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[12153] 用語>血合いって? 
2004/7/16 (金) 20:47:09 ゆじだる
これから夏の釣りで、ヒラソーダなどが釣れますが刺身にする時血合い肉は取り除いています。料理の本などにはマグロの血合い肉は栄養豊富であるなどと書いてあるものもあります。この血合い肉ですが魚にとってどの様な役目をしているのでしょうか。

[12156] 用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/16 (金) 21:50:37 小西英人HomePage
■血合筋
ちあいきん Dark muscle

■お造りなどで魚の身を見ると暗赤褐色の部分があるが、これは魚類特有の筋肉で血合筋と呼び、それ以外の筋肉は普通筋と呼ぶ。体側中央の表層部にあることが多く脊椎骨と網状の腱でしっかりつながる。カツオやマグロ類はこの血合筋が脊椎骨の深いところにあり深部血合筋などと呼ばれる。マグロ類の血合筋の体側筋に占める割合は15%以上、ブリで9%、マアジで6.5%、シロギスで1.2%ほどになる。一般には数%で、10%を超えるものは少ない。血合筋は筋繊維が細く、毛細血管が多く、多量の血液が供給され、血液から酸素を取りこむ色素蛋白なども多い。血合筋は血液から供給される酸素により脂肪を分解させ運動エネルギーにする。普通筋はグリコーゲンを分解させ運動エネルギーを得るので多量の酸素は必要ない。カツオの筋肉の酸素消費量を測ってみると血合筋は普通筋の5倍の酸素を使う。血合筋は瞬発力はないが疲れにくい、普通筋は瞬発力はあるが疲れやすい。血合肉の栄養価は高く、健康食品であるのだが、食味が劣り、変質しやすい。また、かまぼこにするときは、色が悪く、ぱさぱさになる。(小西英人)


▼ ゆじだるさん

 上のような物でいいですか?

 食品としてではないですけど、遊泳力から見た血合筋のことは、【WEB魚図鑑】の『お魚エッセイ』を読んでみてください。

■魚あれこれ●ぎょぎょ事典
12 遊泳 | それは泳ぎながら泣いてる!のかもしれない
http://fishing-forum.org/zukan/hideto/gyogyo/gyogyo12.htm

 これ、写真がないなあ。こんど造りでもしたときに、写真を撮っておこうっと。

                        英人

[12162] Re:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/16 (金) 22:48:31 ゆじだる
▼ 小西英人さん
> ■血合筋
ありがとうございました。十分解りました。疲れにくい筋肉ってうらやましいですね!泳ぎを止めると死んでしまう高速魚はアラレちゃんに出てくるバイク小僧のようでかわいそうですね。

[12169] Re:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/16 (金) 23:30:33 ぶー
▼ 小西英人さん

赤身の魚の特権だと思っていましたが、淡白な白身の魚にも
あるのですね。

一般的に「筋」はつけずに「血合い」と表現していると思いますが、
サケ科なんかで「血合い」っていうと全然別の部分なんですよね?
肝臓に相当する部分でしょうか。

[12173] Re2:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/17 (土) 06:19:44 小西英人HomePage
▼ ぶーさん

 ふつうには「血合」ですね。水産用語では「血合肉」ともいいます。なぜ「血合筋」としたかというと、魚類学の筋肉の種類としてみるために、そうしたということと、魚類学用語は英語も重要で、調べられるようにしておいた方がいいのですが、英語の Dark muscle とあわせるためです。英語では、Red muscle ともいうようです。

 用語をまとめて、【WEB魚図鑑】とリンクさせるときに、英語の索引も付けたいと思っています。そうすると、英語の図鑑を読んでいて、わからないテクニカルタームも、引けるようになると思うのです。

 まあ、ぼくの勉強のためでもあるのですけど…。

 サケ科の血合って、同じだと思います。血合は、血合筋、もしくは赤筋ともいいますが、それ以外は指さないと思いますよ。

                          英人

[12189] Re3:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/17 (土) 21:11:42 ぶー
▼ 小西英人さん

北海道名物の「メフン」などは、サケの「血管の塩辛」とか
「血合いの塩辛」とか「肝臓の塩辛」とか読んだり聞いたり
した記憶があります。

昨日の書き込みは、「メフン」を想像しながら書いたのでサケ科に
限ったような内容を書いてしまいましたが、サケ科に限らず、よく
「内蔵を取り除いた後の血合いは歯ブラシで掃除して..」
といった表現を見ます。

そんなわけで、赤味魚の血合(肉質)とは違うものと思いました。


[12191] Re4:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/17 (土) 22:27:00 小西英人HomePage
▼ ぶーさん

 メフンは、背腸(せわた)ともいい、サケの背腸(せわた・みなわた)の塩辛で、背腸とは、背骨に付着している血のかたまりのような腎臓だと思っていましたけど…。

 血合とはいわないと思いますが、血のかたまりの連想からいうのでしょうか?

                            英人

[12194] Re5:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/18 (日) 07:24:09 ぶー
▼ 小西英人さん

ネットで調べると、メフン(血合)だったり、メフン(肝臓)だったり
メフン(腎臓)だったり、ゴッチャになっているようですが腎臓のよう
ですね。

あと、アジとかキスとかでも、背骨に付着した血塊を「血合を取り除く」
などとちょくちょく書かれています。

これも、英人さんが書かれていますように、単語のイメージからくる
誤伝、誤聞の類から、わかりやすいために受け入れられるようになった
のだろうと想像することは難しいことではないと思います。
全国区で使われていると思います。

確信がなかったので回りくどくなってしまいましたが、書きたかったのは
「背骨に付着した血塊は血合筋とはちゃいまっせ」という記述を一言加えた
方が混乱せずに済むかと思った次第です。

[12195] Re6:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/18 (日) 07:49:36 小西英人HomePage
▼ ぶーさん

> 「背骨に付着した血塊は血合筋とはちゃいまっせ」という記述を一言加えた
> 方が混乱せずに済むかと思った次第です。


 了解しました。

 ぼく、この辺を「血合」と呼ぶ認識はなかったのですけど、ぶーさんのおっしゃるようないい方を、たしかに料理系ではしているようです。ただし、料理系の、きちんとした用語でもないようです。この辺、料理系の人がいたら、コメントが欲しいなあ。「血合」を、血のかたまりと一緒にするのかしないのか…。

 それで、また考えますね。

 ぼくの長い編集者としての経験から言いますと、あまりなじまない誤用は、わざわざ書かない方がいいと思います。書くと、かえって、頭に残って、その言葉が一人歩きしたりするのです。

 それと、今回は見出し語を、「血合」ではなくて「血合筋」として、筋肉に限定していますので、触れなくてもいいのではないかなと、現段階では考えています。

 しかし、血のかたまりを「血合」というのが、けっこうなじんだ言葉だったり、きちんと、料理用語で、そう呼ぶというのが、わかったりすれば、また、追加するか、独立させて解説するかで、考えますね。

 ぼくは、とにかく、それを「血合と呼ぶことがあるというのは、知りませんでした。

 ぶーさん。ご教示、ありがとうございます。

                           英人

[12196] Re7:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/18 (日) 09:52:21 ぶー
▼ 小西英人さん

魚は、地方名でもそうですけど”超”がつくアナログな世界ですから、
これを整理するのは本当に大変なことです。

一般的な認識だと、こんな感じじゃないかと思います。
「血合」 :赤身魚だと赤黒い肉質の部分、
      白身魚だと背骨付近の細長い血管状のもの。
「血合筋」:聞き慣れない単語だけど「血合」のことを言うんだろうナ。


>  ぼくの長い編集者としての経験から言いますと、あまりなじまない誤用は、わざわざ書かない方がいいと思います。書くと、かえって、頭に残って、その言葉が一人歩きしたりするのです。

それでよろしいかと思います。


「メフン」は最初に知ったのが「血管」だったので、ずっと血管のことだと
思っていました。

●開高健「最後の晩餐」より
「から鮭というのは、鮭の腸を除いてそのまま干し乾かしたもの。...
ぬいた腸(ことに胃)は麹をまぶして塩辛にする。これが”チュ”というもの。
血管をそうしたのが”メフン”。頭を酢につけたのが”氷酢”。鮭は全身捨てて
よい部分がない。」


[12197] Re8:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/18 (日) 10:24:20 小西英人HomePage
▼ ぶーさん

> 「血合」 :赤身魚だと赤黒い肉質の部分、
>       白身魚だと背骨付近の細長い血管状のもの。
> 「血合筋」:聞き慣れない単語だけど「血合」のことを言うんだろうナ。


 血合とふつうにいう場合に難しいのは、白身の魚に「血合」はないと思われることです。

■魚あれこれ●ぎょぎょ事典
12 遊泳 | それは泳ぎながら泣いてる!のかもしれない
http://fishing-forum.org/zukan/hideto/gyogyo/gyogyo12.htm

 から、引用します。

■釣り人なら「血合」くらいは知っているだろう。お造りにしたときなどに、はっきりと違って見えるあの赤い肉である。この血合肉を血合筋、もしくは赤色筋、赤筋と呼ぶ。それ以外のほとんどの筋肉は普通筋、もしくは、白色筋、白筋と呼ぶ。ごくふつうに魚の筋肉をわけるとき、赤身魚、白身魚と分けることが多い。このときの赤白とは普通筋の色で呼ばれている。赤身魚の普通筋は、白身魚の血合肉、つまり赤色筋より赤いことも珍しくない。間違えないように、ここでは赤白を使わず、血合筋と普通筋と書いていく。

 ということなのです。白身魚にも、血合筋はあるのです。これは血合と呼んでもいいのですが、ふつうの感覚なら、ちょっと違和感があるでしょうね。

 ただ、白身魚は、背骨にある血管状のものを血合だと限定しちゃうと間違いになります。

                           英人

[12227] Re9:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/19 (月) 02:08:16 西潟”魚屋”正人
▼ 小西英人さん
「魚の腹を割って内蔵を取り出します。背骨に沿った血合いを切り、ササラでよく洗う・・・」とは、私のよく使う料理方です。あそこは血合いではなく、腎臓ですか?しかしながら腎臓とはもっと首根っこにある血の塊のような部分では・・。魚料理では背骨に水平にのびる小骨の周囲をサバ科ならば血合いと呼びますが、例えばキスなどは単に背骨に沿って小骨を切り取ると表現します。血の色を呈しない血合いでは、理解が難しいからかもしれません。料理人も赤白にかかわらず、血合い筋とするべきでしょうか。

[12228] Re10:用語>血合筋>ちあいきん 
2004/7/19 (月) 06:51:10 小西英人HomePage
▼ 西潟”魚屋”正人さん

 おっと! 西潟さんがいた!

 おひさです。

 そうですか、料理用語では使うのですね。それも「血合筋」と違う意味で使うようですね。

 料理用語の「血合」の意味と範囲が、ぼくにはよくわかりません。料理の専門書なら、きちんと解説がでているのでしょうか?

 スラングなのか、テクニカルタームなのか、よくわかりません。

 『日本国語大辞典』にも、『広辞苑』にも、数冊の百科事典にも、「筋肉」としての「血合」は載っていても、それ以外の記述はありませんし、もちろん魚類学の文献にもありません。

 まあ、ここで扱うのは、魚類学用語で、それも見出し語に「血合」ではなく「血合筋」と、筋肉に限定してありますから、用語としては、これでいきます。将来的に、魚料理のデータベースの計画もありますから、筋肉以外の「血合」は、そこできちんと解説してもらいましょう。

 けど、ぼく、ちょっと料理でいう「血合」を勘違いしていたようですね。というより、日本人が、何となく呼びならわして言葉になってきたものを、魚類学が借りてきて、筋肉の名前にしたのかもしれません。

 塚本勝巳博士は『魚類生理学』(板沢靖男・羽生功編・1991年・恒星社厚生閣)のなかで、「血合筋」「普通筋」は、むしろ「赤筋」「白筋」の方がよいかもしれない、しかし血管分布が密な「赤筋」を呼ぶのに「血合筋」という名前は、その性状と機能をよくあらわしているので、ここでは「血合筋」を用いると書いてはります。

 ただ、いま、そのもともとの意味と範囲を説明しているものが、ほとんどないようです。ぼくは、見つけられませんでした。

 これからも、おりにふれ調べてみます。

 ご教示、ありがとうございます。           英人

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