハタや」といって、嫌がっていました。まあ、嫌がっているのか、喜んでいるのか、分かりませんが、体側に斑点のあるハタ類は、案外難しいのです。

 これの見分け方なんて、みんなの前で書くのは、ほんと恥ずかしいのですが、まあ簡単なものを書きますね。なぜ恥ずかしいのに書くかは、これを読んでください。

■【怪投乱麻】vol.102 ●電子図鑑 連夜の裸踊りは恥ずかしいなあの巻
http://fishing-forum.org/hideto/ranma/2003/102/102.htm

 まず、コモンハタは、かなり珍しいハタ科だと思っています。ぼくは実物を見たことがありません。

 実物を見たことがないのに、写真同定するというのは、なんていうのかな、ちょっと消去法に近い同定になるのです。あれでもない、これでもない、それでもないから、これに落ちるんだろうな…、ぶっちゃけていうと、こんな感じですね。これ、ぼくの浅い経験則から言うと、間違えやすいのです。

 しかし、実物をしげしげ見たことのある魚しか見わけられないのなら、ほんと、数に限りができてしまいますよね。

 まあ、とにかく、コモンハタは珍しいと思います。『新さかな大図鑑』にも、一般用の図鑑としてはいちばん収録種数の多い山と渓谷社の『日本の海水魚』にも載っていません。

 東海大学出版会の『日本産魚類大図鑑』(1984年)には片山正夫博士の解説で載っています。この写真で見ると、ほとんど斑紋はなく、小黒点がまばらに体側上半部にあり体側中央のは縦に並ぶ傾向がある…という、義経さんの写真個体と、ほぼ同じ個体の写真が載せられています。

 だいたい、「てんてんハタ」は難しいのですが、見るポイントは、斑点の大きさ、色、散らばり具合で、まず網目を形成するか、しないか、その斑点は、瞳孔より大きいか小さいかなどを見ます。そのあと、頭部にはあるか、各鰭にはあるか、とくにハタ科の場合、胸鰭、腹鰭などにあるかないかが、けっこう重要だったりします。

 しかし、義経さんのほど斑点が少ないハタは、珍しくて、だいたい頭部に、ほとんどありません。

 これで、ほぼ、コモンハタだと思えるのですが、ぼくの場合、実物を見たことがないのですから、その程度で、そうですよとはいえません。ハタ科は、変異が大きく、また老幼によって斑紋が違いますから怖いですよね。

 それで、まず、フィッシュベースを見て、斑紋変異を見ます。けっこう大きいようだというのが、おもにランドール博士の写真ですが、わかりますよね。ただし、フィッシュベースの写真は、けっこう、首をかしげるようなのが多いですから、頭から信用しない方がいいです。

 次に、ランドール博士とヒームストラ博士の書いた、"Indo-Pacific Fishes"の20巻、"Revision of Indo-Pacific Groupers" のコモンハタ、Epinephelus epistictus (Temminck et Schlegel,1842) を見ます。記載を読み、写真を見ます。斑点が体側中央部にある個体です。また、この本では、インド・太平洋のマハタ属は網羅されていますので、あと、まばらな小黒点が体側にある、ほかの種がいないかどうかチェックしておきます。

 このときに、産地が重要なのです。義経さんだから、福岡だろうなと思いつつ、もし魚屋で購入したものであれば世界中に広がる可能性がありますから、ちょっと違う文献で世界のハタ科も目を通しておきます。これで、ないから、ほぼ消去法で大丈夫かなと思います。

 ついでに、片山博士の"Fauna Japonica Serranidae"Katayama,1960 も見ておきます。

 学名は Epinephelus epistictus (Temminck et Schlegel,1842) で、テミンク、シュレーゲルだから、シーボルトコレクション、模式産地は長崎だろうと、すぐ推定できますが、片山博士ので、長崎と確認して、福岡なら大丈夫だろうと、ちょっと安心します。

 まあ、そんなこんなで、見たこともないハタ科を、コモンハタでしょう…なんて偉そうに書いています。ごめんね。

 長くなったけど、ポイントは、体側のまばらな小黒点です。

 小黒点は頭部にはなく、上半部に多いようで、体側中央部のが並びやすい傾向があるようですけど、変異はあるようです。

 各鰭には、小黒斑はあったり、なかったりするようです。

 これくらいの範囲を、コモンハタだと研究者がしているようですから、ぼくはコモンハタだろうと判断しました。

 調べたけど、見たことはないので、「思います」と断定は避けたのです。

 アズキハタは、斑点が大きく、赤っぽく、体も細長くて、白色縦線が2本走って、わりあい見わけやすいですよ。これは何度か見ているからね。

                           英人

[10731] Re:ハタ科>見分け方… 
2004/3/26 (金) 07:05:57 小西英人HomePage
▼ 義経~さん

 そうそう。

 『新さかな大図鑑』を参考にしていただけるのは、ほんと嬉しいのですが、それだけで同定しようというのは無理ですよ。

 同定には、やはり、その科が全種載っているような文献を使うべきです。

 『新さかな大図鑑』は、研究者も参考にしていただいて、嬉しいですが、生時の斑紋色彩情報を見たいとか、地域や老幼による変異はあるのかなど、そういう使い方が正しいです。

                              英人

[10732] Re:ハタ科>見分け方… 
2004/3/26 (金) 07:26:47 小西英人HomePage
▼ 義経~さん

 そうそう。

 模式産地 Type locality タイプローカリティーなどを調べるのは、むかしは専門の分類屋にしかできなかったのですが、いまでは簡単です。

 アメリカ、カリフォルニアアカデミーののエシュマイヤーが Catalog of Fishes というすべての学名を網羅したデータベースを構築して、公開しているからです。

 カリフォルニアアカデミーのサイトから見てもいいですし、簡単なのは、フィッシュベースの種小名をクリックしてみてください。
http://www.fishbase.org/Eschmeyer/EschPiscesSummary.cfm?ID=7341

 これで、Epinephelus epistictus (Temminck et Schlegel,1842) の原記載論文と、おもな論文、模式産地などが一発で分かります。

 長崎でしょう。

 そういそう。

 模式産地というと、その種の分布の中心を指すと勘違いしている人がいますが、違います。簡単に言うと、ホロタイプなど、その種の学名のもとになった標本が採集された場所を、模式産地といいます。しかし、それが、その場所で採れたのは間違いないですから、そういう意味では、非常に重要な情報です。

 たとえば、ヒラマサ Seriola lalandi Valenciennes,1833 の模式産地はブラジルとなっています。
http://www.fishbase.org/Eschmeyer/EschPiscesSummary.cfm?ID=382

 これは、やはり、おかしいよなと、これだけでも見当がつきます。

 ヒラマサなど、世界のブリ属は、きちんと整理をしなければいけないよなあと思ってしまいます。

 分類学というのは、いつもいつも整理の途中なのです。

                           英人

[10733] Re2:ハタ科>見分け方… 
2004/3/26 (金) 12:00:57 義経~HomePage
▼ 小西英人さん
いろいろとありがとうございます。
普段私はわからない魚がいれば、まず新さかな大図鑑、小西さんのおっしゃていた山渓の日本の海水魚(淡水なら日本の淡水魚)、そして、日本産魚類生態大図鑑などで調べそれでも満足のいく結果がでなければ、インターネットで調べていましたがいまはここのさかなBBSがあるので最高です。でも極力自分で調べようと思っています。
さかなの名前がわかれば、小西さんからいただいた、魚類検索などで調べます。
そのあとは、パソコンにデータをいれて、自分のさかな図鑑をつくっていますw
それがなかなか楽しくて・・最近では魚の胸鰭をあつめています。
あ、そういえば、先日、沖ノ島に釣りに行ったときに釣ったマアジに、あの寄生虫
ですかね、あの白くてダンゴムシのようなよくマダイとかサヨリについている虫がついて
いました・・・。よく砂地の魚見るんですが、沖ノ島にもいたんだなあと思いました。


[10734] ウオノエ科>標本のために送ってね 
2004/3/26 (金) 12:12:08 小西英人HomePage
▼ 義経~さん

 ウオノエ科の寄生虫を見つけたのであれば、広島大学の山内先生に送ってほしかったなあ…。

【WEB魚図鑑】標本募集!より
http://fishing-forum.org/zukan/hyohon/uonoe.htm

 こんどからお願いね!!!            英人

ps
 ちょっと古いけど『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会・1984年)が写真図鑑では基礎文献になるよ。ひまがあると、めくっておいたらいいよ。変わってしまったのもあるし、間違いもあるけどね。これの間違い探しなど、むちゃくちゃ訓練になるよ。ぼく、これの誤同定を初めて見つけたとき、嬉しかったなあ。

[10735] Re:ウオノエ科>標本のために送ってね 
2004/3/26 (金) 12:43:00 義経~HomePage
▼ 小西英人さん
やはり募集してましたか!料理中にWEB魚図鑑のトップに魚の寄生虫、ウオノエ類の標本を募集しています。と書いてあったようなと思いまして・・・でも一匹だけ送るのもと思い捨ててしまいました・・・。すみません。次回からは冷凍しておきます。
福岡ではよくみますよ、あの寄生虫、サヨリ釣りに行ったら10匹に1匹は必ずついてます。最近はサヨリ釣りに行っていないなあ・・・・。

日本産魚類大図鑑、私も解説と図版を見合わせたりほかの図鑑とみくらべて間違えをさがしていますが一つもみつかっていません・・・。けっこうすみずみまでみているんですけど・・・・。

[10736] Re2:ウオノエ科>標本のために送ってね 
2004/3/26 (金) 13:14:44 小西英人HomePage
▼ 義経~さん

 『日本産魚類大図鑑』の簡単な間違い例ね。ニセフサカサゴ、これは中坊さんが『日本産魚類検索』で指摘していますけど、イズカサゴです。ニセフサカサゴはありません。

 しかし、けっこう、ニセフサカサゴが一人歩きをしていますので、気をつけた方がいいです。

                               英人

[10737] Re3:ウオノエ科>標本のために送ってね 
2004/3/26 (金) 13:17:41 義経~HomePage
▼ 小西英人さん
一人歩きですか・・・たしかにイズカサゴ、フサカサゴ、とかはまぎらわしいです
一枚の写真ではなかなかわかりませんです・・・・・。
いま、見ていますが、よくわかりませんね・・・・・・・・。
あのマダイのページに書き込んであるのは小西さんですか?
写真のよこに魚の名前が書いてあります・・・。
でも本当おもしろいですね、魚は。

[10738] そうそう 
2004/3/26 (金) 15:18:32 義経~HomePage
▼小西英人さん
コモンハタWEB魚図鑑にのっていませんよね、投稿しましょうか?

[10739] お願いします 
2004/3/26 (金) 17:30:49 英人@携帯電話
コモンハタ図鑑に投稿してね。

[10741] 投稿しました! 
2004/3/26 (金) 18:50:49 義経~HomePage
▼小西英人さん
みつけましたまちがえ!!
まちがえじゃないかもしれませんが、日本産魚類大図鑑のスズキです。
二枚写真がありますが一枚はタイリクスズキではないでしょうか?

[10743] タイリクスズキ>そうなんですが… 
2004/3/26 (金) 19:56:36 小西英人HomePage
▼ 義経~さん

 おっしゃるとおり、『日本産魚類大図鑑』のスズキは、日本産のスズキと、スズキとしてタイリクスズキが載せられています。記載は片山正夫博士です。

 これ、間違いではなく、当時としては、凄いと思います。

 タイリクスズキの写真の方には var. とあるでしょう? これはバリエーションで、変異のことです。説明はありませんが、この田川さんの撮影した個体は黄海産です。

 片山先生は、記載で、タイリクスズキと、いま、どうあつかうか研究されている有明海産スズキのことにふれているでしょう?

 遺伝子研究がなかったころに、きちんとスズキと、タイリクスズキと、有明海型スズキを識別して、変異として記載しているのだから、すばらしいと思います。

 コモンハタで紹介した片山博士の"Fauna Japonica Serranidae"Katayama,1960 にも、きちんと記載され、見事な図版で3型が示されています。

 ぼくは、片山博士とは面識がないまま、お亡くなりになったのですが、望月さんから、よくお噂を聞いていました。

 ヒラスズキと、アカメを新種記載したのは片山先生です。

 ■ヒラスズキ Lateolabrax latus Katayama,1957
 ■アカメ Lates japonicus Katayama et Taki,1984

 くれぐれも、間違いではなく、凄いのですよ。

 まあ、あんまり、本の間違い探しを、オープンボードで議論するのもなんですから、この話は、これくらいにとめておきましょう。

                           英人

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